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番外編・新ダンジョンと幼馴染み

「おい、聞いたか?」

「何を?」

「最近できたダンジョンで新種のモンスターが見つかったって話だ。」

「マジかよ!?」


 ここ数百年は出現していない新種のモンスターの話題で持ちきりだ。


「噂じゃ新素材も出てきたらしい。」

「所詮噂だろ?」

「そうだな。それよかそろそろ仕事行こうぜ。」


 そう言って二人組の冒険者はダンジョンへ向かっていった。

 さっきの噂面白そうだし調べてみようかな。そうと決まればさっそく準備だ。


「それで私のところに来たと。」


 目の前でジト目になっているのは幼馴染みのミカだ。


「良いじゃないか。ミカも気になるだろ?新種のモンスターと素材。それに、もしかしたら俺らが探してるものの手掛かりがあるかもそれんだろ?」

「あるわけ無いでしょ!!私たちが探してるのはあくまでも元の世界に帰る方法!!新種のモンスターでも、新素材でもないの!!」


 ミカのイライラを表す様に現れる魔力の塊、あいつはあの魔法でいくつものダンジョンを踏破してきた。


「待ってくれ、俺がこの情報を持ってきたのは理由があるんだ。まずはそれを聞いてくれないか?」


 若干声が震えてた気がするが気のせいだ。


「その理由ってのはなによ?もし、くだらないことだったら覚悟は良い?」


 どうやら死刑の執行は止めることができたらしい。が、上手く説明ができなければ刑が執行されてしまう。


「理由の説明の前に聞きたいことがあるんだけど。」

「・・・・・何よ?」

「一反木綿って知ってる?」

「・・・・・・・・」


 沈黙が辺りを支配する。


「ふーん、遺言はそれだけ?」


 ヤバい、何かさっきよりも速い勢いで魔力が収束している。


「待って、落ち着け!俺等が元いた世界に一反木綿って妖怪の伝承があっただろ?その新種の名前が一反木綿なんだ!!もしかしたら俺らと同じ様に異世界に飛ばされたやつかもしれないんだ。」

「そう、それでその予測が正しかったらその人と情報の交換をしたいと?」


 理解が早くて助かる。


「そうだ。だからその魔法を止めてくれ!!」

「もし、空振りだった場合はどうするの?」

「がむしゃらに手掛かりを探すよりも可能性は有ると思う。」


 それを聞くと彼女は魔力の塊を霧散させる。


「それじゃさっそく行くわよ。ダンジョンの場所とその一反木綿が目撃された位置はもう調べてあるんでしょ?」


 こうして俺達・・・・いや、俺の悪夢が幕を開けた。

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