親バカと百鬼夜行開始
何かもう色々とグダグダだけど仕方ない。
そもそも結納結納と言いつつ知識なんて無いなんちゃって結納だ。故にYUINOUスタイルであり、グダるのは必然と言っても良い。
「向こうも移動始めるみたいだしそろそろ行くぞ。」
「あいや待たれぃ。」
今度はなんだ?声の方を向くとそこには壮年のおっさんが居た。またおっさんか。
狐グループの先頭に居るということは恐らくさっき進化させた野狐の内の1体なんだろう。
「どうした?もう時間もないし後にしても良い話なら後にしてくれると助かるんだが。」
本気でそろそろYUINOU百鬼夜行を始めたいのだが。
「花嫁たる我らが頭目に名前がないのは如何なものかと進言致しまする。」
確かにそうだ今のうちに名前を決めるか。
真っ白だから「小雪」とかそんな感じなんだが、雪がイメージなのは六花と被るから止めておこう。未だに「えへへ。」と照れてる彼女を見る。綺麗な琥珀色の目をしている。琥珀、コハク、狐白、うん、いけそうな気がする。
「お前の名前は狐白だ。狐が白いって書いてコハ。あと、その綺麗な琥珀色の瞳に掛けてみた。どうだろうか?」
ネーミングセンス無いと言われても仕方ないと思うが、今の俺にはこれが精一杯だ。
「主様が付けてくださった名前が気に入らない筈がありません!とても素敵なお名前を戴けて私は幸せです。」
ちょろいとか以前の問題な気がしてきたぞ。
多分だが、この子は俺がポチとかタマみたいな名前を付けても同じ事を言ったんじゃないだろうか。
「それでは早速出発致しましょう。お嬢の晴れ舞台だ!皆の衆盛り上げて行こうぞ!!」
『待て!今回の結納は我らが主殿と六花殿の式である!よってそちらの方は慎ましくするのが道理!!』
ようやく作戦開始だな。というときにまたしても空気を読まないおっさんが現れる。
「は?お前さんは何を寝ぼけている?主殿はコハク様に「美しい」や「綺麗」と言った賛辞を掛けてくださった。それはつまり、コハク様を第1婦人にすると言っているのと同義である。」
『寝ぼけているのはそちらであろう。主殿は六花殿と既に半年も一緒の生活をしておられるのだ。訓練や食事も一緒にする程の仲故に、主殿と六花殿ははもう夫婦だと言えるのじゃ!!』
親バカか!なんだこのおっさん達は。
「喧嘩なら百鬼夜行しながら小声でやれ。今は作戦の遂行が先決だ。とにかく、お前らは先に行って隠し扉の前まで適当なルートを練り歩きつつさっき言ってた見たいにぼそぼそ言っててくれ。」
喧嘩してるおっさんを含めたモンスター達をダンジョン内に送り出す。後は、あの冒険者を罠にはめて皆と合流するだけだ。




