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学校内の迷宮(ダンジョン)  作者: 蕈 涅銘
6章 沼地エリア
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53話 契約

「け、、、い、、、や、、、く、、、」

アクアの話したい事を模索していると周囲から幼げのある声が響く。契約?、、、その声の主を探してみると真っ直ぐと凛々とした瞳で俺を見ているアクアの姿があり俺は確信した。この声の持ち主はアクアだろう。だが、、、契約?何の事だ?この前ジジイが契約がどうのこうのとか言っていたが俺は意味がよく分かっていない。アクアはジジイに言葉を習いたてでまだ上手く話せないがそれでも一生懸命俺に何かを伝えようとしている。

「ぼ、、、く、、、と、、、け、、、い、、、や、く、し、て、、、」

そして、アクアは言った。その言葉に今度は俺も理解が出来た。アクアと契約?だが、契約の方法が分からない。

「け、い、や、く、す、る、、、ぼ、く、の、ち、か、ら、、、つ、か、え、る、、、」

アクアと契約するとアクアの力が使える事も分かった。突然のアクアの話に俺を含めた全員が真剣な顔付きでアクアを眺め黙った。そして遂にアクアは言った。

「け、い、や、く、こ、こ、ろ、ち、か、っ、て、け、い、や、く、り、こ、う、か、ん、り、ょ、う、、、ほ、く、す、で、に、み、と、め、た」

何となく分かった。つまりこうすれば良いんだな!

「俺はアクアとの契約を心に誓って履行する!そして俺もアクアを契約相手として認める!」

俺は戦線高々と叫んだ。その瞬間、、、

「っ!?」

アクアと俺の間に虹色の糸が通り二人の体が輝き始める、、、そして、そのまま暫くの時間が経過しアクアとの契約は完了した。そして、

(ぼくとの契約はこれで完了したよ、、、これでぼくの力が使えるはずだよ、、、そして、多少は身体スペックが上がった筈だよ)

アクアと契約した影響かアクアの思考が速やかに俺の頭の中に流れてきてアクアの言いたい事が良く分かる。そして、

軽減オリヴィエ

俺はアクアの固有スキルを発動する。その固有スキルを発動した瞬間俺の身体をキラキラと輝くヴェールが覆う。今までアクアの能力は浄化や回復かと思っていた。だがアクアと契約した今なら分かる。アクアの能力は軽減。自分や仲間に対する悪い効果を軽減するというものだった。状態異常やバインド系、、、それや自分に対する肉体的ダメージも全部悪い効果とみなす、、、とんだチート能力だ。だが、あくまで効果は軽減。継続では無い。俺があの鳥の攻撃受けた時の傷の回復は身体の組織破壊の軽減や出血の軽減するなどの条件が重なった結果起こったものだ。俺はそれで傷が回復したと勘違いしていた。勿論阻止破壊の軽減により回復はしているのだが、、、だが!これなら奴の体内に入る事も可能だろう、、、これならば!奴の毒を軽減できる!そして、この高濃度の毒が渦巻いている現在でさえアクアのドームは完全に無効化している。もはや軽減のレベルでは無いだろう。そして、アクアと繋がっている今分かった。アクアはこの毒霧を防ぐのに相当なマナを消費している。残り三割を切りそうな感じだ。二十四階層ではほぼ一日中ドームを展開していたのにも関わらずアクアのマナは尽きなかった、、、つまり、強力な軽減効果を生み出すには相応のマナが必要だと言う事だ。重光もバリアを張れるだろうが重光がバリアを担当すると想定外の事態、、、俺が奴の体内で暴れた結果奴が暴れるなどした場合に対処が出来ない、、、ここはゆっくりしている暇は無さそうだな。そう思い俺は言った。

「アクアのこのドームはかなり消耗する!このままではこのドームは長くは保たない!だから、早急に決着をつける必要がある!だから、、、俺は行く!」

「そうだな、、、俺もこれ以外に良い策が浮かばない、、、まぁ、頑張ってこい」

添島があっさりと俺を送り出す。あれ?ちょっと待て、、、俺結構なリスクを背負って今から行くと思うんだけど、、、それだけ?俺、死ぬの?ねぇ、、、他の仲間もここは任せろ!的な顔で俺を送り出す。

「いや、、、あの、、、俺死ぬかも知れないんだぜ、、、?」

「まぁ、死にそうになったら戻って来てね」

山西が言う。良いよ、良いよ、、、皆んなにとって俺なんかどうでもいいんでしょ!俺はそう思いながらマジックバックに手を突っ込み肉を取り出してそれを抱え走り出す。そして、奴は大きな口を開けて俺の方に近づく。そして、今だ!

属性付与エンチャントアース!」

俺は全力で奴の口の中に飛び込みながら身体に岩を纏い奴の体内へと吸い込まれていったのであった。


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