ダンジョンの説明と命名
プロローグの間だけでも1日1更新頑張ろう。
「その点は大丈夫です。詳しい話はまず、拠点について一息入れてからにしましょう。」
別に急がないと生死に関わるわけでもない。移動しながら質問したいことを纏められる。こいつここまで考えてたのか。評価は有能そうから有能に上方修整しておこう。
「それもそうだな。ただ、君が大丈夫だと思っても俺は知らないことがあるんだ。いや、この世界のことについてはほぼ何も知らない。できれば独断専行は控えてくれるとありがたい。」
「畏まりました。以後気をつけます。」
「あと、その他人行儀な話し方もしなくて良いぞ。気楽にいこう。」
「善処します。」
あぁ、これ気楽にやるってことが分からないやつだ。そのうち気楽にゆるくの精神を教えてやろう。
「ところで拠点ってのはあとどのくらいで着くんだ?」
「この先に拓けた場所がありましたので、仮ではありますがダンジョンフロアを設置させていただきました。」
ダンジョンフロア?字面からしてモンスターハウスとか宝箱部屋とかそんな感じなんだろうけどダンジョンと何が違うのだろうか。聞かなきゃならないことが増えてくな。
声をかけようとして名前がないことを思い出す。
移動の前に名前付けておけばよかったな。名前か、夢だけど無いと不便なものだなぁ。
「着きました。こちらです。」
名前を考えてたら着いたらしい。森の中なのにかなり歩きやすかったな。異世界に来た設定だしステータスが上がってる設定かな?
ともあれ本日の宿は洞窟かな?植物を敷いただけのワイルドベッドかな?
「こちら『館型ダンジョンフロア・東屋』でございます。」
館型ダンジョン?また聞きなれない単語が出てきたな。
「それじゃあ早速だけどさっきの大丈夫について教えて欲しい。」
「畏まりました。私にはマスターがいる方向と大体の距離がわかる機能が備わっております。
この機能は私が遠くへお使いに行っている間にマスターが他の場所へ出かけて事件などに巻き込まれてもすぐに合流できるための機能です。」
成る程安心携帯とかそんな感じの機能なのか。
それじゃ、次だ。
「ダンジョンとダンジョンフロアについて教えてくれ。できれば違いも教えてくれれば助かる。」
「ダンジョンは一度設置したら移動することはできません。しかし、ダンジョンフロアはフロアとも呼ばれ、ダンジョン内であれば好きなだけ設置、移動させることができます。」
「移動できるかできないだけ?あと、設置するにあたって使うものとかは?」
「ダンジョンは一定の条件を満たすか貯めたらポイントを消費して広げていくことができます。
また、ダンジョン内にフロアを置く場合、特にコストはありませんがフロアやダンジョンの中に罠等を設置するには相応のダンジョンポイントを消費します。」
「ダンジョンポイントと館型ダンジョンってのは?」
「ダンジョン内で獲得した感情や魔力に応じて与えられるご褒美の様なものです。
このポイントを消費してダンジョンを拡張したり、新たなモンスターを呼び出せます。」
ポイントを上手く運用できるかどうかがダンジョンマスターとしての手腕にかかってるのか。
「館型ダンジョンについてですが、これはダンジョンのタイプです。モンスターにはそれぞれ得意な地形があります。設置するダンジョンと配置するモンスターの特徴を上手く組み合わせたり、誰も予想しないようなダンジョンを作成できます。」
「ダンジョンについては今はもういい。」
「畏まりました。それではステータスについて説明させていただきます。」
「その前に君に名前を付けたいんだけど良いか?」
予想してなかったのか驚いた顔をしている。
「名前を付ける前に種族とか性別とか教えてくれ。」
「はい、種族は雪女と聞いております。。」
「この世界にも雪女っているのか?」
「私の知識ではこの世界で雪女が確認された記録はありません。」
一応確認したがこの世界にはオークやゴブリンみたいな西洋ファンタジーは居るのに日本の妖怪や怨霊は居ないようだ。解せぬ。
「妖怪談義はここまでにして名前付けるぞ。」
「はい、お願いします。」
雪女か、雪、雪、雪、よし、決めた。
「君の名前は六花だ。宜しくな六花。」
「素敵なお名前ありがとうございます。こちらこそよろしくお願いします。」
名前を貰えたのがよっぽど嬉しかったんだろう。凍えそうな表情が気持ち柔らかくなったな。




