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学校内の迷宮(ダンジョン)  作者: 蕈 涅銘
5章 洞窟エリア
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33話 獣屍鬼の弱点と新たな能力

書きだめストック0の連日投稿、、、どこまで続きますかね笑

さて、どうする?俺達の中にはこんな思考が巡る。雑魚は亜蓮が引き受けてくれたお陰で俺達が獣屍鬼に集中できるのだが、亜蓮もいつまで持つか分からない。流石の亜蓮も疲れてくれば取りこぼしが出てくる。そうなると、俺達は獣屍鬼に集中する事が出来なくなってしまう。奴を殺るなら今しかない!だが、、、問題は奴にどうダメージを与えるだ。スキルなしでは大したダメージは見込めない、、、いやそれどころかほぼノーダメージに近いだろう。だが、やってみなくては分からない。

「添島!一回スキル無しで奴を殴る。それでダメージを確認したい!」

「はぁぁぁあ!」

俺は添島に合図すると、添島がフェイントの攻撃を獣屍鬼の腕の後ろ、、、つまりは奴の死角を攻める。

「グォォォオ!」

奴は添島の攻撃を感知し、そこに向かってふり向こうとする。その瞬間に、、、

「はぁぁぁあ!」

俺は奴の火傷をし少し焦げている首元を狙い攻撃を出す。

(スッ)

しかし、皮膚の表面が少し焦げているにも関わらず俺の攻撃は奴の皮膚に引っ掻き傷を作った程度で血も滲んでさえいない。恐らく奴の動きがなかったという事は焦げている部分でさえも本当に皮膚の表面だけなのだろう。

「ぐっ、、、」

添島が奴の首を捻っての噛みつきを剣で弾き衝撃で弾き飛ばされる。だが俺は気づいた。奴は俺が近づいた瞬間鼻がピクリと動いたが添島を狙った。嗅覚だ!何で今まで気がつかなかったのだろうか、、、奴は俺達の動きを嗅覚で察知している。奴は目が退化している筈なのに俺達の動きを正確に捉えている。つまりは別の感覚で察知しているという事だ、、、そうか、、、嗅覚か、、、これなら勝てるかもしれない。

「皆!蛍光液の入った容器に飛び込め!」

俺はみんなに指示を出す。だが

「何を言っているんだ!?その蛍光液は俺達が長時間戦う為の命綱の様なものだぞ!?」

添島が困惑したように声を出す。

「奴は俺達の動きを嗅覚で察知している!後は分かるな!?」

「!?、、、」

添島は俺の言いたい事を理解し全員を引き連れ蛍光液の入った容器の金属蓋を開ける、、、その瞬間だった。

「グォォォオ!」

獣屍鬼が俺達の方向に向かって跳躍し飛び込んで来た。やっぱりな、、、俺達は気が付いていなかった。蛍光液、、、それは元々匂いがするものである。と言う概念がこの思考を邪魔していたのだ。元の世界でも蛍光液は少しシンナーっぽい匂いがする。そして、この世界でも蛍光液は匂いがする。これは虫の体液で元の世界に比べたら匂いは少ない。どちらかと言うと少し生臭いだろうか?だが俺達には気にならない程度だ。だが奴の嗅覚にとってはどうだろうか?これは重要な匂いになる。時間が経てば蛍光液の匂いに紛れた俺達の汗の匂いなどを嗅ぎ取ることは奴にとっては難しく無いだろう、、、だが、俺達は元々この蛍光液を被って来ているから奴にとっては俺達の匂い=蛍光液を被った状態の匂い である。つまり、、、

(バリィィィイン!)

「ゲホッゲホッゲホ、、、」

俺達はギリギリ転がり奴の飛びかかりを避ける。そして、大量の蛍光液が奴を巻き込み周りに散らばる。そして、

「グォォォォォォォオ!」

奴はまるで標的を見失ったかの様に暴れ始めた。これが俺が狙っていた作戦だ。奴は今俺達の場所は分からないだろう。そしてこのボス部屋全体に散らばった蛍光液のお陰で俺達の視界は良好だ。そして、

「キィィィィイ!」

亜蓮が引き受けてくれていた。雑魚屍鬼とかも何匹かこちらに向かって暴れている。

「亜蓮はこちらに避難して、、、重光、、、奴が暴れている蛍光液にマナを全力で流し込んでくれ!」

奴等から距離を取った俺達は亜蓮をこちらに避難させ重光に指示をだす。そして、重光も指示通りに一気にマナを送り出した。その瞬間、、、

(ドガァァァァン!)

「グォォォォォォォオ!」

「ギィィィィィィイ!」

すると重光のマナが導火線の様に蛍光液を伝い赤く赤熱してから大爆発を起こし、獣屍鬼を含めた屍鬼達の悲鳴が響く。マナを乱されていても不安定な形にならないマナを送る事くらいはできる。やったか?とは流石に俺達も思っていない。だが、少しはこれで弱ってくれている事を願う。重光が全力でマナを込めたんだ、、、流石にあの威力でピンピンしていたら今の俺達に勝ち目は無さそうだ。

「グォォォォォォォォォォォォオ!」

「ぐっ、、、何だ、、、!?」

奴は煙の中大音量で全周囲に咆哮をし、姿を現した。だが、俺達が見た奴の姿は今までとはまるで違う悍ましい姿だった。全身の皮膚が爛れ、所どろこには骨が露出している。だが、全身の爛れた皮膚からは何かの液体が流れ出ており、その液体が地面に落ちるたびジュッ!と嫌な音を立てる。恐らくあれは強酸だろう。奴はボロボロだが、あれでは直接攻撃もし難いし、近づく事も難しいだろう。だが周りの雑魚屍鬼達は全滅しており、敵は獣屍鬼だけだ。

「亜蓮、、、少し試しに奴にナイフを投げて見てくれ」

俺が亜蓮に合図し、亜蓮がナイフを投げる。そして、奴に当たった瞬間、、、

(ジュッ)

ナイフは奴の体に当たり、徐々に煙を上げながら溶けていき無くなってしまった。何て事だ、、、これじゃあ奴に攻撃できるのは重光だけ、、、だが、魔法は使えない、、、使えるのは一瞬だけだ。それか、奴が自然に倒れるのを待つ、、、それ以外は勝ち目は無いだろう。

「いや、俺がやる」

その時添島が言った。

「その代わり俺に協力しろ、、、二回だ。二回俺にスキルを使わせるだけで良い」

添島がそう言い、獣屍鬼とのラストバトルが始まったのであった。



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