82話 固有スキルの効果
「ああ、違う、、、もっと柔軟な思考を持てよ、、、とにかく火力出せば良いって訳じゃないんだぞ、、、うーん例えば目に見えて具現化しないタイプの技でも良いって事だよ」
エルキンドが思慮深そうな顔で言う。具現化しないエンチャント、、、?俺は未知なる技の映像が一切浮かんでこないのだが、、、大体の怪我はエルキンドが直してくれるので思う存分に技の開発が出来る。
「じゃあ俺は次の試合の準備に入るから、、、でも君の様子くらいは確認できる」
付きっ切りじゃないのかよ、、、!稽古付けるって言ってたからてっきりエルキンドがジジイと同じ様に教えてくれるのかと思っていたが違うみたいだ。
「まぁ、君は君自身をモンスターとでも考えたら良いんじゃないか?モンスターは種類によって個性もバラバラだし、攻撃方法も異なるだろ?それならば簡単さ」
エルキンドは言う。自分自身をモンスター、、、?確かにモンスターであれば色んな種類のモンスターがいる。攻撃方法も様々で、、、忍者の様にして攻撃をしたり、殻に篭るもの、擬態するもの、、、姿を隠して奇襲を旨とするもの。っ!?俺は色んな事を考える。その中に添島の様な気を貯めるスキルや、重光のほぼ無限にマナ供給が可能なスキルなど俺としては重光の能力は一番欲しいものだ。俺のスキルはマナ効率が悪すぎる。ただ、練習していないだけなのは勿論あるのだがな。他の人のスキルやモンスターの特徴、、、それを意識して俺はエンチャントを色々試作しながらエルキンドのウッドゴーレムとの再戦に向けて新技の開発に勤しむのだった。
「ただいま、さぁて、次の順番だよ」
エルキンドが家に戻ってくる。
「次の順番はこのババ抜きで一位抜けした人にしようと思うんだ、、、というよりトランプをやりたい」
添島たちはそんなエルキンドに苦笑いをしながらトランプに応じる。そして、一位抜けをしたのは、、、
「はぁ、、、私かぁ、、、」
山西が残念そうに呟く。
「じゃあ、行こうか」
山西はそのままエルキンドに転移魔法で戦闘場所へと連れていかれウッドゴーレムと相対する。
「全力でやりなよ」
エルキンドのその言葉を皮切りに戦闘が始まる。
「四重強化 撃速防」
山西は自分を強化して槍を構えた。そしてウッドゴーレムの拳が振るわれる。
「はぁぁあ!」
山西はウッドゴーレムの拳を躱して槍でカウンターの一撃を腕に撃ち込む。だが、ウッドゴーレムにダメージは入らない。完全な火力不足だ。結局はカウンターを決めても無駄な訳でウッドゴーレムに山西は歯が立たない。そこでエルキンドの声がかかる。
「君のそのスキルって本当に強化上昇系なのかい?それしか出来ないならば君は一人の時どうしてるんだい?そのスキル使いこなしてみなよ、、、誰にそのスキルを見て貰ったのかは分からないけどね、、、俺はそのスキルには何か別の意味がある様に感じるんだけどねぇ、まず補助魔法の上昇効果が重ねがけ出来るだけって限定的すぎると思うんだよね。まぁ勿論『相乗効果』って言う固有スキルは存在するよ。だけどあれは自分の力も段階的に全部上昇する筈なんだよ。だけど君は今の所補助魔法だけしか効果がかかってない、、、まぁ、多分そのスキル名を君に話した人は魔法とかはかなりの種類使えるけどロークィンドの人間では無かったんじゃないかな?固有スキルは特殊なのが多くて説明し難いんだよね。まぁ心当たりはあるんだけど、、、俺の伝え方が悪かったかな、、、まぁ、あの人には俺が後で伝えとくよ。伝手を使って」
エルキンドが山西に対してぺらぺらと喋る。そのエルキンドの言葉は山西に強く刺さる。そうなのだ。今までこの世界に来てからというもののまともな活躍をしていないのだ。自分は補助魔法で仲間を強化して動きの速くなった仲間達には自分は遅れを取ってしまう、、、そして元々の火力も低い。
「まぁ、その力を引き出せるかどうかは君次第ってところかな?」
エルキンドは笑いながらそう山西に言ったのであった。




