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学校内の迷宮(ダンジョン)  作者: 蕈 涅銘
5章 洞窟エリア
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27話 水辺の巨大生物討伐戦

大きいだけ、多分大きいだけ。

「キシキシキシ!」

俺達に向かって巨大なモンスターが向かってくる。重光は並立詠唱をしており制御で精一杯だ。

「あのサイズとなると中々中途半端な攻撃だと余波だけでも被害を受けそうだ、、、ここはちと使うか、、、気貯蔵オーラタンクをな!」

添島がエネルギーを纏い地面を蹴りあの巨大なモンスターの方へと飛んでいく。今度はちゃんと制御しているようだ。地面を蹴る威力は格段に上がっているが添島の脚が砕け散ることは無い。添島も成長してる。だが俺達も負けちゃいないぜ!

属性付与エンチャントサンダー!」

三乗強化トリプルアップ アタック!」

俺と山西は添島の攻撃力を最大限に強化する。そして、

「はぁぁぁあ!」

あの巨大なモンスターの顔の真正面の辺りまで添島が近づいた所で添島は再びエネルギーを纏いながら剣を振り下ろした。だが、

「キシキシキシ!」

(ガキン!)

あの巨大なモンスターは己のムカデ様な頭についている大きな牙で添島の攻撃を白刃取りの様に受け止める、、、しかし、添島はそこでほくそ笑んだ。

「甘いな、、、これがパワーアップした俺の力だ!」

添島が更にエネルギーを纏いながらそのエネルギーを剣の方へと送り込み凝縮していく、、、そして、

「はぁぁぁあ!」

添島が力を込める。その瞬間からその現象は起こった。

(メキメキメキ)

「キシキシキシ!」

なんとあの巨大なモンスターの牙が音を立てヒビが入り出したのだった。そしてそれからも添島が力を込める度に奴の牙はメキメキと嫌な音を立てる。、、、だが、奴もこのままだと一方的にやられると思ったのか反撃に出た。

「キシキシキシ!」

(バキッ!)

「ぐわっ!」

添島を掴んでいた場所に何かの液体を吐きかけ、自分の牙ごと添島を振り払い、地面に叩きつけ様とする。普通の人間ならばあそこから落ちたら大怪我を負うだろう、、、だが

「よっと、、、」

添島は気を足に集中させ上手く衝撃を緩和するように地面に着地しもう一度奴を眺める。

「キシキシキシ!」

奴は鳴き声をあげながら俺達に突撃してくる。

「またきたか、、、もう一回受けてやるぜ!お前はもう牙を失った!その頭で俺の剣を止められると思うなよ!」

添島は再びエネルギーを体に纏おうとする、、、だが、

「ぐっ、、、!?」

添島は痛みに目を細め自分の身体を見た、、、するとそこには赤く腫れあがる自分の全身の姿が目に映る。そして、身体の晴れのせいで身体を上手く動かせなくなっていたのだ。恐らくさっきの液体のせいだろう、、、治療しようにも戦闘が終わるまでは治療は出来ない。今この重光の魔法を解くのは危険だろう。そして、奴が添島の直ぐ手前まで迫った時だった。

(スッ)

「大丈夫か?やっと俺の役目が来たぜ、、、」

亜蓮が横から入り添島を抱え奴の突撃を解除する。今回亜蓮はやる事があまり無い。この巨体にナイフを突き刺した所で蚊に刺されるのと然程変わらないだろう。そして、あの透き通った甲殻、、、一見柔らかそうに見えるが先程添島の攻撃が見事に頭にヒットしたがもう一回エネルギーを込め直さなければ牙を破壊出来なかった事から考えると同じ素材で出来ている甲殻も相当な防御力を誇っている事が分かる。そして今この状況、、、如何するかだ。添島は身体のむくみで上手く動けないし、それを治療も出来ない、、、そして、添島以外に奴にダメージを与えられそうな攻撃手段が無い、、、添島は別に行動不能になっているわけでは無いので奴の動きをどうにかして止める事が出来れば勝機は十分にあるだろう、、、俺達は奴の突撃をしばらく躱しながらある作戦を思いついた。その作戦とは餌付け作戦である。一見ふざけているように聞こえるかも知れないがこの階層には様々なモンスターが生息している。例えばあの爆発イモリだ。あのイモリを奴の口に投げ込む事が出来れば動きを止められるかも知れない。と思い、俺達は作戦を決行した。

「おい!みんな逃げるぞ!そして、昨日戦ったあの爆発イモリを探せ!見つけたらイモリを俺達の前に配置して、奴の突撃を誘う!」

「了解!」

かなり無茶な作戦だがやってみせるさ。そして、奴に追われながらも爆発イモリを発見する事が出来た俺達は逃げようとするイモリを爆発しない程度の威力で亜蓮がバックラーで巨大モンスターの方へと弾き飛ばした。そして、、、

(ドン!)

「キシキシキシ!」

奴は一瞬怯んだがそのまま美味しそうに爆発イモリを食した。だが俺達にとっては一瞬でも稼げれば十分だった。添島にこの状態で走らせると遅いので、

「はぁぁぁあ!射盾加速バックラーアクセラレート!」

亜蓮が走って助走をつけそのまま盾の裏の火薬を爆破させながら添島を奴の方へ投擲する。そして添島もそのまま奴の所へ飛んでいき、エネルギーを纏い言った。

「これで終わりだぁあ!」

(ブシャー)

「キシキシキシ!」

巨大なモンスターから水が噴出され奴は倒れた。

「終わったか、、、」

結局この後添島は重光に治療して貰い、再び十八階層を探索し、俺達が倒したあのデカイムカデの様でエビみたいな巨大なモンスターはこの階層では主的扱いだったらしく、他のモンスターは奴を倒した俺達の方から立ち去るように逃げていく。そのお陰で俺達は十八階層を突破する事に成功するのだった。そして、俺達は拠点に戻る。探索していると目の部分を鱗で覆われているカラフルな魚が結構勝手に俺達の所に入ってくるので大量に飯が出来た。味は淡水魚だけにやっばり生臭かった。そして俺達は次の階層、十九階層へと足を進めるべく準備を進めるのであった。そして並立で魔法の制御をずっとしていた重光は慣れて来たのだろう。今まで集中していて殆ど話さなかったのが少しずつ会話をしながらでも魔法の制御が出来るようになっていた。もしかしたら光を扱いながら攻撃魔法を撃ったりする日も近いかもしれない。そうなれば格段に迷宮攻略は楽になるだろう。そう思いながら俺は部屋を真っ暗にし、剣を振るった。勿論これは暗闇でも戦えるようにする為だ。

(パリィン!)

俺はその日部屋の鏡を割り一人で反省するのだった。


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