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コンビネーションと決着

そろそろ「タイトル詐欺じゃねぇか」と突っ込まれそうな気がする今日この頃。

『オマエガニクイ、オマエノセイデミンナシンダ!!』


いつの間にかゴーストが復活していた。一反木綿に名前を付けてたせいもありいまだに食料の確保も出来てない。更に言うなら追加で出すはずだったモンスターも出せていない。


「調度いい機会ですし、マスターの戦闘訓練も兼ねてあのゴーストを正気に戻しましょう。」


今度は俺がゴーストと戦うことになった。

ゴーストは攻撃がワンパターンでかわしやすいらしいが俺にとっては命懸けである。なんせHPが6しかない上に紙装甲で喧嘩もろくにしたことがないもやしだからな。


「低レベルゴーストの攻撃方法は基本的に振り下ろしのひっかきか掴みかかるの二択です。スキルもたまにしか使いません。落ち着いてやれば簡単に回避できます。」


ゴーストの腕が振り下ろされる。俺は大きく後ろへ飛び退く。


「ゴーストの攻撃でそこまで大げさに回避する必要はありません!!そのムダな回避で戦闘時間が延びるんですよ!!」


人が変わるとはこのことか。

言ってることは正しいのかもしれないが、初心者相手に少しスパルタ過ぎやしませんかねぇ?そんなことを考えていると反応が一瞬遅れる。

咄嗟に半歩身を引くが攻撃を食らう。


「マスター!敵の動きをよく見て!その調子!避けきれなくても今のは良かった!」


どうやら六花先生は戦闘になると人が変わるようだ。スポーツジムのインストラクターみたいになっている。


「さっさとこいつ仲間にして食料探しに行きたいんだけど!!」

「そのゴーストの攻撃を連続で10回かわせたら行きましょう。」


簡単とは言っても初心者にこれとは、鬼かな?

これは何を言っても流されるやつだ。おとなしく連続10回回避しよう。

腕が振り下ろされる。かわす。また振り下ろされる。かわす。

どうやら残りのHPが高いと連続で攻撃を仕掛けてこないようだ。攻撃も腕を振り下ろすモーションしかないため、予測も簡単だ。


「これは楽勝だな。」


ゴーストの攻撃に合わせて攻撃してみる。敵の体を素通りする。

向こうの攻撃はダメージになるのに、こっちの攻撃はMPを通さないと効かないってのはめんどくさいな。


「マスターがやる気を出してくれて嬉しいです。」

「違っ・・・・やめろぉ!!」


六花は恍惚とした表情でゴーストの下半身を消し飛ばす。ゴーストェ・・・・

黒いオーラがゴーストを包む。素早くなり攻撃のキレが増した。


「ちょっ!!これはさすがに無理だ!!」

「あぁ・・・無理だ何だと言いながら攻撃をかわし続けるマスター・・・・」


ダメだ、完全にトリップしてる。なんでマスターが死にかけてるのにあんなに楽しそうなんですかねぇ!?

こうなったら自分で何とかするしかない。確かスキルに使えそうなのがあったはずだ。あった、死霊術だ。

すぐさまスキルの詳細を確認する。


死霊術:対象のゴースト・アンデッド系のモンスターを使役する。消費MP:対象モンスターのレベル+5


使えねぇ。いや、性能は凄いんだ。だけどMPが足りない。


「せめてMPを纏った棒切れでもあれば・・・」


ん?MPを纏った棒ではないけど布ならあるじゃないか。


「来い!いったん!モンちゃん!」


いったんとモンちゃんは物質が魔力を帯びたようなものだしきっといけるはずだ。


「いったんは両端を俺の右手と左手に巻き付けてグローブがわりになってくれ。モンちゃんは相手の撹乱だ。」


巻いた拳でゴーストを殴る。先程とは違い、殴った感覚がある。


「これならいける。」


モンちゃんの目眩ましに合わせて俺がたたみ掛ける。

少しずつではあるがオーラも消えてきている。ゴーストの喉元に弱点っぽい点が赤く光る。


「あそこを狙う!!モンちゃんはあいつの動きを止めてくれ!」


大分力を削がれたのかゴーストはろくな抵抗もできずに拘束された。

俺は少しでも威力を出そうと拳から貫手に切り替える。普通にやったら突き指か脱臼をするだろうが今はいったんのサポートがある。

渾身の力で放った貫手はゴーストの喉元を貫いた。

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