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学校内の迷宮(ダンジョン)  作者: 蕈 涅銘
6章 沼地エリア
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55話 軽減

〜〜〜添島side〜〜〜

二十五階層のボスを倒す手段が見つからず、考えていると安元がとんでもない事を言い出した。安元が奴の体内に入って攻撃を仕掛けると言うのだ。確かに、それだと奴にダメージは通るだろう、、、でも色んな問題が立ち塞がる。俺はそう考えていた。しかし、その直後に安元はアクアとか言う子竜と契約とやらを交わして何かパワーアップしたみたいだ。俺の頭はやっぱり安元には付いていけない。そして、安元はアクアと契約を交わした事で毒とかは効かなくなった?いや軽減と言っていたから効かなくなった訳ではないのか?だが先程抱えていた問題は解消されたわけだ。そして安元は奴の体内に向かって飛び込んでいく。別に今更驚いたり心配したりする事では無いな。何故なら彼奴はいつもこんな感じで奇想天外な事ばっかするけど何だかんだ何とかなってるからな、、、無理だったら戻ってくる、、、か?と俺達はそこまで感情の変化も無しに安元を送り出した。何だかんだ俺達は安元は馬鹿だが信頼しているのだ。安元は今の所特出した強さも無いし固有スキルの特徴も無いが一番の強さは成り行きで何とかなってしまう、、、いや、何とかしてしまう本人の精神力にあるのかもな。とは思ったものの外部の俺達は奴に何かをする事も出来ないのでしばらく臨戦態勢で待機する。さて、、、安元が何か革命的な事を起こしてくれれば良いんだが、、、その時だった。

「グオオオオオオ!」

突然奴が背中の管や口からものすごい勢いで水蒸気と毒ガスを噴き出しながら吠え暴れる。流石にこのバリアは水蒸気までは防げない!

「重光!防御壁バリアだ!」

俺はアクアのバリアの効果をよく知らない為重光に指示を出す。

「もう準備は出来てるわ!範囲防御壁エリアバリア!」

重光は事前にバリアを詠唱していた。流石だ。やっぱり何か攻撃が来た時の為に既に貼っていたアドバンテージは大きいだろう。そしてその直後。

(ブオオオォ!)

「うぉっ!」

俺達の視界が真っ赤に染まる。

「おいおい、マジかよ、、、」

奴の身体から真っ赤な炎がガスバーナーの様に出てきて毒ガスに引火し、超高温の炎が渦巻き所々炎の色は青色に染まりバリアの外はまるで地獄の様な映像だ。バリアが無かったら俺達は黒焦げになっていてもおかしくは無いだろう。安元が体内で何かしたな、、、?

「グオオオオオオ!」

「!?」

俺は驚く。奴が悲鳴を上げその声が間近で聞こえたのだ。俺達は奴からかなりの距離をとっていた筈だった。だが、舞い上がる爆炎の爆発音と轟々と燃え盛る炎で俺達は奴が近づいて来ているのに気が付かなかった。いや、近づいて来ているのでは無い、奴は無意識にのたうち回って俺達の所に近づいてしまったと言うのに近いか?そして、目の前に巨大な黒い影が映る。くそっ!重光の今の魔法制御力ではバリアを展開しながら移動する事は難しい、、、そして、奴の質量だ。バリアは耐えられない!

「おい!全員備えろ!」

(パリィィイン!)

冷気霧コールドミスト!」

「キュイイイイイ!」

奴の巨体が俺達の方へと倒れ、バリアを突き破る。重光が咄嗟に冷気の霧を撒くがそれも一瞬で消える。アクアは何かを叫んだが今はそれどころでは無い。奴の突っ込んで来た衝撃の余波で俺達は後ろに吹き飛ばされながら思った。不味い、、、死ぬ!

「ぐっ、、、あちぃ!っ!?」

だが俺が感じた温度はサウナよりも熱いが死ぬ程の火傷を負う温度では無かった。そうその理由はアクアにあった。アクアがキラキラと光るあのドームをまた展開していたのだ。そして、そのドームは先程よりも分厚く丈夫そうだった。俺は再び驚いた。身体の火傷傷がが多少再生していたのだ。そして、現在ドーム内の気温は百度近くあるのに俺達は身体は焼け続け煙は出ているものの火傷跡が残っていないのだ。勿論痛いのは痛いが痛みは夏に海に行ってめちゃくちゃ日焼けをした時みたいな感じだ。一体何が起こっている、、、っ!?まさか、、、俺は気がついたアクアのあのドーム、、、ただ状態異常を防ぐだけかと思ってたら、、、軽減、、、そう言うことか、、、俺は大体の事を理解し、納得した。だが、この温度どうにかならないものか、、、冷気をばら撒いても直ぐに高温に熱せられてしまうだろうし、、、そう考えていた時だった。

(スーッ)

奴の管や口から出続けていた炎が止まり再び毒だけが流れ出す。何だ?だが、これで温度は下げられるだろう、、、そこで重光に頼んでドーム内の温度を下げてもらう。そしてある程度外も温度が下がるとアクアも壁を薄くする。とは言ってもまだ外は高温だから最初よりは壁は厚めだ。俺達が感じている温度はアクアの能力によって軽減された威力を俺の身体がアクアの能力によって破壊される量を軽減された状態。つまりは二重に軽減された威力って訳だ。とんだチート能力だ。だが、アクアもどこかしんどそうであまり長くは保たないだろう。奴を見ると奴も膝を突き息を整えている。安元、、、あと少しだ!頑張ってくれ!その時だった。

(サァァァァア!)

奴の背中の管や口から白い冷気が迸り空気中の毒霧などを凍らせていく。おいおい、一体なんなんだこいつは!?だが、先程までの威力は無く。俺達は身体に霜を張り付かせ身体を震わせながら耐える。だが奴も動きが更に鈍くなりほぼオブジェクトと化している。そして、その直後だった。

「グオオオオオオ!」

突然奴が叫び痙攣し始めた。

「重光!」

「分かってる!範囲防御壁エリアバリア!」

重光がバリアを展開し、辺り一面にスパークが飛び交う。そして、しばらくの時間奴は痙攣し続け、奴は倒れた。

「倒したのか、、、?」

奴は死んだように見えた。だが、俺達は肝心な事に気がついた。安元が出てこないのだ。

「キュイイイ!」

「アクア!」

「アクアちゃん!」

そしてアクアが倒れたドラゴンの方へと猛スピードで走って行き体内へ入りボロボロになった安元を連れてきた。

「!?酷い怪我だ!すぐにジジイの所へ連れて行け!」

こうして俺達のボス戦は勝利に終わったのであった。


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