3話 迷宮の冒険?
それでだ。さっき何もあても無くどこかに出発するとか言ってしまったが正直全部勢いで言ってしまった。
格好つけた後だったから俺はどこかつけあがっていたのかも知れない。だからもっと詳しくジジイに話を聞く必要がある……と言ってもさっきはほぼ何も情報は得られなかった訳なんだが……。取り敢えず迷宮とやらの情報を引き出さなくてはならない。
「それで、迷宮の仕組みはどうなっているんだ?」
もうこの質問で全部ジジイに答えさせよう。ただ、このコミュ障と言うのか?どうも説明の単語が足りないこのジジイに全てを任せて大丈夫だろうか?まぁ、先ずは話を聞こう。でなければ何も始まらない。
「わしもまだ分かっておらぬのじゃが、部屋を突き進んで行くと階段があるのじゃ。そして、下へ行く程敵が強くなるのじゃ」
俺の抽象的な質問に対してジジイは苦笑いを浮かべながら答えた。やはり抽象的な質問には抽象的な答えしか返ってこない。まだこの時点では情報が明らかに足りないが、やっぱり何か隠してるような気がするんだよな……俺がここまで警戒するのは珍しい。
と言うか失礼だとは思うが、いきなりこんな如何にも胡散臭そうなジジイが出てきたら誰もが疑いを持つだろう。
ん?ちょっと待てよ……それにまたよく分からんキーワードが出て来たぞ。
部屋?敵?なんだそりゃ。やっぱりこのジジイ説明が下手だ。それとも単純に俺の理解力の問題か? 敵と部屋自体の単語は分かる。だが、その明確な意味を知りたい。
「敵って何だ?」
さあ、今度こそちゃんと説明してくれよ。
「それは後で分かるじゃろうて。進んで行けばいつかは外に出られるのでは無いのじゃろうかとわしは考えたのじゃ……()」
俺の先程以上に漠然とした質問に対しジジイは含み顔で答える。だけど、最後の語尾が上手く聞き取れなかったが最後は俺達を見つめていた。
最後の語尾は気になるがこのジジイ後で分かるだろう的な話好きだな……だから、今言ってくれよ。今知りたいから聞いてるのに……次行こう次。
とにかく、俺達は奥に進んで行けば外に出られるかも知れないと言うことかな?出来ればジジイの言葉を信じたい。というよりこの状況ではこのジジイは重要
な情報源だ。このジジイの情報を信じる他無いだろう。取り敢えず、ジジイの言葉を信じる限り難しい事は無しでこの迷宮の下層を目指す他無いって訳だ。
「うん、つまりどんどん奥に進んで行けば良いんだな」
俺がそう言うとジジイは頷いた。
「まぁ、そう言うことじゃな」
そして、話を続けた。
「しかし、迷宮に入る前にわしが造った拠点があるから迷宮に入るにはそこで準備を整えてからじゃの」
また、何か言い出した。わしが造った……かどんな拠点なんだろう?このジジイのことだから……はい、テント置いたぞ野宿で十分じゃろ。あー快適じゃぁーみたいな感じか……?正直、重要な情報源とは言っても俺は全面的にジジイを信用している訳ではない。全ての情報を鵜呑みにする事の危険さは何となく分かる。
暖かい布団が恋しい……まだ一日も寝てないけどな。
「それは、ここからどれ位離れた場所にあるのですか?」
空気だった亜蓮が唐突にキリッとした顔をしてジジイに質問する。眼鏡かけてたら指で持ち上げてキラッって感じで光りそうだ。確かに俺も時間は気になるな。GJだ。亜蓮。
「お主らの足なら歩いて一時間半くらいかの」
ジジイが少し考えながら衝撃発言をした。
「「遠っ!」」
全員がハモった。拠点って直ぐ側に作るもんじゃ無いのか?それとも簡易テント的なのじゃ無くて要塞都市みたいな規模なのか?又はジジイの感覚ではそれが直ぐと言う事なのか……。
それにしてもおかしい。このジジイは俺達が来てすぐ目の前にいたにもかかわらず拠点はかなり離れている。俺達の足で歩いて約一時間半といえば約十キロ程の距離になる。約十キロもの距離から感知出来るのか?それとも単なる偶然か?ますますこのジジイが分からなくなってきた。
「あの、すみません 一つ質問良いですか?」
そこで重光が恐る恐るジジイに質問した。一つと限らずもっと質問して欲しいくらいだ。
「なんぞい?」
お前の話には今の所疑問点しか湧かないんだが……そんな何が不思議なの?みたいな顔するなよ。
「あなたは私達がここに来た時すぐ側にいましたよね?歩いて一時間半かかる場所から私達を見つけるのは難しいと思うのですけど、どうして私達に気がついたんですか?」
重光が俺がさっき考えていた事と同じ事を言ってくれた。それな。
「それはわしが天才だからじゃ」
ジジイは堂々と胸を張って言い放つ。おい空気が凍ったぞ。どうしてくれんだよ。
あと答えになってないぞ……流石に俺でもこの空気は……良くなるな。お互い似たもん同士か……嫌だなこのジジイと一緒って……。ははは……。乾いた笑いでも湧き起これば良かったのだが、周囲は静寂に包まれる。
「……」
ほら見ろみんな冷たい目で無言でジジイを睨んでる。
「う、ま、まぁそれはともかく拠点に行くぞい!」
ジジイはかなり動揺した様子で言った。あ、誤魔化したな。そんなに動揺するような事とは思えないんだが……。
「わー!誤魔化した!」
ジジイは無反応のまま俺達を拠点へと先導していった。ジジイの言った通り一時間半くらい歩いた。疲れた。
「ふ〜疲れた……」
添島以外が疲れたオーラをばら撒きながらそう言った。ああやっぱり添島ゴリラだな。普段から身体を鍛えてるだけあって全然涼しげな顔をしてやがる。
俺達が主に疲れたのはジジイの対応にだがな。拠点に向かう途中ジジイの話が本当につまらなかった。精神的に参る。
「お主ら若いんじゃろ?しっかりせんかい!わしなんか若い頃……」
ジジイに一喝されたがお前のせいだからな。ってヤバい!?またあのつまらん話が始まる!何とか阻止せねば!
「あー、はいはい、もう良いです。聞きたく無いです!」
もうほんとこうでもはっきり言わなきゃ。またつまらん話が始まりそうだ。
「ヒドイ……まぁお主達よ着いたぞ!前を見るのじゃ!」
お、めっちゃジジイ落ち込んだ……だって本当に話がつまらないんだもん。前……?…… !?
「ようこそ!ここがわしが造った拠点じ……」
ジジイが気を取直してドヤ顔で何か言おうとしてたがそんな事は、俺達の耳には入らなかった。
そこには巨大な工房と言ったら良いのだろうか?もはや街サイズの敷地に見た事の無い施設が沢山陳列していた。
これをジジイが一人で造ったと言うのか……にわかには信じられない、いや信じたくない。こんなポンコツジジイにこんな物が作れるなんて……。
「す、すげー!」
思わずみんなの口から声が漏れる。本当にこのジジイが一人で造ったとは思えない。いや、もしかしたらジジイ以外にも共同で造った人がいるかも知れない。
「こ、これ全部髭が造ったのか?」
「そうじゃ」
なんかジジイが凄く自慢げに頷いた。なんかムカつくが純粋に凄い。こんな物見せられて興奮しない訳が無い。不安なんて吹っ飛びそうだ。
「まじかよ!すげーよマジですげーよ!」
「そうじやろ。そうじやろ。もっとわしを褒めるのじゃーわしは偉大なのじゃー」
ジジイは凄く上機嫌だ。やっぱり直ぐ調子に乗るな……ちょっと褒めすぎたか…… ?
「やっぱりこのジジイ大丈夫じゃねえな。」
あ、また声出てますよ……添島さん。
「まぁ、そう言う事じゃ。設備については後で話すぞい」
ジジイは満足気に言った。どう言う事だよ。ジジイが偉大って事か?確かにこの規模の設備を一人で造るとか人外に等しい。と言うか何年かかるか考えただけで目眩がしてくるレベルだ。
「しばらくはここを中心として迷宮を突き進む事になるじゃろう」
あ?さっき言ってた。なんか敵とか色々出るって言うやつか?よく分からんが何と無く分かったような気がする。根拠は無いがな。
「分かった」
「あの、すみません。ここって本当に安心出来る場所なのでしょうか?」
重光がジジイに尋ねた。確かにその不安が無いと言ったら嘘になるが半ば要塞都市みたいな物だ。
こんな物を突破して来る者なんているのだろうか?ちょっと考え過ぎのような気がする。
「安心せぇ、大体の設備は整えておる」
ジジイが胸を叩いて言った。マジかよ。これで大体なのかよ……まぁこれなら大分安心出来るのかな?
「まぁ、不測の事態には対応しかねるがほとんど安全と言っても過言では無いぞい。」
ジジイは堂々と言い放った。ちょっと待て。これでも対応出来ない事があるのか?さっき安心しろとか言ってたのに不安を煽るような事言うなよ……と言うかこのジジイ本人が不安要素ではあるのだが……。
「まぁ、それはさておき迷宮の事についてなんじゃが……」
ジジイが真剣な顔になり最後に口角を上げニヤけた。なんだ?急に話題変えたぞ?……。やっと本題に入りやがったか……俺が話題を振ってから一時間以上ジジイのつまらない話に耐えた甲斐があった。
だが、ここの秘密を知ったからには俺達を殺すとかかないよな?いや自分で案内しといてそれは無いだろう……このジジイは何を仕出かすか分からない……。
ヤベェな……俺達のジジイへの信頼度低すぎだろ。自分が言えた事では無いが。そこでジジイは俺が得たい情報とは全く関係の無い情報を発言する。
「最初の頃はわしが付いて行ってやるわい!」
あたかもこれで安心じゃろ?みたいな顔をしている。なんか腹立つなこの顔。それに、ジジイの発言が尚更得たい情報から掛け離れていたせいか俺の怒りは更に募る。
は?何をジジイが言っているのか分からない。まず迷宮の説明がまだされてないから良く分からない。説明早よ。
「本当に大丈夫なのかな?」
山西がからかう様に言った。あ、お前居たのか……すっかり忘れてたわ。大丈夫なわけ無いだろ。だってこのジジイだぞ?俺も行きどころの無くなった怒りからか半分ヤケクソになっていた。
「任せてくれい。こう見えてもわしは結構強いんじゃ」
確かに、ジジイの肉体を見る限り歳を感じさせないくらい引き締まっている。しかも、所どころに付いた傷が歴戦を物語っている様にも見える。
しかし、どうやったらこんな傷が付くのだろうか?これがジジイが言っていた危険という事なのだろうか?もし俺達もこんなになるのだったら怖い。
行きたく無いが、もしかしたら、何かをドジってこうなったのかもしれないし、あまり深くは考えない様にしよう。でも本当に強いのだろうかは俺には分からない。
「えー、本当にぃー?」
ちょっとバカにしてみた。
「一応、髭は何十年もこの迷宮で生き延びたるから連れて行って上げても良いんじゃないかな?」
亜蓮がボソッと呟いた。確かに、そうだな一応連れて行っとくか……。
「そんなに言うのなら付いていかんぞ!」
ジジイがふて腐れた様に言った。
あ、これ断ったらなんで付いて来いって言わないのじゃとか言われて結局付いて来られるパターンじゃないか?このジジイの性格的に……それなら肯定しとくか……。
「いいえ、お願いします」
「俺はどちらでも良いんだがな。寧ろうるさいジジイが居ない方が良いんだが……」
小声で添島がボヤいてるのが聞こえた。聞こえなかった事にしよう。ジジイの眉が一瞬ぴくりと動いた気がしたが気の所為だろう……いや、そう思いたい。
「よし、付いて行ってやろう!」
どうやらジジイは付いてくるようだ。最初からずっとその気だったのだろう。変なジジイだが今のところ良い人かも知れない。今のところはな。
「まぁ、一応この爺さんが付いて来てくれるって事で良いんじゃないか?」
添島が白い目をしながら言った。おい、添島お前絶対このジジイ適当に遇らっとけばなんとかなるだろ。みたいな事考えてるだろ。俺には分かるぞ。長い付き合いだからな。
「さっきから一応とはなんじゃ、一応とは……」
ジジイが拗ねた様に言った。
いや、この状況で完全に信じる方が危機感無さ過ぎだと思うのは俺だけなのか?そろそろ拠点は分かったから早く迷宮の話しをして欲しいものだ。まぁジジイをからかった俺達が悪いのだが……。
「髭の爺さん。もうそう言う話は十分聞きました。早く迷宮に案内して下さい」
お、亜蓮が核心を付いてくれた様だ……ってお前その顔……クール保とうとしてるけどめっちゃワクワクしてるの分かるからな。
そうだった……こいつ色んなゲームとかやり込んでるからそう言うの期待してるんだろ……はぁー、これからどうなるんだか……。
「よし、分かったぞい!」
ジジイがめっちゃ張り切った様子で返事した。え?ジジイめっちゃ素直なんだが……どこを理解したって言うんだ?訳ワカンねぇ。
俺達は亜蓮がワクワクしてるのは分かるけどジジイには多分伝わってない筈だ……どこに納得した?
「「そこ、納得する!?」」
チッ……山西とハモってしまった……なんかこいつと同じ事考えてたとか微妙な気持ちだ。あいつもそんな顔してる。
「息ぴったりだな」
添島が言った。言わなくても分かってるよそんな事。
「まぁ、しばらくは安心して良いぞい」
あ、安定のスルーですか。何事も無かったかの様にジジイは話した。安心して……良いのか……?お言葉に甘えてジジイを信じてみるか。
「髭の爺さん。油断している時に限って危ないんですよ」
おい、亜蓮さん?なんでそう火に油を注ぐといいますか……不安を煽る様な事を言う訳?やっぱり残念イケメンか。
「まだ、何も知らない若造なんかに言われたくないわい!」
ジジイが怒った。おいおい、あんまり怒ると血圧上がるぞ?
「あ……」
ジジイが石につまづいた。ダサい……やっぱり不安になって来た。
「ゴホン。まぁそうじゃな」
あ、落ち着いたな。恥ずかしかったんだろうな。
「ダッセぇ……」
いや、本当にさっき言ったばかりだったのだから、……ね?ダサいよね?
「はい、気をつけます……」
ああ、ジジイがシュンとなった……ごめんな言い過ぎたよ。なんかジジイが可哀想になって来た。
「お爺さん元気出して」
重光が心配した様子でジジイを慰めた。重光は優しいな。でもこの光景孫に介護されてるお爺ちゃんにしか見えないんだが……。
そして、多少落ち込んだジジイに案内されて15分程歩いたのであった。
「ここからは更に気を引き締めていくぞい!」
いや元から気は引き締まっていなかったと思うんだが……ジジイが転んだだけの気が……
「更にって髭が転んだだけじゃん」
「うむ……」
ジジイが更に落ち込んだ。
「まぁ、そうなのじゃが、ここからが本当の迷宮じゃぞ」
ジジイは相変わらずの切り替えの早さである。しかし、どう言う事だ?本当の迷宮?
「なんで?」
「何かあるのですか?」
重光も同じ疑問を持ったらしい。やっと聞きたかった事が聞けるのか……?
「さっき少し話したと思うのじゃが……敵が出ると言ったのう。それは元の世界で言う『モンスター』が出るのじゃ!」
ジジイがまた訳のわからない事を言い出した。は?どう言う事だ?
このジジイボケてるのか。モンスターってあの?ド○クエとかモ○ハンとかに出てくるあれか?普通に考えている訳が無い。
たまには冗談でつまらない話を変えようとしたか?良いじゃねえか、その冗談に乗ってやろう。
「髭もたまには面白い冗談を言うな」
「ははっ、そらねえぜ」
おい添島お前の場合ガチでツボってんじゃねえか。
「じゃあ、実際に見てみる方が早いじゃろう……」
ジジイが真顔で答えた。
「「え?」」
俺達全員から間抜けな声が漏れた。え?実際にみる?そのモンスターとやらをか?どう言う事だ?見れるものなら見てみたいがな……さてどんな物が出て来るんだろうか……。
ジジイの言うがままに五分程迷宮を探索するとそこには異様に耳が長いウサギかハムスターかよく分からない体長二メートル位のよく分からない大きな動物がいた。
「え……マジで?これ夢じゃないよね……?」
山西が信じられないと言う顔をして言った。
「うーんもっとスライムみたいなのを想像していたんだが……」
これでは動物と言われても分からないだろう。だがどう見てもサイズがデカすぎる。こんなのウサギじゃない。
「唯の動物に見えるんだが……」
同意見だ。添島。だが違うよ、な?
「でも、図鑑では見たことない種だ」
え、亜蓮さん?貴方図鑑にも精通してたんですかい?てっきりゲームだけかと思ってたよ……。
「あの、すみません。モンスターって架空の生き物では無いんですか?」
重光さんが純粋な質問をジジイにぶつけた。確かにそうだ。モンスターは人類が創り出した架空の生き物である。
「それが迷宮ではあり得るのじゃ」
どういうことだよ。説明しろ。
「この迷宮はお主らが元いた世界とは違い何故か架空の生物も存在し、物理法則を無視した事も可能となっておるのじゃ」
何故かって……?分からん。続けてくれ。
「わしの見解じゃと恐らく元いた世界とは違う空間。いわゆる別空間、又は別の世界にいるのじゃと思うのじゃ」
いや、よく分からんが、ここは地球では無い可能性が高いって訳か?もっと理解力が欲しい……。
「話が難しくてよく分かりませんが、とにかくここは元の世界とは違うって事ですね?」
山西が眉を顰めて言った。まぁ、その辺は何と無く進んだらわかる気がする。
とにかく早くこの迷宮から抜け出さないと元の世界には戻れない事は分かった。うんとにかく進むしか無さそうだ。
「よぉーし!分かった。とにかく先に進もうぜ!」
正直何も分からない。不安だ。不安を打ち消すように周りに明るい言葉をかける。
「お前本当に分かったのかぁ?」
添島が尋ねてきた。分からないよ。だからこそだ。皆んなを不安にさせてはいけない。元の世界に帰れるまでは……。
「こいつ絶対分かってねぇな……」
添島の声がまた漏れていた。台無しだよ。ここ、俺のかっこいい決意シーンみたいな感じだったじゃん? ふと周りを見渡すと重光は必死に何かをメモしているし……ってどっからそのペンと紙出てきた!?
亜蓮は欠伸をしていた。
皆何故かこの状況に不安を感じている者はいなかった。
陽気なものだ。大半はこのジジイのせいだとは思うが……。
正直ジジイのインパクトが強すぎて他の事があまり気にならなかったのだろう。
皆そんなに不安を感じている様子は無かった。ある意味ジジイに感謝している。
「まあ、そう焦るな。今日はゆっくり休んで明日に備えるのじゃ」
そうジジイが言って拠点に戻り今日は休むことにした。正直拠点は快適で少しここで暮らしても良いかも知れないと思った。
そして、次の日……亜蓮が興奮した様子で騒いでいた。
「よし、昨日はゆっくり休んだ事だし早く行こうぜ!」
おい、クールキャラはどうした。そして、興奮した後ハッとした顔で落ち着いた様な顔をした。いや、今更クールキャラ貫かなくていいから。
「まて、お主らには実戦はまだ早い!先ずはこの修練場等の施設で身体を鍛えて欲しいのじゃ」
ジジイが焦った様に言った。成る程確かにいきなり実戦は無理だろう。強いて言えばゴリラ……添島なら大丈夫そうな気がするんだが……基礎を身につけろって事だな。分かった。
「よし、分かった。皆!訓練頑張ろうな!」
「「オー!!」」
なんか、声が弱い気がするが良いか。こうして初めての俺達の訓練が始まったのであった。
更新遅すぎますね。、、、。申し訳ないです。