54話 内部攻撃
俺はアクアと契約し、奴の毒を軽減できるようになり奴の体内に飛び込んだ。それで俺は奴を倒せる、、、そう思っていた、、、しかし、
「ゴホッ、、、ゴホッ、、、ゴホッ、、、何故だ、、、っ!?」
俺は岩を纏ったまま奴の体内に到着する、、、そして、俺は奴の胃液の中に倒れこんだ。
(ジュッ!)
(不味い!)
俺が身体に纏った岩が猛スピードで溶けていき俺は急いで奴の胃の壁に岩を貼り付けて退避する。まるで今の俺はス◯イダーマンだ。だが、状況は思った以上に不味かった。先程俺が倒れこんだ原因は外よりも超高濃度の毒ガスだ。奴の体内には毒ガスの原因となっている元の物体が入っておりそれは大量に高濃度の毒ガスを放出し続けている。恐らく外で起こっている大量の毒ガスとドロドロの毒々しい液体はこいつの食べた物の効果を外でも起こす能力が原因だと考えられる。これに水加えればアクアの負担を減らせるか、、、と考えたが今はそんな事をしている暇は無い。アクアの軽減能力があって尚俺は未だに頭がぐらぐらと痛み視界はマーブル状にぐねぐねしており今にも倒れそうだ。奴の体内の毒ガスの濃度は外の比では無い。この状態だと保って数十分って所か、、、さっさと決着を付けなければ!奴に一番ダメージを与える事を考える、、
、それならば!
「属性付与!火!」
俺は奴の胃の壁に刀を突き刺し、かなりの威力でマナを込め続ける。俺の刀から炎が舞い上がり胃を痛めつける。だが、不思議と炎は燃え広がりはせずに刀を突き刺した部分のみが轟々と燃えている。
「グオオオオオオ!」
外から奴の悲鳴が聞こえ体内が揺れる。
「属性付与土!」俺も片手の刀を突き刺し炎を上げながらもう一つの刀は壁に突き刺して岩を精製して壁に張り付く。よし効いてる!俺の炎で気温の上がった奴の体内で大粒の汗をかきながら俺が手応えを感じ始めた時だった。
(ゴゴゴゴゴ!)
何かが近づいてくる音がした。そして、おれは気がつく、、、ここまで炎の火力を上げて放出し続けているのに燃え広がら無いのは流石におかしい、、、奴が痛がっているから気にしてなかったものの、、、まさか!
「がぁぁぁぁぁあ!」
そう思った瞬間俺を超高温の水蒸気が大量に襲い俺は悶絶する、、、がアクアの軽減スキルのお陰で死にはしないが全身はとてつもない痛みに襲われる。だが俺は壁に付与した岩のお陰で壁から離れない。いや、離れないようにしたのだ。落ちたらもう上がってこれる気がしない。もうそんな体力は残っていない。奴は俺の炎を吸収していた、、、いや正しくは分解していたんだ。俺の炎を分解して出てきた余りのエネルギーが体内に流入して来たと見たら良いだろう。申し訳ないが外では大変な事になってそうだ。だがその為に重光を外で待機させたのだ。大丈夫だ。そして、アクアのマナの継続使用量が一気に増えたのが分かった。やっぱり外では何かが起こっているんだ。時間は無い。早く決着をつけなくては!今の攻撃で奴もダメージを大分受けていたのは分かったが、まだだ、、、だけどもう一度火を撃つと次あの水蒸気を食らうと俺は耐える自身が無い。軽減があってももう既に身体は全身の皮膚が爛れ大火傷を負っている。腕を振るう事も出来ない、、、だが!俺は刀でも身体のどこかが奴に触れていれば身体が動かなくても奴にエンチャントでダメージを与える事ができる。それにしても奴の体内の温度が先程の水蒸気で大変な事になっている。それならば、、、
「属性付与!氷!」
俺はマナをそれなりに込め続けて様子を見る。すると案の定冷気が俺を襲うがあまりマナを込めていないので問題ない。それならばもうちょっと込めても大丈夫か、、、そう思い俺は先程と同じ位の量マナを込める。これで俺は自分自身のマナを半分以上使っている。そして奴の体内を吹雪が襲い空気中の毒霧が凍り霜となって周りに張り付く。そして俺の身体にも紫色の霜がくっつく。そして、体内の胃液の表面には薄い氷が張っていた。
「はぁっはぁっ、、、」
俺は白い息を吐きながら身体を震わせる。そして、気がつく。毒の勢いが止まった、、、?奴の体内では所々凍っており、毒も勢いが衰えている。そして、俺は考える。奴は最初の俺の炎でかなり弱った筈だ、、、そして、この冷気で動きが鈍る、、、もう一度あの火を撃てば奴を倒せるだろうがいくら冷気があるとはいえあの水蒸気は防げない。滞留している気体を変えるのは簡単だが圧力がかかった気体を滞留している気体で止めろと言う方が無理がある。それならばこれしかない、、、だが、俺がいつまで保つかどうか、、、
「属性付与!雷!」
俺は残り全てのマナを注ぎ込む勢いでマナを注ぎ込む。
「グオオオオオオ!」
外からは大きな悲鳴が聞こえ奴の身体は揺れる。俺の刀からは稲妻がビリビリと放出されており、奴の身体も所々痙攣し始める。だが、
「がぁぁぁぁぁあ!」
俺の方にも雷が襲い、俺も全身電気ショックに襲われる。アクアの軽減が無かったら危なかったかも知れない。それでも俺は更にマナを注ぎ続ける。そして、
(ドシーン!)
奴が倒れる音と共に体内も向きが変わる。そして、俺もそっと意識を失ったのであった。