45話 合流
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「ジジイ、、、他の、、、仲間は、、、?」
俺は拠点に転移し、その場所にまるで俺を待っていたかの様に立っていたジジイに話しかける。
「ボロボロじゃないか、、、全回復、、、ほう、、、?そこのドラゴン、、、見た事のない種じゃのう、、、」
ジジイは身体から緑色のオーラを出し俺に向かって放ち俺の傷を治療する。右腕の骨は接合され、左拳の形は元に戻って行く。相変わらず馬鹿げたマナの量と魔法制御力だ、、、だが、失った体力までは取り戻せないので、俺は地面に突っ伏したままだ。ジジイは俺に回復魔法をかけた後に目線をアクアの方に向け少し驚いた顔をして眉を動かした。
「キュ!キュイィィ!」
ジジイに見つめられたアクアは身体を震わせ一歩退き、まるで土下座をするかの様に頭を低くした。なんだ?ジジイは何もしていない筈だ。龍としての本能が働いた?まるで強者に慄いている様だ。
「おお、そんなに頭を下げるな、、、これも龍と力を契約した影響かのぅ、、、お主もボロボロじゃないか、、、全回復、、、ふぅ、、、」
ジジイはアクアに頭を上げるように指示し、アクアの全身の傷を回復させる。アクアはジジイの言葉の意味を理解したかの様に頭を上げる。龍と力を契約?どう言う事だ?まぁ、それは良いとして俺の問いに早く答えて欲しい。その俺の願いが通じたのかジジイは
「お主の仲間か、、、まだここには来ていないのぅ、、、ここに来たのはお主が最初じゃよ」
と言った。そうなのか、、、まだ来ていないか、、、とは言え今の俺に何か出来る訳も無いし今出来る事を考える。すると、悩む俺の様子を見たジジイはそんな俺の様子を見て言った。
「ふむ、、、まぁお主の仲間達はまだ、元気に探索を進めている事じゃろうて、、、そこでじゃ、お主?仲間が来るまで暇じゃろ?ここは少しワシにそのドラゴンを預けてみないか?」
俺は驚いた。唐突にジジイは俺にアクアを預けるように言ったのだ。そして、ジジイはまるで俺の仲間達が現在どうなっているのか知っているかの様に話した。
「おい、ジジイ、、、またこっそりと俺達を付けていたのか?そして、アクアに何をする気なんだ?それを教えてくれないとまだ赤ちゃんであるアクアは預けたく無いんだが、、、」
俺はまたジジイが嘘を付いたと思いジジイを睨む。そして、生後からあまり時が経っていないアクアは暫くは親だと思われている俺と一緒に行動させたかった。
「まぁ、そう睨むな、、、そこのドラゴン、、、名前をアクアと言ったか、、、その子にちょいと教育を施すだけじゃよ、、、もしかしたら言語が話せる様になるかも知れんぞ?そして、儂はもうお主らを付けてなんておらん、、、ただ情報の伝手が少しあるだけじゃよ」
アクアが言語を?確かに普通に会話が出来たら楽だ。少しジジイに預けてみるか、、、あと情報の伝手か、、、常に誰かに監視されている?もしそうだとしたら嫌だ、、、だが、その情報をどうやって仕入れているのかは不明だ。
「そして、お主は少しモンスターの知識を取り入れてみないか?まぁ、どうせ暇じゃろうから図書館にでも行ってみたら良いと思うぞい、、、それと今の状態じゃとまともに立ち歩けないと思うから儂が料理をつくっておくわい」
図書館か、、、確かに少しモンスターの知識があるだけでも戦闘のし易さが格段に違うだろう。今までは添島にその役割を任せっきりだったからな、、、そしてアクアの件で調べたい事もあるし、この身体が動く様になったら行ってみるか、、、そして料理、、、ん?今何て、、、ジジイがりょ、、、料理、、、!?ヤバいそれだけは!
「や、やめろー!料理だけは、、、!」
俺は咄嗟に叫ぶが時は遅し、ジジイは既に厨房に向かった後だった。アクアはキョトンとした顔をしている。そして、ジジイが料理を持ってくる。俺は涙を流しながら食べた。ジジイは喜んでいたが勿論涙を流した理由は別の理由だ。飯が不味過ぎて涙が止まらない。アクアには俺のゆで卵を与えておいた。流石にアクアにあの飯を食わす訳にはいかない。明日からは俺が自分で飯を作ろう。そう思い、アクアに寝室まで運んでもらいゆっくりと身体を休めた。そしてそれから図書館に言ってアクアの事を調べたが一向にそのモンスターらしき情報は浮上してくる事は無かった。ジジイも見た事が無いモンスターと言っていたな、、、本当にアクアは突然変異の種のようだ。そして俺がこの拠点に着いてから二日の時が経過した頃、、、拠点の転移碑が輝き添島達、、、他の仲間全員四人がかなり疲弊した様子で転移して来たのだった。あれ?もしかして仲間とはぐれて孤立したのって俺だけなのか、、、?戻って来た仲間にジジイが回復魔法をかけ身体の傷を治療する。細かい傷は重光がいた為治療しながら進んでいたようだ。皆は本当に疲れていた様で一旦休みに行った。話はそれからだ。それにしても、、、俺がここに着いた速度は異常だ。向こうの方が敵の殲滅力や道の快適化する力はあった筈だ。ここまで差がついた理由が、、、と考えた所で俺は思い出した。あの巨大な鳥、、、あの鳥に攫われた時を思い出し納得した。もしかしたら俺はあそこでかなりの距離を飛ばされていたのかも知れない。あともう一つ思いつく理由があった。あの亀型モンスターだ。あの背中に乗れたお陰でかなりスムーズに夜通し移動出来たのも大きいだろう。そして、次の日起きて来た皆に話を聞いて更に納得した。最初から四人だった訳では無かったらしい。最初は添島が三人と別れて途中から合わさったらしい。それならば納得がいった。こうして俺は仲間達と合流する事に成功するのであった。