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学校内の迷宮(ダンジョン)  作者: 蕈 涅銘
7章 渓谷エリア
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57話 渓谷

夜を明かした俺達はジジイに新しい装備を貰う。そして俺達は着て驚いた。装備が軽いのだ。あの巨大な甲羅を持つ竜種の素材を防具に使用しておりいかにも凄く重そうな感じなのに着用した感じふつうの鎧よりも少し重い程度にしか感じなかった。もしかしたらジジイが重力操作系の魔法でも付けてくれているのかも知れないが、ジジイの作る装備品は相変わらずどれも一級品だった。そして俺達は二十六階層へと歩みを進める。

(ゴーーーー)

二十六階層へと足を踏み出した瞬間俺達は全身に強い風を感じ周りを見てついつい声が出た。

「ヒッ、、、」

「こりゃ、、、凄えな、、、」

俺は思わず足がすくんでしまった。俺達が見ている視線の先には巨大な谷がいくつもあり、俺達が立っているこの場所はその谷の崖の部分である。そして、空には巨大な鳥や、竜種などの強そうな生き物がうじゃうじゃと混在している。

「ギィィィィイ!」

実際今目の前で俺の身体程のサイズがある巨大なトンボがライオンの様な四肢を持つ鷲の様なモンスターに捕らえられ捕食された所だった。あれ?明らかに今までとモンスターのレベルが違う気がするんだが、、、と思い、横を見る。

「おおっ!如何にもファンタジーって感じがするな!」

「分かるぜ!その気持ち!」

亜蓮と添島が目を輝かせてぴょんぴょん跳びはねている。いや勿論二人も危険な環境なのはもう分かっている筈だ。だけど、興奮を抑えられないらしい。やめてくれよ、、、頼むからこんな足場の悪い場所でぴょんぴょんしないでくれ、、、見ている俺が怖いから、、、ん?そうだ!確かアニメとかファンタジー小説とかでは宙に浮く魔法があったよな?あれがあれば安心して進めるんじゃ無いか?だって怖いもんは怖い。こんな崖から落下してみろ。想像しただけで身体が震える。

「おい、、、重光、、、宙に浮く魔法とかって、、、」

「無いわ」

横で思案顔をしている重光に話しかけるが返って来たのは残酷な答えだった。

「え、じゃあ、、、俺達が崖から落下しそうになったら、、、?」

「正しくは無いんじゃなくて私が使えないだけなんだけどね、、、どうしようかしら、、、飛行魔法は重力魔法に位置する魔法で原理が良く理解出来てないから私はまだ使えないの。まぁ、落ちた誰かを突風で吹き上げる事くらいは出来るけど、、、軌道の操作がね、、、まぁ我慢してね?」

俺の顔が青ざめる。つまりこいつ遠回しに崖から落ちないでと言っているのだ。分かったよ。落ちない様に気をつけますよ、、、まぁ、こう言っておいて何だがこの二十六階層の崖の道幅はそこまで狭い訳でも無い。切り立った崖は段々状になっており何個も連なって出来ている。そして、その段々状になっている部分の切れ込みの部分の横幅は俺達が三人並んで丁度くらい。つまりは三メートル程だ。戦闘を行えない程の幅ではないだろう。

「じゃあ、そろそろ行くか」

添島の声に従い俺達は行軍を開始する。足元から落ちていす小さな石などが転がる音がより恐怖を倍増させる。だが、この崖と言う過酷な環境も何だが一番の恐怖は別の環境にあった。

「グルルルルルル!」

「はぁっ!」

突如空中から襲って来たライオンの様な四肢をしている鷲の様なモンスターを添島が剣を振るい応戦する。確かあのモンスターはテレインヒッポグリフだ。グリフォンなどの生き物の下位個体に当たるモンスターであるヒッポグリフの亜種で大きな翼は退化し無くなっている。その代わりに強靭な四肢での攻撃を得意としており、崖から崖を自由に強靭な四肢を使い跳躍で跳び回り強力な攻撃をかましてくる。モンスターだ。

「おっと、、、危ねえっ!」

添島は剣を振るいテレインヒッポグリフの攻撃を払う事に成功するがその余りの衝撃に一歩退くが足場が後ろに無いことに気が付き強引に剣を返して身体のバランスを保つ。対するテレインヒッポグリフは添島を蹴り飛ばした反動を見事に利用し、後ろに跳躍し後ろの崖の壁を蹴り反撃してくる。そして、

「うがぁっ!」

添島の剣が当たる寸前に身体を空中で反転させて添島の剣を地面に抑えつける。そしてテレインヒッポグリフはそっから攻撃をしようとするが何かを感じて後ろに跳躍する。そして、その何かは下がるテレインヒッポグリフを追尾して行く。だがテレインヒッポグリフは足の鉤爪でその何かを地面に叩きつけて粉砕させる。

「やっぱりダメだったか、、、」

後ろで亜蓮が残念そうに呟く。そして山西が強化魔法を添島に掛けようとして添島は答えた。

「いや、強化魔法は要らない。もしかしたらこのエリアも転移碑が無い階層もあるかもしれない。そう考えると出来るだけマナは温存すべきだ。こいつ相手に強化魔法は要らねえ」

添島は不敵な笑みを浮かべながら言った。だが、オーラタンクを使ってしまってもそれは同じ事なのでは?と思ったが添島はそれを感じ取った様に、、、

「いいや、今回に限っては気貯蔵オーラタンクも使わねえ」

添島はそう言い切ったのだ。

「グルルルルルル!」

そして、再び向かって来たテレインヒッポグリフに対して添島が取った行動は俺達の予想もしていない行動だったのであった。


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