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学校内の迷宮(ダンジョン)  作者: 蕈 涅銘
8章 森エリア
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90話 分身

自分自身をモンスターに、、、意味分かんねぇよ。俺はエルキンドの言っていることが全く分からなかった。逃げる為の戦い?逃げる事が必要?嫌だ、、、逃げるのはごめんだ、、、とか言いつつ俺は今まで逃げて来たのだ。それなのに、まだ逃げろと言うのか?人間は言われると反抗したくなる生き物だ。自分自身をモンスターにって事は野生に帰れって事か?だがどう考えても本能で戦えば俺はまた高火力の攻撃をぶっ放すだろう。エルキンドは俺だけじゃないが俺たち全員に転機を求めている。そんな無茶な、、、この短期間で何かを修得するなど無謀の極みだ。だが勿論エルキンドも馬鹿じゃない。そんな事は分かっている。だけど敢えてその課題を俺達に課したのだ。本能、、、今まで色んな事から逃げてきた俺の本質、、、それは、、、俺はそこまで考えるが嫌な記憶しか思い出せなかった。全ては自分が悪かったのだが、自分が悪い、、、とは認めたくなかったのだ。仕方がない、、、これが自分だって決め付けていた。だから昔は友達なんてものは一人も居なかった、、、俺の空気を読まない性格は昔から変わっていない。そして更に昔は気に入らない事があればすぐ人のせいにしていた。だけど世の中は自分中心で回ってる訳じゃないんだ。遊びに入れてもらいたくても入れて貰えず俺はあの時強引に遊びに入って輪を乱した。だが勿論そんな行為は認められる訳が無い。だがその時の俺は認められたかったのだ。同じ事を繰り返しどんどん関係は悪化していく。影で泣いた。だが誰かに構って欲しくて泣いた、、、だけど、、、誰にも話しかけて欲しくなかった。そしてその時救いの手を差し伸べてくれたのが添島だった。それから俺は少しずつ人との接し方を覚えて言ったのだ。全ての事には過程を踏まえないといけないんだ、、、俺はそこまで思い出し息を吐き出す。

「ありがとう、、、俺は落ち着いたよ、、、だが言わせて貰うこれは逃げる戦いじゃない!勝つ戦いだ!」

そう、何事もいきなりは出来ない、、、だから俺は今回は無謀な賭けはしない。ゆっくりと準備をさせて貰う。俺は両手にゆっくりとマナを込めてインプレスエンチャントの準備をする。俺の弱点は威力じゃない、、、攻撃範囲と攻撃発動前の隙だ!その隙を無くした上で広い攻撃範囲で攻撃出来たら最強じゃないのか?

内部圧縮属性付与インプレスエンチャント、、、」

俺は片手がバチバチと熱くなるのを感じでにやける。そしてもう片方の手、、、はただマナの感覚だけが残る。

据置魔力マナステイト、、、防具アーマー!」

俺の左右と俺自身に透明なマナと炎のマナが固形化しその場に残る。そして俺自身にもマナが覆い被さる。攻撃範囲の技は考えてはいたがそれはリスクが高く暴発する可能性もあった。だから俺はリスクが低い方を取った。

「さぁ?どれが俺か探してみろよ?」

俺は三体に分裂し、、、いや、正しくは三体に偽装した事に間違い無いのだが、、、

「名付けて気配付与サインエンチャント

だが正直言って俺の状況は良くない。このサインエンチャントはマナの消費量が普通の威力に調整したインプレスエンチャントの約二.五倍に相当する。つまり俺はこの技を三発撃つのが限界なのだ。火力のあるインプレスエンチャントの事を考えると実質二回しか発動出来ないだろう。だが、この技のメリットは、、、

連携コラボレーション内部圧縮属性付与インプレスエンチャントファイア

俺はウッドゴーレムを囲って三方向からインプレスエンチャントを使用する。まぁ制御出来ないから俺本体以外の威力は消費マナの割に低めなんだけど。と言うか消費マナは俺のマナを殆ど使うのに威力は全力のインプレスエンチャントに毛が生えた程度とかあまりの燃費の悪さに笑うしかないないな。だが実際ウッドゴーレムは俺の業火に焼き尽くされ炭となった。最初の攻撃の時点であと少し押せたら勝てたのかよ、、、ちょっとガッカリだ。

「いやぁ、びっくりだ。だが最後の攻撃は正直燃費が悪すぎるからやるなら本体だけで攻撃するのが良いかな?」

気がつくとエルキンドがいつのまにか立っていた。

「じゃあ帰ろうか、、、」

エルキンドは俺を転移させた。ちょっと待て、、、終わりかよ!だがエルキンドは少し遅れて転移した。

「俺が知ってる英雄もこいつと同じ能力だったな、、、今回正直、気配付与サインエンチャントが習得出来れば良いな位に思っていたが、、、あの状態で更に制御して攻撃するとは、、、人間分からない物だよ。まぁ、まだ制御が甘かったから本体は最初から分かってたんだけどね」

エルキンドは嬉しそうに口元を吊り上げると共に少し遠くを見るような目をして先に転移させた安元の元を追ったのであった。


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