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異世界でお化け屋敷を作ってみたけど冒険者の方がよっぽどお化けな件  作者: 寝子山 茶々丸
因縁の始まりとダンジョン
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噂とサプライズ

 立派な旗を立てた彼を見送る。


「さ、お前らも百鬼夜行の準備だ。」


 百鬼夜行と言ってもゴーストと火の玉とスケルトンが列を作って歩くだけだ。このダンジョンの風物詩になりつつある。噂によれば「この行列の一番後ろの騎士は冒険者の裏切りで命を落としたため、冒険者を恨んで襲い掛かって来る」とか「最後までこの行列を見ると殺されて行列に加わることになる」って言われてるらしい。


「襲い掛かって来るのは兎も角、最後まで行列を見たら殺されるって誰が広めたんだと思う?」


 近くに居たスケルトンに話を振ってみる。質問の意味が伝わらなかったのか首を横に振っている。


『如何なされた?主殿。』


 ポンコツ騎士が話に加わる。ちょうど良い所に来たな。噂になってる本人に話を聞いてみるか。


「百鬼夜行の最後尾にいる騎士に襲われるとかそういう噂があるんだ。それで、噂のひとつに『最後までこの行列を見ると殺されて行列に加わる』ってのがあるんだ。」

『・・・・・はて?最後まで行列を見たら殺されるのになぜそんな話が広まってるのですか?』


 お?珍しく賢そうだ。


「何でそう思う?」

『行列を最後まで見たのならこの話を広めた人も死んでるはず。「最後まで見て帰るから、先に帰っててくれ」等ということがあったとしてもそれは調べればすぐわかることであろう?』


 本当に賢く見える・・・・だと?そんなバカな?明日は槍でも降るのか?

 いや、槍で済むのだろうか?インドラの矢とかその辺が降ってこないよな?


「そうなんだよなぁ。まぁ、今のところは実害があるわけでもないし放置で良いか。」


 不気味な噂とか不可解な噂なら寧ろバッチコイだ。

 行列と言えば、狐の嫁入りとか自分の葬式の光景を見たとか色々と伝承があるな。今日は特別な日だし、別バージョンの行列を歩かせるのも有りか。


「百鬼夜行は出発を少し待ってくれ今面白そうなこと思い付いた。」


 思い立ったが吉日だ。早速、モンスターの作成に取りかかる。基本的には白さと尾の数を変えるだけなのですぐに出来た。そして狐を11匹呼び出す。

 ダンジョンの機能で呼び出した狐はモンスター扱いになるらしく、他のモンスター同様にダンジョンポイントで強化できる。

 10匹を野狐に進化させる。残りの1匹はまだレベルあげすらしていない。彼女には特別な役割があるから育てる前に他の奴等にすることを伝える。


「狐の嫁入りをしようと思う。花嫁は今俺の隣に居るこの子だ。他の野狐は彼女の護衛とか侍女として参加してくれ。」


 俺の宣言にその場が静まる。このイベントはいわゆるYUINOU風の百鬼夜行だ。婿役はあとで決めるとして、狐面をした団体が怪火を灯して嫁入り行列を作ればインパクトは大きいだろう。

種族:野狐 レベル1

筋力:10 耐久:10

敏捷:18 知力:27

精神力:25 幸運:15

HP :10 MP:20


スキル

・変化

・幻術(弱)

・火魔法

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