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異世界でお化け屋敷を作ってみたけど冒険者の方がよっぽどお化けな件  作者: 寝子山 茶々丸
因縁の始まりとダンジョン
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半年後と進化

 俺がダンジョンマスターになってから半年が過ぎた。

 この半年間でうちのダンジョンは、初心者冒険者御用達のダンジョンとして賑わっていた。

 確保できるダンジョンポイントも着実に増えている。


「まさか、あれでダンジョンが狭い扱いになるとは思わなかったな。」


 そう、いくら迷路のような洞窟でも最奥までの距離が1キロしかないダンジョンではモンスターに出会うよりも冒険者同士が出会う機会の方が多かった。

 そのため、緊張感が薄れてダンジョンポイントの収入が減ったこともあるがそこは、ダンジョンを拡張して宝箱の数も少し増やすことで対応した。


「しかし、洞窟だから拡張できたけど屋敷方式にした時は入場者制限掛けないとダメだな。」


 得られる成果は減るが、コンセプトを崩さないようにはこうするのが一番だろう。


 別の問題もある。最近またダンジョンポイントの集まり悪くなってきている。そろそろあそこのメンバーを強化するべきだろう。

 モンスターの数は増やしたけど種類が増えたわけじゃない。もう何種類かバリエーションが欲しい。新しいモンスターを出そうか考える。

 半年経つが未だに進化の条件がわからない。六花に聞いてはみたものの「わからない」としか答えが返ってこなかった。学説とかも「レベルが関係してるのではないか?」や「生息している場所に適応するのではないか?」等の論文はあるもののそれがあくまで仮説の段階だ。

 六花いわく、「私の知識はあくまでこの世界の人間が積み上げてきたもの。人間が知らないことは私もわからない。」とのことだった。

 俺も知識を植え付けられてからは自分でも仮説を立てて進化について研究をしている。が、何の成果も得られていない。


「進化のメカニズムが解るまではレベル上げで何とか対応するしかないか。」


 気が滅入ると独り言が多くなる。

 とにかく、みんなを強化するために死者の庭園の幹部モンスターを召集する。


「いつも通り君らのレベルを上げる。」


 モンスターのレベル上げはマスターが直接ポイントを与えないといけない、何ともめんどくさい仕様である。


「まずはパトリックからだな。」

『今回のレベル上げで進化できそうな気がするよ。』


 パトリックのレベルは既に24まで上がっている。


「お前、それレベルが15になるときと20になるときにも同じ事を言ってたよな。」


 俺が言うと彼は肩をすくめる。

 苦笑いしながらメニューを操作する。画面には『1240ダンジョンポイントを振り分けます宜しいですか?』と表示され俺は迷わず『はい』を選択する。これでレベルアップは終了だ。

 ところがメニュー画面が赤くなり別の文字が表示される。

『種族:ゴースト 固体名:パトリック 進化条件を満たしました。進化しますか?』

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