嫉妬と欲望の坩堝
遅くなったうえに短いですが読んでいただけたら幸いです。
色々とぐだったが無事百鬼夜行は始まった。親バカ2人組はあのまま熱い議論を続けながら出て行った。
正直、作戦とかほっぽり出して殴り合いを始めそうだったが大丈夫だろうか。まぁ、殴り合いが始まっても穏便に事を治める手段を与えている。重大な失敗に繋がる事はない、と思いたい。
《今から隠し部屋に入るよ何組かの冒険者グループに挨拶程度の接触もしたから無事に噂の種まきはできたと思うよ?》
初代送り犬が優秀すぎてつらい。
「分かった。他のメンバーにも伝えとく。」
伝えると言っても誰かに伝えるだけなんだけどな。
「伝えるのはウィルで良いか。」
今更ながら感覚共有は便利だよな。なんせこっちは向こうの感覚を共有できるしやろうと思えばこっちの感覚を共有することもできる。
「そろそろ隔離部屋に向かってくれ。できれば『人間捕まえた。』みたいなことも伝えておいてくれ。」
《わかったぁ。》
「それじゃあ共有切るから後は、頼んだぞ。」
《はぁい。》
さて、ウィルが誰に伝えるかは置いといて、俺も移動しないとな。自分で企画しておいて何だが、このまま逃げたくなってきた。彼女らとの結婚からというより何故か行列の後ろを着いてきてる冒険者達が死んだ魚みたいな目で「あんなに可愛い子を1度に2人も嫁にするとは、我、天罰を下さん。」とか言ってる嫉妬する男性冒険者や「あんなことするなんてすごいお金持ちか上位の冒険者よ。」「ここで上手く取り入ることができれば、」「「玉の輿も夢じゃない!!」」なんて欲望丸出しの女性冒険者と混沌極まりない。
「業務連絡、業務連絡、パトリック君はやつが隔離部屋に入ったのを確認したら他の人間に化けてくれ。できれば神父とかそんな感じに化けて欲しい。化けたあとはそこで待機しててくれ。俺もすぐそこに行く。」
一方的に告げて共有を切ると同時に囮役の送り犬が転移してきた。
「よくやった。このまま俺に付いてきてくれ。」
ヘタレと言われようが関係無い。俺はあんな欲望を垂れ流しにした連中がひしめくダンジョンに1人で歩く勇気はない。




