表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
学校内の迷宮(ダンジョン)  作者: 蕈 涅銘
7章 渓谷エリア
61/544

59話 内部圧縮属性付与

ゲッコアロマの集団を見送った俺達は壁のゲッコアロマの巣を見て思い付く。これ戦闘の時だけでも壁を削る事の出来れば少しは戦いやすくなるのではないか、、、?いや、そうなるとマナの消費が激しいだろう、、、っ!?マナの消費!?重光なら崖を削る事も出来るだろうし、足場を作る事も出来る!固有スキルのお陰でマナの消費はほぼ関係ないじゃないか、、、何故ここまで気が付かなかったのだろうか?ただ重光の精神力は削られるだろうけど。

「重光、、、もしも戦闘になった時は足場を形成する事は出来るか?」

「それなら可能ね、、、だけど強度に不安があるわ。強力な攻撃は控えた方が良いと思うし、敵の攻撃で崩壊する可能性も高いわ。あくまで気休め程度に考えて貰った方が良いかもね」

重光が答えて俺は納得する。だが、それがあるのと無いのでは安心感が格段に違うだろう。では崖の壁を伝い隆起した壁に隠れながら敵との交戦をできるだけ回避して俺達は進む。まるで犯罪者を追う探偵組織の様だ。絶対こんな感じでは無いのだろうけど、、、っ!?

そんな感じで考えながら壁に添いながら歩いていると気がつくと俺は宙に浮いていた。俺は目の前を見ると俺が手を添わせながら歩いていた壁が隆起して吹き飛ばされた事が分かる。こののまま崖から落ちたら命は無い!重光が詠唱を終了する前に焦った俺はジジイとの訓練で身につけた技を発動させる。

内部圧縮属性付与インプレスエンチャント ウインド!」

(バン!)

「があっ!」

おそらく火と氷を内部付与し、水蒸気エネルギーを使った方が効率は良かったのだろうがまだ一属性の内部圧縮属性付与でさえ制御が上手く出来ないのでできる筈も無かった。そしてあまりの短時間で内部にマナを蓄積させるという事は一度に沢山のマナを込めて圧縮する必要がありより高度なコントロールが必要だ。ましてや練習の落ち着いている時でさえゆっくりと少しずつマナを込めていってもやっと少し出来た程度、、、今回の場合焦っている状態で一度に沢山のマナを込めた。もう言わなくても結末は見えるだろう。そのマナは腕から少し具現化され放たれたものの大半のエネルギーは腕の中で暴発し、その内部圧縮付与は腕を衝撃の乱打で襲う。その反動で俺は空中でぐにゃぐにゃと軌道を描く。そして、俺は地面に無事着地する。

「っ!?」

「がぁぁぁぁぁあ!腕が!腕がぁぁあ!」

重光は目を見開き俺にかけようとしていた魔法の詠唱を止める。俺は自分の骨まで折れあらぬ方向に曲がって変色している腕を抑えて地面をのたうちまわる。付与したのが火では無かったから火傷はしていないものの自身の腕の中で色んな方向からの衝撃が襲ったのだそれはかなりの激痛だ。そして、その痛みによって俺は気がついていないが俺の身体から上半身にかけて針で刺されたような傷跡が多数あり、血が流れている。だが深い傷では無い。

「シャァァア!」

俺を吹き飛ばした張本人の岩の様な見た目をしたトカゲが喉を鳴らす。あれはロロクリザ岩に擬態して敵の目から逃れるモンスターだ。

「回復(ヒール!)」

「キュイイ!」

重光とアクアが俺に魔法をかけて治療する。そうか、、、俺アクアの能力も使えるんだった、、、忘れてた、、、ちょっとマナを使うが、、、

軽減オリヴィエ

俺は自身の大半のマナを使用し腕を治療する。すると大分組織破壊が軽減された様で腕の形が元の形に近づき変色していた皮膚の色がまだ変色はしているものの薄くなる。傷が治ったと思い俺は腕を曲げようとする、、、

「痛っ!、、、」

やっぱり骨折までは治らないか、、、ただ大きなヒビレベルにはなったぞ、、、多分。そしてロロクリザは威嚇の体勢のまま動かず添島が剣を構えるとひっくり返ってしまった。死んだフリか、、、そして、俺は剣の鞘を添え木代わりにして腕を固定する。

「はぁ、、、これじゃぁ探索の続行は無理だな、、、あの何か新しい技開発してたのって、、、こんなに危険な技だったのか、、、後でしっかりと聞かせてもらうぞ」

添島ががっかりした様な顔で言った。

「仕方ないだろ、、、隠しておきたかったんだよ」

何かいきなり凄い技使ったら凄そうだと思ってたんだよ、、、無理だったけど

「あとあそこは重光だけで充分だったぞ?」

痛い部分を突かれ俺は一歩退く。山西と亜蓮は無言で突っ立ったまま苦笑いをしている。だが俺が腕ボコボコになった瞬間は驚いていたけどな。そして俺は腕の治療に殆どのマナを使ってしまい、動けないので沼地と同じようにアクアに咥えられて転移碑の所まで戻り拠点に帰ったのであった。そしてジジイに治療して貰い、、、次の日の探索に備えるのであった。重光の回復魔法を何度も使えば回復するのではないか?と思うかもしれないが、ヒールでは筋肉組織の表面の再生と皮膚の再生促進位しか出来ない。いくらマナを込めても再生効率が上がるだけで骨や内部の筋肉組織は再生不可能だ。それに筋肉疲労の再生もヒールでは不可能である。色々不便な魔法ではあるのだ。そう考えたら内部まで作用してくれるアクアのオリヴィエはチートだとことごとく思う。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ