表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
学校内の迷宮(ダンジョン)  作者: 蕈 涅銘
7章 渓谷エリア
74/544

72話 容量限界

ヴィコンヴァイパーの狩りを見届けた俺達は更に先へと進む。だが、この階層の特徴は本当に環境以外は二十六階層そっくりだ。勿論ヴァレオンのような強力なモンスターやチャージホークなどの二十六階層にはいなかったモンスターも多数いるのだが、、、俺達は俺が纏う冷気のお陰で二十九階層は本当に二十六階層で進んだ感じと大差無い感じで進んで行く。いや、寧ろ渓谷の進み方に慣れた今の方が速く移動出来ている気がする。だからと言って油断しているつもりは一切無かった。だが、俺達の今まで敵が来た場所は大抵上空か壁からか、対面の崖からだったからそこには注意が行っていなかった。

「っ!?」

俺は地面の違和感に咄嗟に飛び退く。その瞬間だった。

「グエエエエ!」

辺りの地面が赤熱し、地中からは岩を纏ったトカゲの様なモンスターが現れる。翼が付いて降り二本の足で立ち喉を鳴らしており、平たい頭は殆どが岩で覆われて目以外は全て隠れてしまっている。口からは鋭い牙と長い舌が覗き、身体は細いのだが重そうな身体はどうみても空を飛べそうな雰囲気は無い。もはや翼は地面を掻き分けるのに使っているみたいだ。滑空も出来るみたいだが、、、それでだ。こいつはゲオリザード地中で体を温めて生活しており、自身の皮膚にも発熱器官を持っている。そして、岩石や礫を身体に纏う習性があり皮膚と岩石が密着している状態でより少ない発熱量でより高温で体温を維持する事が可能になっている。逆に言えばこいつは寒いのは苦手で夜は洞窟に潜っていたりする。昼行性だ。

「グエエエエエ!」

奇襲に失敗したゲオリザードは翼を地面につけ四足前進で俺達の方へと向かってくる。こいつじゃ、チャージホークがやってた紫電を飛ばす攻撃は分が悪いな、、、そして、寒さには弱いと言えども発熱器官がある影響でそこまで氷属性も効かないはずだ。まぁ、発熱すればその分体力は消耗させる事は可能だ。俺達の方向に走ってくるゲオリザードは赤く赤熱し、煙を上げている。発熱し過ぎだろ、、、まぁ、、、熱が加わった金属程弱い物は無いって知ってるか?俺は先程のゲオリザードが地面から出て来た時からマナを込めておいた石ころを強く握りしめて言う。

内部圧縮属性付与インプレスエンチャントファイア!」

「グエエエエ!」

旋風ウィンドホール

爆炎がゲオリザードを包み吹き飛ばす。重光が辺りに爆散し吹き飛んだ赤熱した岩石が危ないと感じたのか旋風で爆炎と一緒にゲオリザードを包む。だが、それは俺の爆炎を更に高火力にしてゲオリザードに襲いかかる事となる。風が巻き込み炎が舞う。そして、爆散した岩石の破片などが宙を舞い炎の竜巻の様に渦巻きゲオリザードを上空に吹き飛ばす。元々俺の爆炎の持続時間が短く重光のタイミングも微妙だった為そこまで大規模な火災旋風にはならなかったがゲオリザードは全身血だらけで皮膚は爛れ大火傷を負い既にボロボロだ。地面に落下したゲオリザードは地面を掘って逃げようとする。敢えて言うならばここで普通に倒しても良かったのだが俺は近くの石を拾いマナを込め始める。そして、

内部圧縮属性付与インプレスエンチャント サンダー

正直マナの無駄遣いだがやってみたかったのだ。しょうがない許してくれ。俺の手元の石から紫電が真っ直ぐに空気中の乾燥した空気内で静電気を巻き込みながら逃走中のゲオリザード目掛けて飛んで行く。

「ガッ!」

ゲオリザードは悲鳴も上げず体内の空気を吐き出すようにして痙攣し、そのまま命の火を消した。うん、自分でやっといて何だがやっぱりこの技エグいわ、、、そう思いながらゲオリザードの死体を回収しようとしたのだが、、、

「あれ?」

「どうした?」

ゲオリザードの死体がマジックバックに収納されないのだ、、、おかしいな、、、確かにさっきトドメは刺した筈なんだが、、、もしかして死んだフリ?この趣旨を添島に伝えると笑いながら添島が答えた。

「マジックバックの容量がいっぱいなんだろ、、、何か中身出さないと多分入らねえぞ?」

なるほど、容量か、、、確かに最初の頃に聞いた気がする。それでも気にならないくらいの容量が有ったのだが、やっぱり転移碑が四階層近く無いとモンスターの素材諸々は全て入らないか、、、そろそろ新しいマジックバックが欲しい、、、俺だけマジックバックを持っているってのも俺が失踪したら終わりな訳だし。そして、何を出すか吟味した結果食料を全力で消費し、次の転移碑まで敵と遭遇しない事を願うのであった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ