◇エイプリルフール 学園ルルブレ
エイプリルフール企画のSSです。
なにがどうしてこうなった。
ヒカルは悩んでいた。
昼下がりの教室には3人しかいない。
「ん、ヒカルと同じ学び舎で勉強ができるのは楽しみ」
動じない(と言うよりあるがままを受け入れている)ラヴィアと、
「ひーん! 全然書いてあることがわかりません!」
教科書に目を通しては最初からわからないというポーラだ。
「……そんなことより、気にならないのか?」
ここがどういう空間で、自分たちが制服なんてものを着ているのか。
確か、自分たちは幻の民族ポジの集落へ……。
(うっ、頭が痛い……なんだこれは。まるで考えてはならないという謎のパワーを受けているような……)
するとラヴィアが、
「気になるよ」
と言った。
ラヴィアはさすがにわかってくれたか——とヒカルが思っていると、
「ポーラの制服はなんていうか、その、反則だよね」
「えっ!? どういうこと、ラヴィアちゃん!?」
確かに。
思わずヒカルは納得した。
このセーラー服はなんなんだと思わなくもないが、胸元を押し上げるポーラのボディは破壊力がある。
「あと……ううん、ごめんなさい。なんでもない」
「気になるよ!?」
「さすがのわたしも、友だちを傷つけられないから……」
「ラヴィアちゃん!?」
ヒカルとて言わなかったことを、ラヴィアも言わなかった。
そう、つまりポーラはすでに19歳であるという事実を。
19歳でセーラー服は、端的に言えばコスプレの領域に足を踏み込んでいるのである。1年留年した先輩が大人っぽすぎて見えるようなものである。
すると教室のドアがガラッと開いた。
「はいはい! 静かにしてねー。これからアンタたちには補習をしてもらうのよ!」
やってきたのは黒髪ツインテールに、女教師ふうスーツを着た「東方四星」のセリカだった。
「今日の補習は物理よ!」
「…………」
「なによヒカル。アンタ、あたしのほうが年上なの忘れた? 1年進んでるのよ」
「……じゃ、とりあえず最初の問題解いてみろよ」
「ふふーん。楽勝よ。なになに……」
セリカは教科書を開いて、凍りついた。
「…………」
ぱたん。と教科書を閉じる。
「こういう晴れた日は外で遊ぶのがいちばんね!」
「——ってなんであたしもこっちなのよ!?」
次に入ってきたソリューズによって、セリカは生徒側のイスに座らせられた。
ソリューズはなぜか男物のスーツに身を包んでいる。
「…………」
「なにか言いたげな顔だね、ヒカルくん」
「……いや、別に。その容姿で男装とか狙いすぎにもほどがあるとか思っていませんよ」
「全部言っちゃってるんだよなあ」
苦笑しながらソリューズはチョークを持って授業を始める。
補習。
それは試験で落第したり出席日数が足りなかった生徒が受けるもの。
(あれ……なんかふつうに授業になってるぞ?)
板書しながらヒカルは思う。
(なに流されてるんだ僕は!)
そう決意したとき、ヒカルは「隠密」を発動した。
イスを引いて立ち上がってもソリューズは気づかない。ひとり、教室を出る。
(よし、この世界がどうなっているのか——暴いてみせる)
廊下を走り出す。
無人の廊下を。
精巧に造られた世界の校舎は、完璧な現実感をもってヒカルに迫る。
(僕だってただではやられない!)
走り抜ける「隠密」の少年が見つけるのは——予想もしない真実だった。
次回、学園編クライマックス!!
もちろん続きません。
本日4/1に新作を投稿しました!
「裏庭ダンジョンで年収120億円」
という頭の悪そうなタイトルですが、是非こちらもお楽しみください。ページ下部にリンクがあります↓↓↓↓↓





