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学校内の迷宮(ダンジョン)  作者: 蕈 涅銘
7章 渓谷エリア
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63話 アクアとの遠隔共闘

しょうがない、、、アクア、、、

(良いよ。軽減)

アクアにオリヴィエを使ってもらい俺はカルキノスがいつ来ても良いように刀を構える。

内部圧縮属性付与インプレスエンチャント アイス!」

カルキノスが動いた瞬間俺は石を拾い一気にマナを込めて氷を放とうとする。

「ぐがっ!」

だが、それと同時に自分を痛覚が襲い意識が飛びそうになる。そして、インプレスエンチャントも失敗だ。石が破裂し周囲には冷気が漂い所々地面が凍っり氷柱を作った場所もある。カルキノスの巣が狭かったのもあり誤爆した俺のインプレスエンチャントはきちんとヒットしてくれた様だ。だが、それと引き換えに俺をものすごい勢い倦怠感が襲う。アクアのオリヴィエでやっとインプレスエンチャントをギリギリ撃ち出したのだ。もう俺に出来るのは刀で迎え撃つ事だけだ。カルキノスの巣の温度は低下し、俺の口からは白い息が溢れる。そしてカルキノスはと言うと

「キシキシキシ!?」

俺の冷却攻撃をもろに間近で受けたのもあり脚が凍り地面に張り付いていた。チャンスだ!やるなら今しか無い!だが油断はしてはいけない。カルキノスの胴体は大きく捻ることも出来る為割と鋏の当たる範囲が広いのだ。カルキノスの頭と鋏だけは敵を攻撃しても壊れない位の強度がある。狙うは胴体だ。頭と身体を切り離す位は考えておこう。

「はぁぁあ!」

俺はカルキノスの背後に回り胴体に向かって刀を放つ。

(メキメキ!)

だが、俺の刀が切ったのはカルキノスの胴体を浅く斬り裂いただけだった。そして地面にはカルキノスの脚だけが数本残っていた。カルキノスは自身の脚を千切って俺の攻撃を避けたのだ。多分直ぐに俺を攻撃しに来る筈だ。感じるんだ!俺は自分の感覚に頼り刀を鞘に納め居合斬りの姿勢で待つそして!

「キシキシキシ!」

今だ!俺は刀を振り抜いた。そして俺の後ろにはすれ違い様に身体を両断されたカルキノスがいた。カルキノス自身の速度と俺の居合斬りの速度が相まり威力はかなりの物となっていた。だがここで俺にも体力の限界が来る。俺は片膝を突き。息を荒らげる。そして、今日はここで休む事にする。しかし、流石にこの温度だと凍死しかねないので俺は痛む頭と倦怠感を感じながらカルキノスの巣の入り口を土のエンチャントで塞ぎ全身に火を付与し、温め回りの凍っている部分を溶かして行く。そして、俺はゆっくりと意識を失う様に眠りについた。勿論酸素を確保する意味もあり入り口には小さな穴は開けている。

(起きて、起きて!)

アクアの声が聞こえ俺は目を覚ます。やべえ寝過ぎた。多分時間は昼近くにまで達しているのかと思う位の時間が経過していた。だが、そのお陰かマナは昨日よりは余裕がある。アクアよ。何故そんなに急ぐ。いくら俺が寝ていたからって急ぐ理由が、、、

(着いた)

え!?嘘だろ!?

(二十六階層の終わりに着いた)

どうやら俺が呑気に寝ている間に俺の仲間達は二十六階層を突破したらしい。俺も先を急ぐか、、、少なくとも俺の所の方が谷底なので敵モンスターの危険が少ない筈だ。俺はカルキノスをマジックバッグにしまい入り口の壁を壊す。前回の事があったから皆んなも食糧をそれなりに持っている。良かった。だが問題はどうやって上に登るか何だが、これは物理だ。仕方の無い事だと思う。俺は外にもうヴァレーゴートが居ないことを確認して外に出る。そして、俺は階層の突き当たりまで進み崖を登り始める。勿論手に土を付与して登る。これが俺の命綱になる。アクア達は階層の間でゆっくり休んでいるらしい。勿論転移碑は無かったとの事だ。そして数時間壁を登り続けてやっと崖の中腹に到着する。

「はぁっはぁっ、、、これで中腹かよ、、、」

普通数時間も壁を登り続けるなど慣れていないと難しいだろうが、俺はアクアに頼んで自身の筋肉疲労をオリヴィエで軽減させてもらっていた。アクア様様だ。アクアはそろそろマナを使い過ぎた様で休憩すると言っていた。俺は夜になる前に崖の中腹の壁に穴を掘りそこで休憩を取り日が開けるまで休んだ。そして、次の日俺は崖を登る事を再開する。流石に二日も寝ればマナは十分に溜まった。崖の中腹から上の方にはローグレードワイバーンやヒッポグリフ達がいるので俺は片方の手にインプレスエンチャントでマナを込めながら崖を登る。反対の手は土を付与しながら登る。襲いかかってくる大型モンスターには片手で爆炎を放ち撃退する。俺が崖から落ちた原因でもある常に微弱なマナでインプレスエンチャントを発動させる練習をしていたお陰かゆっくりとマナを込めてならインプレスエンチャントは発動出来る様になった。そして俺は崖を登りにきり仲間達の所に到着するのであった。正直言って到着した時俺のマナは割と危なかった。インプレスエンチャントで爆炎が出る程マナを込めるとかなりのマナを使うのだ。それに加えてもう片方では普通のエンチャントを使い続けていた。俺はもうヘトヘトだった。だがそれでも異世界での身体能力の向上は凄いもので俺は既に元の世界で言う超人レベルは優に超えており結構な速度で壁を登り続けてやっと二日もかかったのだ。休憩ありだが。この崖がどれだけの高さか想像が付くだろう。多分添島ならもっと早かっただろうけどな。だが着いた俺はマナを回復させる為にも仲間達の元でしばらく休憩を取ったのであった。


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