ブラウニーとジャック・オ・ランタン (前)
俺の去るものは追わないスタンスに唖然としている。
『良いのかい?そんなのだと誰もついてこなくなるよ?』
「ダンジョンとしてはダメなんだろうが、『もっと生きたかった』とか『あれがしたかった』みたいな未練を残してるやつらの第2の人生をある程度は応援するぞ。」
俺の思想については需要があったら後で説明するとして、もう時間がない。
「飾りつけはどんな状態だ?」
「はい、全体の80%と言ったところであります。それと、料理の方は1皿ずつお出しする感じで宜しいのでありますか?」
ブラウニー1体で大丈夫か気になってたが、ニクマンを上手く使って順調に準備を進めてくれているようだ。というか、肉で壁とか柱を作るとか気持ち悪っ!
昔読んだ漫画でも同じ様なことはしてたけどさ、実際に見ると気持ち悪いものがあるな。
「材料は肉人の肉しかないけど大丈夫か?少しくらいならならカボチャ出すぞ?確か50ダンジョンポイントでジャック・オ・ランタンが出せたと思うし。」
そう言いながらメニューを確認していく。あれ?ジャック・オ・ランタンが2ページ分あるぞ?
ジャック・オ・ランタン(カブ)
ジャック・オ・ランタン(カボチャ)
「なぁ?君はカブと鶏の煮付けとかそういうのって作れる?」
「問題無いであります。私は家事のみを特化したダンジョンモンスターであります。マスターが希望する料理を再現して見せるのであります。」
それだけ言うと彼女はニクマンの肉を引きちぎって行く。
おいおい、あの娘は鬼か。まぁ、いい。とりあえずはジャック・オ・ランタンを2体呼び出しておくか。




