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学校内の迷宮(ダンジョン)  作者: 蕈 涅銘
6章 沼地エリア
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49話 精確無慈悲

二人の場所が探知できなくなり不安になった私達だったが今はあの二人が無事である事を祈るしかない。そして、あの二人を見失ったが、進んでいた方向はずっと同じ方向だったのでそちらに進む事にした。重光さんが地面を固めながら動いているから迷う事はない筈、、、私は後ろのまだほんのりと水分を奪われて固まっている地面を見て思う。そして私達は進み始めた。今の所大きな敵の姿は確認出来ていない。もう一つ気がかりなのは二人が失踪した方向、、、もとい私達が今から進む方向は先程大きな音がした方向と一致しているという事なのだ。かなり遠くから響いた音のようだったが、それでも私達に音が聞こえるという事は相当大きな事が起こったに違いない、、、安元達がもしもその事に巻き込まれていたら、、、安元が、、、

「山西さん、、、?」

大丈夫、、、彼らを信じなきゃ、、、

「山西さん、、、!」

「っ!?はい、、、!」

どうやら考えに没頭していたようだ。重光さんが心配そうな顔で私の顔を覗き込んでいる。

「山西さんさっきから何かぼーっとしているけどどうかしたの?」

重光さんは先程からずっと話しかけても反応が無いのを心配してくれていたらしい。深く考えすぎたわね、、、大丈夫!きっと彼らなら無事よね、、、

「ううん、、、何でもない」

私は首を横に振りながら答える。そしてまた足を進める。そして、前日と同じようにゆっくりと進んでいきまた休む事にした。今日もかなりの距離を進んだけれど敵という敵は出てきていない。そろそろ身体も汚れてきて気持ちが悪い。水浴びでもしたい気分、、、そう思い重光さんに声をかける。すると重光さんは頷き了承した。

「こっち見ないでよ?」

「三次元には興味ねぇよ、、、エルフとかじゃない限り、、、」

一応亜蓮には釘を刺しておく。これでも一応年頃の女の子なのだ。異性には身体を見せたくは無い。そう考えるとあのお爺さんは有能だと思える。最初は見た目からエロジジイっぽいかな?とか思っていたけどそっち方面でおかしい人では無かった。他は色々おかしかったけどね、、、重光さんの水魔法で水浴びをしながら私は拠点での事を考える。その時だった。

「があっ、、、!」

亜蓮が頭から飛んで来て、、、いやどちらかと言うと吹き飛んで来た、、、の方が近いのだが私の何も着ていない身体の目の前に飛んでくる。

「きゃあ!あんた見ないでって言ったじゃない!」

私は露わになった自分の胸を隠しながら吹き飛んで来た亜蓮に対して叫ぶ。だが、

「敵だ、、、早く服を着て戦闘に備えろ、、、」

亜蓮はそう言い反対方向に走って行った。そして私も状況を理解し、急いで鎧を着用する。

「ギィィィィイ!」

私が戻った時には亜蓮は目の前の巨大な鳥のような敵と対峙しており敵の身体には複数のナイフやククリが刺さっていた。

「おう、、、遅かったな、、、」

亜蓮はニヤリと笑いながら言った。だが、よく見ると左腕から血が流れており、亜蓮の左腕は下に垂れている。そして、私の後ろから重光さんも駆けつけて回復魔法を亜蓮にかける。

「少しは楽になったか、、、この鳥はスピードと攻撃はかなりのもんだ、、、だが、防御力は、、、大したことは無い、、、俺にとっちゃスピードなんか関係無いけどな!」

亜蓮は片手に数本のナイフを持ち同時に投擲する。相手の鳥は亜蓮に攻撃しようと鉤爪を亜蓮に向け飛んで来ている。そして、その鳥はその体勢のままナイフを躱す。そして亜蓮がその鳥の攻撃を受ける直前に私は身体強化魔法の速度を三重にして亜蓮にかける。元々スピードが速い亜蓮に更にバフがかかり亜蓮は鳥の攻撃を難なく躱し、さっき鳥の避けたナイフがUターンして鳥の背中を貫いた。そしてその中でも一際大きなククリがその鳥の胸に刺さっており鳥は命の灯火を静かに消した。亜蓮はピースサインをし、俺凄くね?的な雰囲気でこちらを見てくる。はいはい、、、凄い凄い、、、私は愛想笑いをしたが、このモンスターは私では到底勝てるモンスターでは無かっただろう。まずあのスピードにはバフをかけていない状態の亜蓮でも苦戦していた。その証拠に亜蓮は左腕に攻撃を食らっている。そして、亜蓮のスキルの関係上敵のスピードがいくら早くても投擲物は追尾する。それで相手の隙を突いた、、、亜蓮はあの巨大な鳥の防御力は大した事ないと言っていたけどあれだけ大量のナイフが身体に刺さっているのにも関わらず普通に翼を広げて戦えている時点で耐久力も申し分なかっただろう。まぁ、それでも今日の晩御飯に肉類が増えただけで大きな収穫ね、、、一応感謝はしとくわね、、、そしてこの大きな鳥も重光さんの手によって調理され、美味しいご飯へと変貌を遂げた。やっぱり、魔法って便利と改めて感じさせられた私だったのであった。明日くらいには合流出来れば良いなと考え私達は眠りについたのであった。因みに周りは重光さんの魔法によってそれなりに大きな土の家が出来ており、中の温度も重光さんによって快適に管理されている。勿論亜蓮とは部屋を区切らせて貰っている。こうして安全に沼地の中でも私達は夜を越すのであった。


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