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学校内の迷宮(ダンジョン)  作者: 蕈 涅銘
5章 洞窟エリア
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32話 リベンジマッチ

まさかあの虫がキーアイテムだったなんて、、、獣屍鬼とのリベンジマッチです。

「さぁ、リベンジマッチと行こうじゃないか」

俺はこの台詞を吐き、更に準備を進めた。この作戦を行うにはもっと素材の数が必要だ。だから俺達はあの虫達を乱獲した。そして拠点に戻り、虫達の体液を取り出し甲殻を粉末状に粉々にすり潰す。そして、それをそれぞれの容器に詰めた。そして、マナを込めていない状態の虫の体液が入った容器を光にかざし放置する。そして俺達は身体の疲れを癒す様に眠りについた。そして次の日、、、

「重光!ボス部屋直前まで液体の入った容器に光を当て続けていてくれ!」

俺はそう指示を出す。そして、光を反射する金属を薄く削ぎアルミの様になったものを手に取りマジックバックに入れる。そして巨大な液体の入った容器を荷車に乗せ俺達は二十階層へと転移した。そして、ボス部屋前まで進んだ。

「よし!あの液体を自身の身体に塗れ!」

俺の指示に従い、俺達は己の体に蛍光液となる液体を塗っていく。そしてその液体が入っている巨大な容器に薄くそいだ金属で包み俺達はボス部屋の扉を開いた。

(ギィィィィイ!)

扉が開く音がし、再び俺達は獣屍鬼と対面する。

(スゥゥゥウ!)

獣屍鬼が咆哮の準備をする、、、

「来るぞ!今だ!」

(ブワァ!)

「グォォォォォォォオ!」

奴が咆哮をするが俺達の光は消えない。奴が咆哮をする瞬間俺たちは粉末状にしたあの虫の甲殻を撒き散らしたのだ。それが奴がマナを乱すのを防いだ。そして、

「行くぞ!気貯蔵オーラタンク!」

属性付与エンチャント 火雷ライトニング

三重強化トリプルアップ 撃速防マルチ

添島がエネルギーを纏い駆け出し俺がエンチャントを唱えると炎と雷のオーラが横に広がっていき前衛職全員に付与される。勿論俺もだ。そして山西の強化がかかり更に俺達は加速する。奴の咆哮は具現化する前の周囲マナを乱す、、、だから具現化した後は安全、、、な訳では無い。重光の光が具現化しているのにも関わらず消えたり、継続的にマナを送る技も封印されていた。これは俺達が技を使う為に提供していくマナさえも乱しているという事だ。つまり、奴の咆哮のマナを乱す効果は一定範囲内の場所のマナを暫く狂わせていることになる。つまり、その範囲から一瞬で出てしまえば俺達は普通にマナが使える。だからこの粉末状にした虫の甲殻はその一瞬を俺達に与えてくれる重要なアイテムだ。粉末状にしていないと、この時間は稼げない。だが何度も別の方向に咆哮を撃たれては俺達の居場所が無くなってしまう。だがら蛍光液も塗っているのだ。流石に俺達も常に粉末で奴の咆哮を防げるとは思ってはいない。こうして、俺達は獣屍鬼に突撃する。

「グォォ!」

違う。これは普通の鳴き声だ。奴はマナを狂わす咆哮と普通の咆哮の二種類がある。マナを狂わす咆哮は予備動作があり、隙が大きい。奴が吠えながら長い右手で薙ぎ払ってくるが、

「こんなん当たるかっよ、、、!」

身体能力が強化されている俺達は奴の腕を軽く飛び越える。

「はぁぁぁあ!」

添島がエネルギーを纏った強力な一撃を獣屍鬼の下顎に撃ち込もうと懐に入り込み斬りあげる、、、

「グオォ!」

(ガギィィイン!)

獣屍鬼は咄嗟に巨大な顎を閉め長い牙で添島の攻撃を受け止める。

「ぐわぁぁぁぁあ!」

そして、顎をしゃくるようにして軽く添島を吹き飛ばす。

「はぁあ!」

俺は奴のしゃくった顎の下、、、がら空きになっている喉元を狙い回転斬りを繰り出す。俺の刀が炎と稲妻を立てながら奴の喉元に傷をつける、、、が

「ぐはっ!」

唐突に奴の左腕が俺を薙ぎ払い吹き飛ばされる。

(ドン!)

その瞬間奴は後ろ足で地面を蹴り後ろへ跳ねた。奴が避けた場所には亜蓮が投げた複数のナイフが地面に直撃し、跳ねた勢いで標的を再び奴に絞り永遠に追いかけていく。そう亜蓮のスキル精密無慈悲の効果だ。だが、

(バリィン!)

奴は次々とナイフを鋭利な牙で砕いていく。そして、

「!?来るぞ!」

「グォォォォォォォオ!」

奴は息を吸い込み大声で咆哮をする。俺は獣屍鬼に再び攻撃を仕掛けようとしていた添島に向かって粉末を投げつける。そして、

「はぁぁぁあ!」

俺達の纏った炎は消えたものの添島の纏っている炎などは健在だ。そして、添島がエネルギーを纏い上段から剣を振り下ろすように見せかけて下から剣をかちあげた。フェイントだ。獣屍鬼はそれに惑わされたかのように、不覚を突かれ、下顎に添島の強烈な一撃を食らい口を開く。

「グォォォ!」

その瞬間獣屍鬼の咆哮の範囲外にいた重光の声が聞こえた。

多重氷槍マルチアイシクルランス!」

重光の方から白い氷柱の様なものが複数飛んでいき、獣屍鬼の口内にささり凍結させる。だが、獣屍鬼は口内の氷を噛み砕き白い霧を発生させた。そして、その隙を添島が見逃す訳も無く、獣屍鬼の上頭部を思いっきり斬った。

「かてぇな、、、」

奴の皮膚は薄い傷がスッと入りほんのりと血が滲む。一応俺達の攻撃は獣屍鬼に通ってはいるし、獣屍鬼の攻撃もそこまで強い物は無い、、、だが、俺達は強化を最大限かけた攻撃で擦り傷程度のダメージである。この粉末も無限にある訳では無いし、時間が経てば経つほど俺達は不利になっていくだろう。そこで添島に頭を斬られた事が頭にきたのか奴は咆哮の予備動作、、、もとい息を吸い込み始めた。

「来るぞ、、、」

「グォォォォォォォオォォォォォオ!」

「うわぁぁぁあ!」

先程までよりかなり強力な咆哮で奴の咆哮はこのボス部屋の全範囲に及び俺達は粉を撒いたが吹き飛ばされ。光が消える。だが俺達はほんのりと蛍光塗料のお陰でほんのりと光って僅かな光源を確保する。だが遠くはよく見えない。そして、

「ギィィィィイ!」

「ギィィィィイ!」

「グォォォォォォ!」

「ギィィィィイ!」

色々な場所から沢山の鳴き声が聞こえてきた。そして、

「囲まれた!?」

そう、獣屍鬼は仲間を呼んだのだ。ヤバいぞ一対一でギリギリだったものの仲間を呼ばれては危ない。そして、現在俺達は視界もあまり良く無い。この状態で集団戦は危険だ。くそ、、、

(ブシュウ!)

「ギィィィィイ!」

何かが刺さる音がして屍鬼の一匹が倒れる。

「俺なら見えなくて当てる事は可能だ、、、しかも一方的に遠距離からな、、、ここは俺に任せて獣屍鬼にお前達は集中しやがれ」

亜蓮が冷や汗を垂らしながら言った。流石の亜蓮でもこの数はキツイようだ、、、だが、俺が静止しようとすると

「行けぇ!今はこれが最善の行動だ!」

亜蓮が叫んだ。俺達はその行動に理解を示し、獣屍鬼本体に向かっていく。だが勿論魔法もスキルも使えない。スキルが使えるのは粉末をまき散らす一瞬のみ!その攻撃を獣屍鬼に当てるには極限まで奴に近づき密着する必要がある。それは難しいだろう、、、だがスキルを使わずに獣屍鬼に傷をつけるのも難しそうだ。だが亜蓮が雑魚を担当してくれるんだ。やるしかねぇ!

「ギィィィィイ!」

俺達に攻撃を仕掛けようとした地屍鬼が、首に投擲されたナイフが刺さり絶命する。

「俺の仲間には指一本たりとも触れさせねぇよ!」

亜蓮は不敵な笑みを浮かべて雑魚達と相対し、俺達は標的となる獣屍鬼へと向かって行ったのであった。



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