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学校内の迷宮(ダンジョン)  作者: 蕈 涅銘
8章 森エリア
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89話 据え置き魔法

普通に詠唱すれば間に合わないだろう、、、だから!

泥沼生成メイドボグ!」

私は右手でマナを最大火力で込めて泥沼を生成し先程出現させた巨大な岩壁を地面に引っ込める。ウッドゴーレムは虚を突かれたように私の真上をすり抜ける。よし、これで詠唱する隙が作れる、、、

多重火球マルチファイアボール!」

私は複数の火の弾を泥沼の中に撃ち続ける。水中から気泡が発生し、どんどん温度が上がってくる。まだ、、、沸点を出来るだけ発火点に近付かせないと、、、まだ!そしてウッドゴーレムが地面に手をつき折り返してこちらに向かってくる。今よ!

深炎ディープフレイム!」

外旋風アウトホールウィンド!」

片手を地面につけ継続的な炎を生み出し火力を上げて行く。そしてウッドゴーレムが射程に入った瞬間にもう片方の手でかなりのマナを込め風を内側から自分を囲むように放ち風力を上げて行く。そして位置を高熱の泥プールが出来ているところに移動させて私は言った。

火災旋風ファイアホイールウィンド!」

発火点ギリギリまで加熱された泥沼は一瞬で水分を蒸発し風に巻き上げられ地面に埋めて置いた岩壁ごと原型を崩しながら竜巻を起こす。そして、私のディープフレイムが破片を巻き込み更に火力を加速させていく。ウッドゴーレムは私の目の前まで来ていたが火災旋風に巻き込まれ、あまりの暴風と火力に動きを止めている。この威力ならば瞬間火力も申し分無くて私なら最大火力でほぼ永遠にこの火力を継続させる事が出来る!私はあまりの温度に大粒の汗をだらだらと流しながらマナを込め続ける。ウッドゴーレムはどんどん肉体を焼き払われ再生が追い付かずにどんどん炭化して行く。そして、ウッドゴーレムは跡形もなく姿を消した。だけど火災旋風は止まらない。周りの森を巻き込んでまだ巨大化して行く。私はマナを込めるのをやめるけど止まる気配は無い。止められない!どうしよう!このエリアは森、、、火災旋風は辺りに物がある限り永遠にそれを巻き込み続けて大きくなる、、、このままだと私諸共焼き払われてしまう、、、どうするの、、、!

大水球ビッグウォーターボール

私は荒ぶる心を鎮めながら大きな水の球を火災旋風に撃ち込む。

(ジュッ)

だが私の健闘も虚しく私が放った魔法は一瞬で蒸発して水蒸気となり更に周りの温度を上昇させる。助けて!エルキンドさん!私はもう涙を流しながら周りを見る。だけどそこにはエルキンドさんの姿は無かった。どうして、、、だがその瞬間だった。

「っ!?」

「悪りぃちょっと他の奴の回収に向かってた。ったく、、、自分で放った魔法の処理も出来ないようじゃまだまだだな、、、ウッドゴーレムは倒したが実質不合格だな、、、まぁ火災旋風がそこまで大きくなる前で良かったぜ」

火災旋風が収集していき形を消しエルキンドさんが現れたのだ。そして私の所に寄り添って言った。

「せめてこの火災旋風も一度に出せるようになってある程度の大きさで制御できたならば、、、合格にしてやってもいいぜ?あと場所が悪かったな、、、だがこの技はチーム戦では使えない、、、色んな奴がいるな。個人戦なのにチーム戦を考慮した戦い方をする奴、、、個人戦を考慮した戦い方をする奴、、、そしてお前は個人戦を考慮した戦い方を選んだ」

私は思った。賭けの仕方を間違えたのだ。だがエルキンドさんがその後に言った言葉は私の予想を覆す物だった。

「だが、良かったぞ。流石だ。つまりお前は状況に合わせた戦法を取った、、、ただそれだけだ。これが出来ない奴は死ぬ。まだまだ改善点は多いが俺は良かったと思うぞ、、、まぁ頑張ってくれ、、、次は咄嗟にきちんと制御出来ると良いな」

私の頬からは自然に涙が伝った。そして、私はエルキンドさんと共に転移したのであった。

「さてと、、、まだ戻ってないのは、、、」

「安元、、、のみか、、、」

エルキンドは周りを確認してから呟き添島がその人の名を呟いた。

「彼はまだ新たな能力を修得していないからね、、、まだ戦闘中さ。みんな新たな能力に限らず何かを手に入れている筈だよ。そして皆んなの固有スキルがちょっと違った様だから彼が帰ってくるまで解説するよ。その間に彼は更に能力を手に入れる素質がある、、、と俺は信じているよ」

エルキンドはにやりとして言ったのだった。


補足


主人公のいる迷宮では魔物しか登場しませんが、エルキンドの出身地のロークィンドでは魔物以外にも普通の生物が登場します。


家畜と魔物の違いは魔石を持っているかいないかになりますが、魔物でも保護対象の魔物も存在します。魔石を持っている事による違いは生物が生まれた時点で全身に巡る強力なマナを持っているか持っていないか、詰まる所モンスターの素の強さです。


ただの生物や家畜でも鍛えれば人間と同じように強くなります(だけど、それを最初から育てる位なら魔物を育てた方が強いが、ブリーダーが死ぬ可能性がある上危険)以前説明したマナの代謝のシステムですね。


強力なモンスターの死体などはマナ濃度の高い場所でないと中々腐敗しません(細菌の関係。マナ濃度が高い所だと細菌も強化されるが、浸透圧の関係でマナ濃度が薄い場所には存在できない)。


ロークィンドの世界では魔素抜きと言う作業をしないと高ランクモンスターの肉などはまともに食べられないですが、高ランク冒険者などは顎の力や胃の分解能力(胃酸が強い訳では無く、あくまで体内を巡るマナの強度)強いので、問題無く食べられます。


※マナの代謝


参考までにどうぞ


発揮される力→マナが完全に染み込んだ筋肉量+マナ的要素の力エネルギー


触感→強度のみ上昇


食事によるエネルギー換算→マナ的エネルギー換算+カロリー的エネルギー換算


マナの質鍛えれば、マナ的エネルギー換算の変換効率が上昇する。その為、普段の睡眠などによるマナの回復量も上昇し、肉体へもマナを沢山供給可能。


体格や筋力→動きによる。マナはあくまでサポートと捉える為、体格から分かるのは戦闘スタイルや普段の鍛え方。マナだけ鍛えて普段動かない場合には筋力は落ちる。だが筋力が基礎部分である事は忘れてはならない。


マナで強化された肉体はマナの代謝が促進されている為、少ない量の食べ物からでも多量のマナに変換して得る事が出来、それと同じで、少ない酸素でも多く身体が変換して循環させる事が可能。そうでもしなくては飛躍的に上昇した身体能力と共に肉体は爆発的に酸素を供給しなくては活動不可能に陥ってしまう。その場合、陸上で窒息死と言う事もあり得てしまう。それを防ぐと言う意味でもマナのサポートで酸素の必要供給量も上手く調節されている。


そこようなマナの力により、呼吸を行わなくても一時間程度ならば水中に潜っていられる。元となる空気を肺から全て吐き出してしまってはそれも出来ないのだが、肺に空気を押しとどめていれば、それくらいの事は可能。その為、窒息などの攻撃にも強者はある程度強い。空気中にある僅かな酸素を変換して身体に循環させる事によって生きる事が出来る。ただ、その有毒な空気を吸ってしまった場合には少しずつではあるが、身体は蝕まれていく。


又は、酸素が一切含まれていない濃度百パーセントの有毒物質などを吸い込んだ場合にはマナは体を守る動きを発動させ、出来るだけ分解を行おうとする。その為、ある程度の毒ガスには対処が可能。


そうでもなければ、強靭な肉体を持っている人間がうじゃうじゃいる異世界での最強の攻撃手段は間違いなく毒ガスになってしまうと考えられる。ただ、マナのサポートで分解出来る毒の時間速度には限界がある為、過信は禁物だ。少なくとも、殆どの人間が肉体攻撃よりかは毒ガスとかの方が効く。


回復魔法による人体の傷跡再生に関しては、マナ創造形の魔法であれば欠損部分の継ぎ目の傷痕のみ残り、治癒促進型の場合は再生部分の傷が残る。


その他、異世界人の人体構造が細胞分裂の限界が無く、その代わりに生物個体によって時間経過で細胞が劣化するというのもある。※マナの力によって細胞分裂速度が管理されている。ガンは無くなるがその代わりにマナの抑制力が上手くいかなくなるガンに似たような病気は存在。



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