ブラウニーとジャック・オ・ランタン(中)
ジャック・オ・ランタン2体に顔を食べても大丈夫か聞いてみよう。
「突然で悪いけど」
俺の質問が終わる前に2体の頭が消えた。遅れて突風が俺たちを襲う。
「敵襲!?」
俺たち6・・・・人?6人に気付かれずに攻撃を仕掛けるなんて、確実に今捕らえてる素材キチガイよりも強い・・・。
「パトリックとニクマンは背中合わせで辺りを警戒!」
いくら警戒したところで格上の敵には勝てるわけもない。が、棒立ちよりは遥かにマシだろう。
『あ、ああ。わかった。』
いつ攻撃が飛んできても対応出来るように身構える。
「皆様は一体、何をしているのでありますか?」
後ろのほうからブラウニーの質問が飛んで来る。
「敵襲だ。しかも、俺らよりもかなり格上の実力者だ。」
「それは大変であります。私に何かできることはあるでありますか?」
残念ながら家事しかできない彼女にできることはない。
「気持ちはありがたいけど、安全なところに避難していてくれ。」
「了解したであります。安全圏に退避後、いましがた収穫したカボチャとカブで疲れの取れる物を作らせて頂くであります。」
カボチャとカブ?何か聞き覚えがある組み合わせだなと思いつつブラウニーの方へと振り返る。
『あっ、警戒を解くな!狙われるぞ!!』
パトリックの忠告は恐らく杞憂だ。俺の予想が正しければあの2体を攻撃した凄腕の冒険者なんて最初から居ない。
「どうかしたでありますか?」
両手にカボチャとカブを持ったブラウニーが不思議そうな顔でこっちを見ている。
「今お前が手に持ってるものは何だ?」
「カボチャとカブであります。収穫したてなうえに良質な食材であります。」
「何処で収穫したんだ?」
「つい10秒程前にここで収穫したであります。」
ほらな。
恐ろしく早い収穫。俺じゃなきゃ見逃しちゃうね。




