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学校内の迷宮(ダンジョン)  作者: 蕈 涅銘
6章 沼地エリア
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36話 寝床確保

「くそ、、、歩きにくいな、、、重光のこの前の洞窟の水場で使った魔法とかで何とかならないのかよ、、、」

「無理だな。水は弾いたとしてもこの下にある泥沼はどかせないから結局動き難い事には変わりはねぇな、、、寧ろ重光の援護を受けられなくなる方が探索がし辛ぇ」

俺の愚痴に対して添島が答える。だが本当に憂鬱なのは変わりはない。特に憂鬱なのはこのエリアの鼻に付く悪臭と、、、

(べちゃ)

この足に纏わり付いてくるマドハ◯ドみたいな無形物モンスターだ。邪魔だがだからと言ってこれ以外は何もして来ない、、、可愛い、、、くなんかねぇよ、、、ひたすら面倒なモンスターだ。構っても次々と湧いてくるので俺達は無視している。そしてナマズなどの泥の中に隠れているモンスターはどうやって回避しているかというと、、、

音波探知サウンドソナー

重光の魔法である。この魔法は音の振動を利用し動く生き物や大体の地形などを確認する事が出来る。だが正直今の精度だと何か動く生き物がどこら辺にいるという事位しか分からない。だが、それだけでも先程の様な電気ナマズなどの急襲を回避するのには十分である。

「キィ!キィ!」

鳥の鳴き声が聞こえそちらを向くと俺達の前方に鳥の群れが水中の何かに群がっていた。どうやら狩りをしているようだ。そして、、、

「グォォォオオ!」

中からは亀のような甲羅を背負いワニの様な頭、、、だが頭にはエリマキの様な物が付いておりそこにある管の様なものから水を排出しているモンスターがこの前俺達を感電させた電気ナマズを口に咥え鳥を威嚇する。そして、

(バタバタバタ!)

鳥は一目散に飛び去っていく。咥えられている電気ナマズは稲妻を身体から放ちながら放電しているが亀の様なモンスターはそれを気にする様子は無く、そのままゆっくりと何処かに泳いで行った。

「何だったんだ、、、?」

本当によく分からない戦いだった。そして、この階層の探索も終盤に差し掛かり、俺達は次の階層の階段の近くまで来ていた。まぁ、敵はそれなりにいたものの大抵の敵は地面の泥に潜っており奇襲を得意としていた為殆どが重光のソナーで先に感知して回避出来たのは大きかっただろう。たまにさっきの様な大型のモンスターも出たが基本的に動きは鈍く、こちらに対して交戦的なモンスターは少なかった。そして、俺達もゆっくりと沼地をソナーで感知しながらどれくらいの時間が経っただろうか?恐らく半日は歩いたのでは無いだろうか?そう思った矢先、、、次の階層の階段が見えた。

「よし、、、今日も大分疲れたし拠点に帰ってゆっくり休むか、、、」

俺達は沼を抜け階段がある場所へと移動する、、、だが、、、俺達はある事に気付く。

「あれ?おかしいな、、、いつもはここら辺にあるのに、、、」

「ホント、、、無いわね、、、」

そう、無いのだ。

「転移碑、、、見つからねぇな、、、」

転移碑が無いのだ。これは困った、、、流石に俺達でも階段で寝る事は出来ない。とは言ってもあの悪臭が漂い、水が張っている沼地で寝ろと言うのも難しいだろう。さて、しょうがない、、、一旦次の階層に行くか、、、そして、俺は二十二階層の様子を見に行く。

「成る程、、、霧、、、か、、、だがここなら野宿は、、、出来ないことはない、、、か?」

二十二階層に出た俺が見た景色は空気が薄っすらと霧がかっており地面は湿ってはいるものの水は張ってはいない。俺は仲間を呼んで確認する。

「野宿するぞ、、、だが時間交代で見張りが欲しい、、、じゃないと不安だ」

俺の言葉に否定の言葉を出そうとするが寸前で飲み込む分かっているだろうが仕方がないのだ。今出来る事はこれくらいしか無いだろう。そして、

「見張りはジャンケンで決めよう」

と俺が提案し、ジャンケンをしジャンケンの結果俺は最初から見張りポジションである。

そして、仲間達は地面に獣屍鬼の皮膚で作ったマットを広げ横になる。だが、

(ズズズズズ、、、)

「マジかよ、、、」

皆が乗った重みでマットが少しずつ沈み、上で寝転がっている仲間はゆっくりと立ち上がり俺は獣屍鬼の皮を回収してする。参ったなぁ、、、今日をどうこそうか、、、そう思い周りを確認して思い付いた。この階層には沢山の背の低い植物があり、その上にマットをひき俺達は睡眠の準備を始めた。そして仲間達が眠りにつき直ぐの事だった。俺も見張りながら眠くなりうとうとしていると前方の方の草が根を動かし地面から抜き此方へと向かって来た。

「草!?」

唐突の出来事に俺は一気に意識が覚醒し、叫んだ。そして、

(スッ)

ウツボカズラの様な植物が俺の近くまでより中の液体をぶち撒けた。だが、その液体はまだ物を溶かす能力とかは低く少し煙を立てて終わった。

「はぁぁぁあ!」

(ボトッ!)

ウツボカズラの頭が真っ二つに切れて、地面に落ちる。その時だった。

(カサカサカサカサカサ)

奇妙な音と共に周りの植物がある部分の植物が一斉に自身の根っこを引き抜き俺達の方向へと、走ってくる。やめてー!頼むから寝させてくれーーー!こうして結局俺はこの植物達と次の見張りの交代の時間が来るまで戦ったのであった。


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