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学校内の迷宮(ダンジョン)  作者: 蕈 涅銘
8章 森エリア
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88話 賭けが出来る環境

「さぁて、、、まだ終わって無い人、、、合格していない人も居るけどウッドゴーレムに俺の試験で相対するのは君が最後さ、まぁ、同じ魔法使いとして腕を見せてくれよ、、、じゃあ俺はここで見ているから思う存分戦ってきな、、、健闘を祈るよ」

エルキンドさんは私に向かってそう言った、、、私はここに転移させられた時今回目標を持っていた。それは並立詠唱の習得、、、それも生活魔法とかの並立詠唱では無くて防御魔法や攻撃魔法、、、魔法全般的な意味での並立詠唱だ。私はエルキンドさんの魔法を見て私は素直に感服した。他のみんなはそこまで思っていないみたいだけど魔法をいつも使っている私は分かる。エルキンドさんは高度な技術を要する魔法を複数個別の場所で遠隔並立詠唱している。それで尚且つ個人個人と普通にやり取りができていた。みんなはエルキンドさんの性格を適当な人だとは思ってるみたいだけどあの人は私達を育てる事に全力を注いでくれているのだ。何故そこまでしてくれるのかも分からない、、、そして私達だけでは無くてあのお爺さんも含めて少なくとも地球の人間には優しくしている。エルキンドさんがどの様な目的を持っているのかは分からないけど凄く良い人、、、容姿もそれなりに整っているように見える。アンデットの筈なのにあの容姿は魔法で整えるのだろうか、、、?ただでさえ魔法の制御で忙しいのに見た目にまでエルキンドさんは気を遣ってくれている、、、そこまでしてくれているエルキンドさんの期待に私は答えない訳にはいかなかった。だけど私はすぐに気がつく、、、あの人は私達にウッドゴーレムを倒させる気が無い、、、!?多分添島君だと思うけど添島君がウッドゴーレムを倒した時の反応は意外そうな感じだったし、このウッドゴーレムからはマナの力をほぼ感じない。外にほぼマナが流出していないのだ。それだけでこのウッドゴーレムがどれだけマナを込めているかも分からないし、魔法制御力の高さが伺える。あの人の狙いはウッドゴーレムのゆっくりな動きを最初に見せて私達にやる気、、、本気を出させる事。倒せそうで倒せない境目を演出する事。そうでもしないと私達は成長しない。安全だと思い込んで成長出来るほどここは甘い世界じゃ無いんだ、、、ただそれに気づいてしまった私でも、、、全力でやらせて頂きます!

火球ファイアボール

ゆっくりと迫ってくるウッドゴーレムにそこまで長い詠唱を必要とせずにそれなりの威力を誇るファイアボールを選択して放つ。チーム戦の場合はより高火力で溜め時間も長いマルチフレイジングランスを選択するけど今はこちらの方が良いと思った。長々と詠唱する時間はない。ウッドゴーレムは蔦でファイアボールを払いのける。そして爆発し煙が舞い上がる。

泥沼生成メイドボグ!」

私はその隙を狙ってウッドゴーレムの足元に泥沼を生成してウッドゴーレムのバランスを崩す。今だ!私はウッドゴーレムの死角に回りながら高火力のマルチフレイジングランスの詠唱に入る。

「ほう?足止めか、、、それはあの男から学んだものかい?だけどね、、、」

エルキンドは感心した様に言うがその言葉を途中で区切りこう言った。

「その技も俺が教えた物だ、、、当然対処出来ない訳が無いだろう?」

エルキンドはそう言いウッドゴーレムを操作する、、、すると

「えっ!」

私が気が付いた時にはウッドゴーレムは体勢を立て直しており既に攻撃に入っていた。このままでは詠唱は間に合わない、、、だからと言って防御魔法も間に合わないわ、、、ここは、、、

雷火フレイジング、、、」

旋風ホールウィンド!」

私は詠唱途中のマルチフレイジングランスの詠唱方法を変えて槍の形に圧縮する前に解き放ちその直後に旋風を巻き起こして後ろに飛びウッドゴーレムの攻撃を回避する。赤と黄色の炎がウッドゴーレムを襲うがウッドゴーレムにダメージはあまり入っていない。持久戦だったら勝てるかも、、、そう私は思うがウッドゴーレムの身体がマナで覆われて自動再生するのを確認して諦める。一気に決めないとダメそうね、、、今回エルキンドさんが求めているのは並立詠唱じゃないわ、、、瞬間火力!私に足りない物よ、、、だけどその二つが両方出せたら凄く喜んでもらえそうね、、、私は別にピンチでも無いが突破口もないこの状況で思った。エルキンドさんが居てくれる今だからこそやってみるけど、、、普段の私ならばこんな賭けはしないわね、、、どちらかと言えば確率論、、、慎重に行きたいもの、、、だけど今回は出来ない事をやってみるって言うのも悪く無いかも知れないわ、、、だって、それが出来るかも知れない環境が整っているもの!

岩壁ロックウォール!」

私は巨大な岩の壁を目の前に形成して次の準備を始めるのであった。


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