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学校内の迷宮(ダンジョン)  作者: 蕈 涅銘
1章 チュートリアル
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1話 開幕

ペーストとコピーを間違えて全消して発狂しました。


本文の表現の描写を後日少しずつ変えております。


文章力や文体に変化が出たり、改行のやり方が変わったりしておりますが、それは訂正が終わっていない話です。


ご迷惑をお掛けします。

「己を無力だとは思わんか?全てはオレの手の上で踊っていたに過ぎんのだ」


  ドスの効いた低い声が響く。そこには巨大な悪魔?のような生き物が立っており俺は周りを見渡す……そこにはヒトであったとも取れる屍の様な物が転がっており惨憺たる光景が広がっていた。その状況を全く理解出来ない俺は思わず吐き気を催しその場に突っ伏した。


「状況は理解したか? まぁ理解した所で意味は無いのだがな……さぁ! オレの糧となれ!」


  再びドスの効いた声が響きその声を発した悪魔の様な生き物が大きく腕を上げて拳を振るった。俺は目に涙を浮かべたまま手で自分の正面を覆った瞬間周囲の景色が歪み、俺の視界もそれと同時にシャットアウトする。


「! ? 」


  声にならない様な声をあげ俺は学校の机から伏せていた顔を上げる。額に付いたよれよれの服の袖の跡が赤く腫れ上がり、少し泣いていたのか目尻も少しヒリヒリと痛む。


「夢……か?」


  深くは思い出せないが、どうやらまた俺は夢を見ていた様だ。いつのまにか寝てしまっていた様だった。受けていた筈の授業は既に終わっており、休憩時間に突入していた。


  俺の名前は安元翔司やすもと しょうじ。この隠宮いんのみや高等学校一年生だ。


  まぁ、自分で言うのもあれだが俺はクラスのムードメーカー?である。だが時には他人からは問題児と呼ばれる事もあった。




  ーーある日突如として、この平和な学校にある日事件が起こった。


「あーあ、今日もやっと終わった」


  俺はいつも通り退屈な日々を過ごしていた。

  そして、特に特出して考える事も無かった為、いつも通りどうでも良い事を考えていた。俺は以前から気になっていた学校の二階廊下の端にある小さな扉を今日こそは開けようと考えていた。


「今日こそはあの扉を開ける。俺はそう決めた」


  俺はいつも本当に何も考えてないと言うより物事を深く考えずに行動する。 俗に言う物事をじっくりと考えるよりも先に口や身体が動くタイプで、基本的に行動が軽率だ。その自覚があるにも関わらず行動は常に定まらない。それが俺なのだ。


「面白そうだし、皆んなの前で披露するのも悪くは無い。それに、あの扉は錆びているし、もし、本当にあの扉を開けるって話になったならばあいつの力が必要だろう」


  それでも、自分一人での行動に自信を持てない時はすぐに人を巻き込む。何も考えずに動く割には周囲の賛同は得たい。それによって俺はいつも謎の安心感を覚え、自らの筋の通っていない行動を正当化する事も多い。寧ろ一人で出来る事など高が知れているのだ。それ程に俺は臆病者だった。





  ーー次の日の放課後


「みんなぁ~おはよー」


  俺はいつも通り間の抜けた声で挨拶をする。普段から昼、学校の授業の時に睡眠を取る俺にとって見ればこの時間帯は朝と同然だ。俺は寝起きでまだ完全に開いていない瞼を擦りながらとある場所へと向かう。


  そこには俺が事前に呼び出しておいたそれなりに仲の良い友達が四人立っていた。大体いつもこのメンバーで俺は学校でつるんで行動を共にする事が多い。


「あんたバカ?今放課後よ!」


  俺が瞼を擦りながら待ち合わせ場所に到達するや否や、明るい肩までかかった茶髪に気の強そうな目をした女の子が態々訂正しなくても良いだろうと俺的に思っている事に訂正を入れてきた。彼女にとっては朝と夜の挨拶が違っても気になるらしい。

  こいつは山西美加やまにし みか。俺の幼馴染だ。


  昔からいつもすぐに俺の話に首を突っ込んで来たりする。正直少し苦手だが、嫌いではない。ただ単に面倒くさいだけだ。


  割と俺と似てる所もあると思う。その為、彼女に関しては朝と夜の挨拶が違った程度で気になるタイプでは無い。ただ俺に突っかかりたいだけである。要は構ってちゃんタイプだと俺は認識している。


「ああ、ごめんごめん」


 だが、このまま放置していると後で殴られたりして面倒なので一応謝っておく。


「で、今日は何の用事で呼び出したんだ?」


  そのやり取りを確認して少し呆れた顔をしながらまた何か企んでるな?と疑う顔をして筋肉質で大きな肉体を持った男が尋ねてきた。髪型は短めのツーブロックで揃えており、顔の堀は深い。

  彼は添島康そえじま やすし 見た目と違って面倒見が良く、頭もキレて冷静だ。彼は俺の親友で暴走しがちな俺を止める役割をいつもこなしている苦労人でもある。


  俺の中でも自分が暴走している自覚はあるのだが、中々改善する事も出来なかった為、添島にはいつも呆れられている。


  そんなアンポンタンな俺はこのたった二つの会話の間に何を話そうとしていたのか忘れてしまった。

  別の事を考えていると物事を忘れる。良くある事だろう。いや、無いか。


「えーと何だっけ?」


  俺は考えた事はすぐに口に出るタイプの人間だ。と言うより考えて無い為、数秒毎にボロが出る。自分で呼び出しておいて申し訳ないとは思っているのだが、何しろ寝起きなのでまだ頭が冴えない。これくらい許して欲しい物だ。


「どうせ、しょうもない理由で呼び出したんだろう?」


  添島の横に立っていた長めの髪を若干横に流しており、細めの鋭い目が特徴のイケメンが眉を顰めて感情の篭っていない口調で話す……しょうもない?どうせ俺の事だ。多分物凄くしょうもない事で呼び出したのだと思う。


  彼は亜蓮精斗あれん せいと

  足も速く、細マッチョと言えば良いのだろうか?なのにモテない。


  その理由の大半は彼の性格にある。こいつはクールなイケメンを装っているつもりだろうが見た目だけだ。亜蓮はかなりのゲームマニアでもある為、影ではその辺りのトークで盛り上がる事もある。俺も彼程では無いにしろそちらの方面には精通しているつもりだ。


  とまた別の事を考えているとやっと自分がなにを話そうとしていたのか思い出してきた。


  しかし、呼び出した理由を思い出して俺は俺自身でも眉を顰めて苦笑いを浮かべる。確かにこれはしょうもないな。だが自分から呼び出しておいて言わないという選択肢は無いだろう。


「あ、思い出した!この扉を開けたら何があるのかなぁと思って……」


  俺は自分で気まずい状況を誤魔化そうとヘラヘラと笑いながら添島が寄りかかっている手摺の後ろを指差す。そこには人がしゃがんで通れるかどうかと言う小さめの錆びた金属製の扉があった。


  若干申し訳ないなと言う気持ちもあった為、少し控えめの口調で言ったのだが、それでもやはりこの女が首を突っ込んで来た。


「はぁ!?そんな理由で呼び出すとかバカなの?一人でやれば?」


  山西が少しイラついた様な口調で俺を指差して唾を飛ばすが、これはいつもの事だから俺も手をひらひらさせて山西を宥めようとする。だが、この落ち度は全て俺にあると言っても良い。


  彼女が怒るのも当然だ。幼馴染と言う事もあって若干俺に対する当たりは強い気がするが……。うん、多分俺も逆にそんな理由で呼び出されたら困る。と今更思ったが遅い。


「まぁ、一応開けてみるのもアリじゃ無いかな?」


  俺と山西の小学生の様なやり取りを見た亜蓮は頭を抱えて温和策を提唱する。やっぱり亜蓮さんイケメンだわ。

  ごめんな。さっき見た目だけイケメンとか思って……亜蓮さんナイスです!


「……」


  しかし、その亜蓮の言葉はただ俺と山西との関係を少し気まずくさせただけだった。うん、やっぱり残念イケメンだわ。

  多分亜蓮さんは俺と同じオーラ出してるわ。亜蓮の言葉に周りは反応しない。





  しばらく無言が続いた時添島が口を開いた。


「よし分かった」

「何が?」


  添島は両手を組んで指をポキポキと鳴らしながら目の前の扉の方へとスタスタと歩いて行く。


  だが、正直何が分かったのかは一切分からない為、俺は惚けた顔で惚ける。つい考えた事が口に出てしまった。気にしないでくれ。


「開けない事には何も分からないだろう?」


  何となく添島がやろうとしている事を理解して俺は考える。いやいや、添島さんや別に開ける必要はないですからね? ……って言い出しっぺの俺が言うのも何なんだが……。


「まぁ、確かに」


  亜蓮も扉を開けるって言う意見に肯定の意を示して頷く。いやいやいや、亜蓮さんも何でなんですか!?そこは確かにじゃないからね!?

  はぁ……こんな突拍子も無い事を言い出した俺が開けるしか無いのかな……。


  元々俺はこの扉を開けた際に何か面白い物が中から出てきそうな予感がしたから友達を呼んだのもあるし、これがもし開けてはいけない扉だった場合に、連帯責任で謝る仲間が増えると思ったからだった。


  この扉を開けるのが当初の目的である以上俺が開けないとダメだろうな。と思い、扉の錆がぎっしりと付着した取っ手を掴んで引っ張るが扉はビクともしない。


  開けようって思ったけれど当初の俺の予想通り扉が開かない。


「……」


「分かった。俺がやろう」


  俺が後ろを振り返り、添島の目を見て静かに頷くとその意味を理解したのか諦めた様子の添島がシャツの袖を捲りこちらに近づいて来た。だが、その表情の奥には僅かにワクワクした男のロマンに似た愉悦の感情を俺は感じ取った。やはり添島も少し乗り気だった事もあり、冷静を装っていても未知の存在へのワクワクには勝てない様だ。


 俺の添島は錆びた扉に両手をかけて身体の重心を斜めに保つ。そして、全身を使って無理矢理こじ開けようと力を込めた。添島の両腕の力こぶが隆起し、添島の顔が多少赤くなっている事からかなりの力を込めている事が分かる。


「やめた方が良いと思……」







  ガチャ!


 



  いつも俺達に巻き込まれる様にして共に行動している同じクラスの前髪をパッツンで揃えて腰程まである綺麗なストレートの黒髪を持ち、整った顔立ちをしている清楚系女子の重光夜月しげみつ やづきが困った表情で止めようとするが、その言葉が全て通る前にあのゴリラの筋力に扉が耐えられる筈も無く呆気なく扉は開いてしまった。だが、おお!流石ゴリラだわ!と俺が喜ぶ隙も無く扉が開いた瞬間扉からは激しく光が漏れる。


「っ!?」


その光に包まれた俺達は逃げる事も許されず強制的に小さな扉の中に身体を吸い込まれた。


  因みに蛇足だが、重光は見た目とは裏腹にキャンプとかが割と好きなようである。重光がいつも俺達に巻き込まれる様に行動しているのは俺達と一緒にいると毎日がキャンプの様で楽しいからだそうだ。

主人公の性格はかなり自己中心的な考え方です。

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