準備と言い訳
まず用意するのはこちらの肉人、もといぬっぺふほふを用意します。同時にブラウニーさんも呼び出しまする。
『そんなにダンジョンポイントを使って大丈夫かい?このダンジョンに使うのは500ポイントだけだろう?』
「そうだぞ。言っておくけどこれは次のダンジョン用のポイントを使ってるし、自分が回りを巻き込んで始めたものだ。自分のお小遣いと新しいダンジョン用のポイントだ。今回の騒ぎが収束したら連れて行くから実質このダンジョンのために他の所からポイントを取って来たとかそういうのじゃない。」
そう、この騒ぎが始まってすぐに彼が提案して俺が切り捨てた作戦だ。ここで少し経験を積ませる代わりにってやつだ。
それを悟ったパトリックは不満気な雰囲気を出す。
「すまんな。お前の気持ちは分かる。ただ、落ち着け理由もちゃんと説明する。」
せっせとブラウニーに出してぬっぺふほふの調理を指示する。ぬっぺふほふ、伝承によっては死体が化けた妖怪で腐敗臭が凄いらしいが、今回は食用だからな。食べられる謎の肉ってことにして作り出した。あとは彼女らに任せよう。
「待たせたな。と言っても時間が無いから説明も駆け足になるけど、何から聞きたい?」
『・・・・それじゃあ、1度拒否した作戦を取ったことについて。理由を聞きたいかな。』
そうだろうな。自分が出したアイディアを1回拒否られて後からやっぱ使うよ。何て言われたら気持ち的な問題もあるし、何よりそんな優柔不断なやつに付いて大丈夫か疑問になる。
「まず、お前の意見を却下したのはあのときはここもそうだが、新ダンジョン分のダンジョンポイントも足りなかったんだ。あのときだと狐11出してもレベルが少し高いただの狐と低レベルのモンスター化狐が2、3体が関の山でここまでの事が出来なかった。」
実際称号がなかったらあのまま作戦実行していた。これは言い訳にしか聞こえないだろうが情報の共有はしておきたい。
『・・・・それじゃ次、何でこんな回りくどくしたのか。もっと単純かつ少ない労力でこの問題は解決出来たんじゃないかな?』
「一番簡単なのはあの冒険者を殺すことなんだけど、人間は殺さない。少なくとも今はまだ殺すべき時じゃない。」
『まだってことは、"いつか"は殺すってことだよね?』
「そうだな。お前との約束で人間は殺さない事にはしている。でも、いつかは冒険者を殺さないと仲間を守れないときが来ると俺は考えている。」
『・・・・そうか。それじゃあ次で最後。』
?もう少し何かしらの質問が来ると思ってたんだけど案外あっさりと終わるんだな。
『あれ?もう終わるの?って顔してるけど問答してる時間もあんまり無いんじゃない?』
確かにそうだ。宴会の準備は勝手にしてくれるとはいえおれ自身も着替えたりしないといけないんだ。
『それじゃあ、最後の質問だ。君にとって僕たちは一体何なのかな?例えば使い捨ての道具とか色々あるだろう?』
仲間とは何か意外と答えるのに悩む質問だな。




