確認とレベルアップ
まてまて、進化ツリーがあるってことは回数制限というか行き着く先があると考えて良いだろう。
それに、進化する度に要求されるレベルも高くなっていくと考えるべきだ。もしかしたら進化素材とか要求されるかもしれない。
「調子はどうだ?動かしにくい所があるとかそう言うのは無いか?」
問題無いよとその場で羽ばたいて見せる。
「そうか。それじゃあ次は念話を使ってみてくれ。」
《やっとしんかできたぁ。》
間延びした子供の声、これが世に聞く『こいつ直接脳内に・・・!』ってやつか。それよりもどんだけ心待にしてたんだよ。第一声で『やっとしんかできたぁ。』は予想できなかった。
「緊急の時以外念話は控えるように。」
《はぁい。》
言ってるそばから念話使ってるじゃないか。
頭ごなしに制限してもロクなことにならないから指摘はしないが、この辺はいざというときの為にも教育はしておいた方がいいな。
「さっきから放置してて悪かったな。」
進化してから放置してたパトリックに声をかける。
『気ニしなくてモ良いヨ』
「もしかしてその姿だと話しにくい?」
『いや、この方が雰囲気出るかなと思ったんだけど、どうだった?』
雰囲気は出るけど犬の姿で冒険者と話ができるほど近づくつもりなのか?
「あー、まぁ、雰囲気は出てるな。」
『?歯切れが悪いけどどうしたんだい?』
あ、これ気づいて無いやつか。指摘するべきだろうか。
俺が悩んでると彼は困った顔をして聞いてくる。
『そんなに演技が下手だった?』
「いや、演技も完璧だし雰囲気も十分だ。」
『ならどうしてそんな困った顔をしているんだい?』
「お前、冒険者に話しかけられるほど接近するつもりなのか?」
俺の一言に沈黙するパトリック。
『ほっほら、もしかしたら怪我して動けなくなった冒険者を助ける事になるかもしれないしね。』
「変化して冒険者として近づけば良くね?」
『すごい魔法使いとかが変化を見破ったり、「ずっと着いてきてたよね?」ってなる可能性もあるからさ、ね?』
もう良いんだ。俺はわかってる。新種のモンスターに進化できて嬉しかったんだろ?そんな暖かい目で彼を見ていたら、突然メニュー画面が開いた。
少し驚いたが、画面に表示されている内容にもっと驚くことになる。
柳 八雲 男 レベル2 職業:ダンジョンマスター
筋力 :5 耐久:8
素早さ:20 知力:25
精神力:37 幸運:21
HP :6 MP:36
スキル
・霊視・死霊術・動物会話・命名・感覚共有
ユニークスキル
・怪異創造+
・死霊育成++
称号
・冥界の開拓者・ダンジョンマスター
スキルが増えたのと見慣れない表記が追加されていた。あと、称号ってなんぞ!?六花に植え付けられた知識にそんなものはなかったはずだ。
称号について必死に記憶を探っていると画面の表示が切り替わる。
称号:功績を残したモノや条件を満たしたモノに与えられる。ステータス強化などの恩恵を受けられる。本日実装。




