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学校内の迷宮(ダンジョン)  作者: 蕈 涅銘
8章 森エリア
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92話 懐かしのあいつ

「ふぅー、、、やっぱり他人と一緒にやるボードゲームは格別だよ。楽しかった。ありがとう」

エルキンドはきらきらとした雰囲気を出しながらそう言う。だが、俺達は誰一人輝いてなどおらず悲壮感を漂わせていた。エルキンドぉ、、、お前強すぎだろ、、、少しボードゲームやるって言ってその後俺達はエルキンドに勝つ事に夢中になり勝負を挑み続けたのだ。だが、結果は全敗。あの長い時間で一回もエルキンドに勝てなかったのだ。エルキンド曰く暇だったから定石は完全に網羅するのは当たり前として運とかそう言う確率論のパターンも見出してるらしい。何その哲学者的な思考は。そして、エルキンドはやっと満足したらしく

「まぁ、そんな顔すんなよ、、、君達を三十一階層の最後まで転送するから」

エルキンドはそう言ったその申し出は俺達にとってかなり有難いものだつたので俺達は首を縦に振った。この森エリアはそこまで広くは無い。だが複雑な地形と木々が視界を邪魔している場所だ。まぁ、俺達はジジイの地図があるから視界情報は遠くが見えさえすればそこまで明確には必要ない。つまりは沼地の霧ほど視界が消えなければ問題はない訳だ。その程度なら視界は確保出来るのでその辺は安心だ。

「じゃあ、迷宮制覇目指して頑張ってくれよ?健闘を祈る!転移ワープ

エルキンドの声に合わせて俺達全員は転送される。そして俺達は三十二階層への狭間の場所ぴったりに転送される。何て精度だよ、、、やっぱりエルキンドはこの三十一階層を完全に自分の住処にしている。そして網羅、、、支配していると言っても過言では無い。道理で野生のモンスターがいない訳だ。エルキンドの支配範囲はこの三十一階層全域だったに違いない。俺達は後々エルキンドの強さを感じながら三十二階層へと足を進めたのであった。

「あ、しまった、、、あの人の事を伝えるのを忘れてた、、、まぁ、大丈夫か」

エルキンドは安元達を送り出した後とある事を思い出し呟くがその声は安元達に届く事は無かった。三十二階層に到着した俺達は周りを確認する。ここは先程よりかは明るい雰囲気の森だ。先程は混合樹林だったがこの三十二階層は広葉樹を主に森が形成せれているように見える。やはりそうなると山西の苦手な昆虫類とかが多そうだ。まぁ山西の場合そちらの方が力は出せそうだけどね。そして、くまなく木々の隙間に敵が隠れていないか確認する。オーケーだ。何もいない。俺はそう思い隣の木に手をかける。その瞬間だった。

「お前はさっき何を学んだんだよ!」

添島が唐突に俺の横の木に斬りかかり両断まではいかないがその木には斜めに大きな傷が入る。そして、木が後ろに飛び退いた。そうか、、、トレントか、、、トレントは木に擬態するモンスターで不用意に近づいてきた敵を攻撃して捕食する習性を持っている。敵が強いと判断した場合などは出てこないパターンと大勢のトレントで一斉に掛かってくる事もあるので注意だ。だが、先程まで巨大なウッドゴーレムを相手にしていた俺達にとってトレントはかなり弱く感じた。まぁ、擬態が主な強さだから仕方がない面はありそうだが。そして、俺達はこの後懐かしのあいつと出会う事になる。

「ウホホッ!」

木々の上の方から鳴き声がし上を振り向く。そして、

「っ!?上か、、、!」

上空から降って来た何かに添島が反応し大剣で応対する。

「ウホッ!?」

その何かは驚きの声を上げて後ろへと交代する。

「気の攻撃か、、、懐かしいな、、、そう言えばあの時は全然相手にならなかったんだよな?だが今はこいつも雑魚敵か、、、」

添島は少し腕が痺れたようで手を振っているが余裕の表情だ。そして、俺もそのモンスターには見覚えがあった。そう、あいつだ、、、草原階層のボスモンスターだった。あのモンスターだ。気螺大猩々である。かつてボスモンスターとして登場したあのモンスターも今となっては雑魚モブとして登場するようになったのだ。だが俺達もそれくらいの強さになったと言う訳だ、、、だが雑魚モブにしては気螺大猩々は強い方だとは俺は思っている。だけど初見では無いのが何よりの救いだ。だが今の俺達ならばマナブレイクエンチャントを使わなくてもダメージは通せそうだ。こうして懐かしのあいつと俺達は戦いの火を切ったのであった。


あの時はめっちゃ苦戦してました。

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