仲間とドロップ
無事ゴーストをバスターすることができた。ゴーストやアンデッドをメインにしようとしてるのにゴースト狩りをしたのは触れないでおこう。
「戦闘お疲れさまです。それにしても、狂化の解き方を知っていたのですね。これであのゴーストの狂化が解けました。」
ようやくトリップから戻ってきた六花がそんなことを言ってきた。訓練とはなんだったのか、今思いっきり戦闘って言ったな。
「いや、俺何もしてないんだけど。普通に殴ってただけなんだけど。」
普通に殴って狂化が解けるなら1回目の戦闘で解けてるはずだ。
「マスターは知ってて最後の貫手をしたのでは無いのですか?」
貫手で止めを刺せばゴーストは正気に戻る?
いや、普通に考えてあの赤い所を攻撃したってことだよな?
「では、説明致しますので少々お待ちください。」
そう言って彼女はさっきまでゴーストが居た所周辺を探し始める。しかし、暗くなり始めてる森の中で探し物とは、手伝いがてら新しくウィルオウィルプを召喚してみる。10ポイント消費で5体呼び出す。
どうやらこいつらの中にいきなり襲いかかって来る個体は居なかったようだ。安心安心。
召喚したばかりのウィルオウィスプに指示を出す。
「お前ら3体はあそこでなにか探してるやつの手元を照らしてやってくれ。」
すると指示された3体は六花の元に飛んでいく。あれ?六花って雪女だけど火の玉が近づいても大丈夫なのか?
と思い残った火の玉に手を近づけて見る。熱さは感じない。大丈夫だろうと考えるのは止めた。何かあれば言って来るだろう。
残りの2体のステータスを確認する。2体ともステータス確認するのは、個体差があるのか確認したいからだ。
結果を言うなら個体差はあった。2体分のステータスしか見てないから振れ幅がどの程度あるのかわからないが、現状のステータスはこんな感じだ。
名前:ウィル 種族:ウィルオウィスプ レベル1
筋力 :3 耐久:3
素早さ:14 知力:11
精神力:6 幸運:7
HP :3 MP:6
名前:ウィス 種族:ウィルオウィスプ レベル1
筋力 :4 耐久:3
素早さ:15 知力:9
精神力:7 幸運:6
HP :4 MP:5
他のやつらも確認しないと何とも言えないが、そこまで大きな差が出ることは無いだろう。それにこいつらに期待してるのは戦闘じゃなくて演出だ。
「お前らは話すこととかできるのか?」
俺が問いかけると火の勢いが弱くなる。
「俺の言葉はわかるけど話せない?」
今度は火の勢いが強くなる。なんだかこいつらが可愛く見えてきた。
「もし進化できるなら喋れるようになりたい?」
さっきよりも勢いよく燃え上がり、上下に動く。
「わかったすぐには無理だけど必ず喋れるようにしてやるからな。」
よっぽど嬉しかったのか2体はその場でくるくる回り始めた。ねずみ花火みたいだと思ったのはここだけの秘密だ。
「お待たせ致しました。マスターのおかげで探すのが大分楽になりました。ありがとうございます。」
戻ったきた彼女の手には小石程の赤茶けた塊を持っていた。
「それは?」
「はい、こちらは『怒りの欠片』と言うアイテムになります。」
「『怒りの欠片』?」
「はい、人間はこのアイテムを使ってポーションの類いを作ったり武器を強化します。」
「『人間は』ってことはモンスターにも使えるのか?」
「はい、モンスターに使った場合は先程のゴーストのように狂化が付加されたり別のモンスターに変化します。」
ウィルオウィスプに使ったらどうなるのだろうか。実際に使ってみる以外で何とかして調べられないだろうか。
ダンジョン作成の機能に何か無いだろうか。 モンスター図鑑的なものがあれば嬉しい。が、それを探すのは後だ。今はまだ聞かなきゃならないことがたくさんある。
「アイテムのドロップって何か条件とかあったりするのか?」
最初に六花が戦った時はドロップがあったのだろうか。
「大抵はランダムですが、ゴースト系のモンスターは条件があります。例えば、今回の場合は『狂化が掛かっているゴースト系モンスターをある程度弱らせて体の何処かにある赤く光るポイントを攻撃して止めを差す。』が条件になります。」
「怒りの欠片ってゴースト系のモンスターが強い怨みとかを抱き続けるとできる真珠みたいなものなのか。」
「その通りです。そしてどんなモンスターがどんなものを落とすのかを知りたいときはモンスター図鑑をご確認下さい。」
「ちょっと待ってくれ、モンスター図鑑にそんな機能あんの?」
「モンスターの説明文のしたにある黒い逆三角を選択すればドロップアイテム以外にも進化先の候補などを閲覧できますよ?」
ウィルオウィスプの進化先を見てみる。
種族:ウィルオウィスプ
進化先:なし
・・・・・・暫く何とか考えよう。もしかしたらいい感じの考えが浮かぶかもしれない。




