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ウィルオウィスプと名前

「どうした?振りでも殺されたりするのはやっぱり嫌か?」

『いや、死者・行方不明者を不自然にならない程度にどうやって調整しようかと思ってね』


真面目か!こういう奴には取って置きのアイテムを授けよう。まずは、怪異創造を発動する。作り出すのは『付喪神』だ。今回の入れ物はエディエット画面で作る。作ると言っても立方体に模様を入れるだけなんだが。


「これをやろう。」

『サイコロ?これが仕事と何か関係が?』

「これを毎月の初めに振ってその月に仕事する数を決めるってのはどうだ?」

『なるほど。これならランダムな分自然に被害者を増やせるな。』


納得したと頷く彼に俺は釘を刺す。


「あくまで目安として考えてくれ。俺の指示で多く働いてもらうことになるかもしれないからな。」


俺達の話を聞いていたのかウィル達が寄ってた。各々勢いよく燃えたり体を大きく揺らしたり自己アピールしてくる。


「なんだ?遊んでほしいのか?」


俺の問いかけに火事のように燃え上がる。違うのか。


「お前らもダンジョンで働きたいのか?」


冗談めかして聞いてみる。

今度は嬉しそうに体を上下させる。

こいつら子供みたいだな。


「わかった。お前らは俺達のダンジョンに来た冒険者を驚かせてくれ。そんで一番頑張ったやつを最初に進化させてやろう。」


その一言に程度の差はあれども喜びをあらわにする。


『簡単に約束してるけどさ、ウィルオウィスプから進化したモンスターなんて聞いたことないよ?』

「何とかするさ。それに、なにも考えてない訳でもないしな。」


意味深な事を言ってはぐらかす。

そろそろ休んでもいいよね。俺、もう疲れたよ。


「俺は疲れたし寝るよ。俺が起きるまでは自由にしててくれ。」


俺はそう宣言していったんを呼ぶ。

ちなみにいったんは俺が命名した。モンちゃんの命名は六花だ。命名スキルの実験である。

テントモドキに入って横になるとウィルオウィスプが一体入り込んできた。


「おいおい、俺はもう寝るぞ?遊びたいなら他のやつらと遊んでくれ。」


そう言って聞かせるが出ていく気配がない。仕方ないから少し話してみることにする。


「今からする質問にイエスなら縦にノーなら横に揺れて答えてくれ。」


縦に揺れる。よし、それなら


「俺に遊んでほしい」 横

「話がしたい」 横

「何となく着いてきた」 横


何が目的なのかさっぱり分からない。死霊術で対話が出来たら・・・・どのみちMPが無いから無理か。どうしたものか。

そうだ、寝る前の実験をしよう。そうと決まればさっそく怪異創造の画面を呼び出す。


「自分が死んだときの事を覚えてる?」 縦

「進化するなら動物みたいなのがいい?」 横

「進化するなら人間みたいな感じがいい?」 縦

「性別は男だった?」 横


そうか、人を所望なら始まりはここからにしよう。スキルは念話と泣き声で良いか。

種族を決めてできた。


種族:ミズコ レベル1

筋力 :3 耐久:2

素早さ:3知力:5

精神力:4 幸運:5

HP :3 MP:4


スキル

・念話 ・泣き声


条件も設定の項目を見つけたから『子供のウィルオウィスプ』にしておいた。

これでモンスター図鑑に登録されたはずだ。

図鑑を閲覧し、ウィルオウィスプの進化ツリーを確認する。

あった。かなり貧弱になるからか必要なダンジョンポイントがかなり少ない。


「これから君を進化させる。ただし、赤ん坊のゴーストだからかなり弱くなるそれでも良い?」 縦

「わかった。それと、進化前に名前も付けてやろう。そうだなサチでどうだ?俺のいたところだと幸せを意味する言葉なんだ。」


イマイチ分かりにくいが、多分喜んでくれてるんだろう。

進化を選択するが、画面の進化の項目が選択できなくなった以外なんの変化も見られない。


「すまない。進化させようとしたんだが、何も起こらないんだ。原因は起きてから六花に聞くからさ、今日はもう休もう。ほら、ここで寝て良いから。」


そう言っていったんが枕として用意してくれた膨らみを譲る。

これで朝一で六花先生の講義が始まるのか。そう思いながら俺の長い1日が終わった。

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