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地上に眠る蒼穹~Celeste blue~  作者: ZAKI
第2部 楽園編
192/202

第40章 死闘(5)

「ラフ! そろそろどうだ?」


 新しく相棒となった愛車を駆りながら、ルシファーはインカム越しに鋭く問うた。


「もうちょい待て! あと…少…し……、っと、オッケーだっ、取りつけ完了!」

「よし、ザイアッドとロンに連絡しろ。俺は取り逃した連中の掃討後、《Xanadu(ザナドゥー)》に向かう」

「はいよ、こっちは任せときな」

「ああ、頼んだ」


 言って通話を切ると、ルシファーはそのまま、すぐに別の回線に繋げた。


「シヴァか? 俺だ。そっちの様子はどうだ?」

「まもなく移送作業はすべて完了します。グレンフォードの親族のみ、ホテルの貴賓室にて現在もなお、拘禁中のようです」

「ご苦労。中央塔の爆破は、いましばらく待て。計画に変更が生じた」


 その計画の変更内容について詳細を説明した後、ルシファーは通話を切り、配下の少年たちを促した。

 ボスの象徴である青いバイクのあとに、《セレスト・ブルー》のメンバーたちがつづく。

 彼らは直後にルシファーの命令を受けて、港湾北第7ブロックのそれぞれの場所へと散っていった。




 一方、ルシファーとの通話を終えたシヴァは、それからほどなく、避難客の誘導にあたっていた《自由放任レッセフェール》のトップから作業終了の旨の最終報告を受けた。その数分後には、操作画面上でも移送作業が滞りなく完了したことが通知される。一連の確認を済ませたその口から、ほっと息が漏れた。


 これで、本当にすべてが終わる。


 安堵と、いまだ残る不安。奇妙な虚脱感がい交ぜになった複雑な思いを抱えたまま、彼は管制室をあとにしようときびすを返した。その際、隣室のメイン・コンピュータ・ルームにわずかに視線を向け、ひそかに死者をいたんでその場を離れようとした青年は、けれどもそこで、表情を凍りつかせた。

 愕然と瞠いたプルシャン・ブルーの瞳がとらえた信じがたい光景――それは、なおもしぶとく〈神〉への栄光にしがみつこうとする、カルロス・グレンフォードの浅ましい姿だった。

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