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学校内の迷宮(ダンジョン)  作者: 蕈 涅銘
8章 森エリア
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83話 ババ抜きならぬ己抜き

私の固有スキルの効果があのお爺さんの言っていたスキルと違う可能性、、、?山西は考える。だけどいくら考えてもその答えは出てこない。

(その力を引き出せるかは君次第)

あのお爺さんはかなり熟練していて知識量も凄いけど元は地球の人間だ。それに対してエルキンドはこの迷宮が元々あった元の世界の人間、、、それではどうしても本当の知識量で言えばエルキンドにあのお爺さんが引けを取るのは当たり前の事だ。だけどよく考えてみるとあのお爺さんはどこからあんな知識を得たのだろうか、、、?この迷宮を探索しているうちに知識を手に入れた?勿論それもあると思う。だけど、、、固有スキル、、、ましてや他人の固有スキルの効果などどうやって知るのだろうか?もしかしたらモンスターで固有スキルを持つものがいたり鑑定スキルの様な物があるのかも知れない、、、っ!?だけど私はここで気がつく。私はエルキンドが言っていた言葉を思い出す。

(まぁ心当たりはあるんだけど、、、俺の伝え方が悪かったかな、、、まぁ、あの人には俺が後で伝えとくよ。伝手を使って)

俺の伝え方が悪かったと言う部分だ。多分あの人って言ってる人はあのお爺さんなのはほぼ間違いないだろう。そして、、、俺の伝え方が悪かった、、、って事はあのお爺さんとこのエルキンドは過去に関わっておりあのお爺さんの知識はエルキンドが教えた可能性が高い。

「エルキンドさん!貴方があのお爺さんに色々知識を与えたのですか!」

私は側で見守っているエルキンドにゴーレムの拳を躱しながら質問する。

「あのお爺さん、、、?ああ、俺があった時は若い青年だったよ。そして、強かった。あいつには俺も沢山知識を与えたな、、、だが、一つ言っておくとすれば俺が与えたのはその知識では無くきっかけに過ぎないと言う事だ。俺の役目は何かを与える事じゃなくて自分達の力で生きる為のきっかけを与える事だよ」

エルキンドはにやりと笑い言った。つまり、遠回しにこう言っている。ここできっかけを与えてそれで何かをこのままずっと掴めないままこの迷宮を探索すれば死ぬ、、、と。私は優しい口調で話すも残酷な現実を話すエルキンドに冷や汗を垂らして何か出来ないか考える。殻を破らなきゃダメだ!

五重強化クインティプルアップ 撃防速マルチ!」

「ほう?」

本当は今できる限界だとクィンティプルアップではどれか一つバフを掛けるので精一杯だ。だけど私は思ったこのままで良いのかと、、、マナは限界値まで消費し、私は大粒の汗をダラダラと流し意識が朦朧とする。だが私はまだ詠唱を止めない。そして、ウッドゴーレムが地面に手を埋めて周りから植物の根が私を襲い覆い被さろうとする。そして、私の意識が消えかけ目から色が消えてエルキンドがウッドゴーレムを制止させようとした時だった。

「っ!?成る程な、、、そっちの固有スキルだったか、、、これは化けるな、、、だが、最初は上手く使えるか微妙だ。そして補助能力をどう使うかも見所だ。まぁそれはあの子の制御次第だな、、、」

エルキンドは何かに気がついた様で嬉しそうにウッドゴーレムを制止させるのをやめて飛び退いた。

(ドン!)

「はぁっはぁっ、、、」

意識がぐわぐわし視界が歪む中私は何処かの空間に立っているような感じだった。まるで自分の中に何人も私がいるようで、、、いや私なのだ、、、だが、笑っている私、、、泣いている私、、、怒っている私、、、複数の自分が一体化しているような、、、そして意識が薄い中私は気がつくと周りから押し寄せてくる木の根を槍で止めていた。そして、砕いた。意識が朦朧としていてもわかる。先程より力が上がっており、何故か全周囲の攻撃をされた筈なのに目の前から来ているような感触でそれを防いだ。だが、それも限界、、、私はそのまま意識を落とした。

「己の中にいる、自分を引き出したか、、、まさに限界突破、、、潜在覚醒レイテントアラウザルって所だな、、、だがな、俺が知っている限りその能力はまだまだ伸びる。その使い方だけではないがその使い方でもまだ己の中にいる自分の数は増える筈だ。その能力は先程の小僧と一緒で応用出来れば恐ろしく化ける能力だ。だが、逆に言えば応用出来なければあまり使えない能力だ。まぁウッドゴーレムを倒せる、倒せないにしろ何かを得てくれよ?だから割と厳しい条件にしてんだからよ」

エルキンドは次だ次とか言いながら山西を担ぎ転移したのであった。


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