最初から建てなければいいのだよ( ^ω^ )
悪役転生ものを読んでいて楽しくなってやっちゃいました!!
ゴトゴトと揺れる馬車の中、金髪碧眼、ナイスバディでゴージャス美人のお母様が言ってきた。
「ほらミキリアちゃん、お城が見えて来たわよ。」
馬車の窓からデカすぎてちょっと解体した方が機能性アップすんじゃね?って城を見た瞬間私は全てを思い出した。
「ふぼおおおおおおお!!!???」
「ミキリアちゃん!?」
突如として奇声を上げた娘を前にしてお母様は驚愕の眼差しを向けた。
………すまんのママン
「ごめんなさいお母様……。ミキリアはお城があまりにもおっきくてビックリしてしまったのですわ。」
可憐なロリボイス+涙目でとりなすとお母様は「まぁ初めて来るんですものね」と言って安堵の表情を浮かべた。
チョロい。
………さて、そろそろ私がなぜ先ほどあのような奇声を上げたのかを説明したいと思う。
ふむ。どうやら私、このムダ・ニハイテクー王国で最大勢力をもつ公爵家、ジャネサイキョウ家の長女、ミキリア・ジャネサイキョウは前世で日本生まれの日本育ち、不得意科目は英語の生粋の日本人であったことをあの無駄に壮大な城を見て思い出したのだ。
そりゃ驚きますわー。
いきなりこんなロリになってたら驚きますわー、あははははー(棒)
しかも転生してしまったこの世界、どうやら『愛してるよ…君の全てを……』という18禁乙女ゲームの世界なのだ。
そして、一番最悪な事はここからだ。どうやら私はその18禁(←ここ重要)の乙女ゲーム内での悪役的な配役らしい。
ナンテコッタイ/(^O^)\
今は12歳だから四年後、私は貴族が主に通う全寮制の学園、王立魔法学校(魔法もあるの
Σ( ̄。 ̄ノ)ノ)に通う事になる。そこで身分の高い公爵令嬢、しかも国の第一王子と婚約しているミキリアは権力を振りかざして、平民上がりの特待生である主人公をイジメぬくのだ。
物隠し、ハブリ、暴行、果てはレイプ未遂(なぜか自分でしようとする)までする。
まさにThe・ 悪役!!(英語大丈夫かな?)
まぁ普通に王道パティーンで攻略者と主人公に反撃され家は没落、一家離散、今までこき使われてた男達の性奴隷にされて(←18禁要素)エンディング♡
いやだ。
回避しよう。
「ミキリアちゃん!あのお城でミキリアちゃんの将来のお婿さんがいるのよ!!楽しみねぇ〜」
ぎゃああああああああああああああああ
重々しい足取りで城の広間に行くと先に行っていたお父様が陛下とお話しなさっていた。
二人とも子持ちとは思えないくらい若々しくイケメンだ。
お父様が振り返った。
「ミキリアにゃぁぁぁぁぁん!!やっと来てくれたんだねぇぇぇ!!パパ寂しかったよおおおおおおおん!!!」
……残念なイケメンだ
お父様は私に抱きついて私のチョコレート色の髪を撫で回している。
陛下はとても気持ち悪そうにその光景を見て言った。
「やめなさいよジャネサイキョウ。気持ち悪いったらありゃしないわ!!」
ブルータスお前もか
てか陛下おネェなのかよ
「な!なぬぅ!!僕たんはミキリアにゃんとの再開を嬉しく思っているだけなんだよおおおおおおおおおおおおおお」
「その反応が気持ち悪いのよ!!てか話し方がおかしいわ!!」
お前が言うな
言い争いをする二人を見てお母様は、
「あらあら仲がよろしいわねぇ……」
おっとりか
「もう君良い加減うるさいよ!?早くミキリアにゃんと話させてよ!!!」
「その前にアタシの息子の紹介でしょうが!!それにアタシの方が身分上なのに何その口調!!!!」
「な!僕たんの家はこの国で………」
「お二人ともお黙りなさい!!!!!!」
突如としてキモ男とおネェの戦いに終止符を打つ凜とした声が響き渡った。
「いつまで騒いでいるのです!ミキリアちゃんも困っているではないですか!!」
月の光のように輝く銀色の髪、赤く色づく魅惑の唇、そして最大の魅力は全てを射抜くような輝くばかりのアメジストの瞳。
ムダ・ニハイテクー王国建国以来の聡明さと美しさを持つ王妃、サリナルバ・ディ・ニハイテクーだ。
そして私の父方の伯母でもある。
「でもお姉様ー!!」
「でももありません!!」
「でもサリー!!」
「へ・い・か・も・で・す!!!」
そうして王妃様は二人を黙らせた。
かっけぇ………
私が目をキラキラ輝かせて王妃様を見ていると王妃様は私の方を見て言った。
「ごめんなさいねミキリアちゃん。すぐに王子を呼んでくるわ。」
「いいえ王妃様。私は全く気にしておりませんわ。」
私がそう答えると王妃様は微笑んで王子を呼んだ。
宰相に連れて来られた王子は陛下の金糸のような髪と王妃様のアメジストの瞳を継いだ美少年だった。
こりゃゲームのミキリアも惚れるよなぁ
………ん?
感心して王子を見ていたが王子の隣にいるもう一人が気になった。
真っ白な新雪みたいな髪に黒檀のような黒い黒い目、王子に匹敵するぐらいの美少年だ。
ゾクッ
一瞬そのブラックホールみたい瞳でこっちを獲物を狩るような目で見つめられた気がした
気持ち悪い
それがそいつに抱いた最初の感想だった。
「ミキリアちゃん?」
王妃様に心配そうに見つめられてハッとした。
「あっ、す、すみません!殿下があまりにも素敵で見惚れてしまいましたわっ!!」
「あらあら…良かったわねぇ王子」
私が慌てて言った答えに王子は澄まし顔だったが白い奴は目を細めた。
ヒィィィ
「うふふっそれじゃあ邪魔な大人は退散して、子供達だけにしましょっか。」
そう言って王妃様は大人二人を引きずって行った。
マジパワフル
ママンはニコニコしながら去っていった。
大人達がいなくなると王子と私、白い奴が残った。
だから誰だよこいつ
私が不審な目を向けると白い奴は苦笑いをして答えた。
「そんな目で見ないでよ。僕は怪しい奴じゃないよ。さっきいた宰相の息子で王子の遊び相手、名前はヒュービース。みんなからはヒューって呼ばれてる。君も僕をヒューって………」
「それは失礼しましたヒュービース様、こちらもよろしくお願いします。」
「………………」
喋らせないぞ
「ふん、勝気な女だな。さすがは母上の姪と言うべきか」
その光景を見ていた王子が口を開いた。
俺様かお前さんは
「だがあまり調子に乗るなよ、お前の家は少し力も強いしお前の顔もまあまあ整ってはいるが所詮この俺には勝てはしないんだ。まぁせいぜい俺の顔を潰さないように頑張るんだな、婚約者殿?」
そう嫌味を言って俺様王子は笑った。
ダレガコンナヤツヲスキニナルンダイ
回避
「うふふ。顔だけが良い人に何を言われても痛くも痒くもありませんわね。それではごきげんよう、"元"婚約者様?」
そう言って私は自分の顔を引っ叩いた。
「「なっ!!??」」
王子と白い奴は目を見開いた。
私は間髪入れずに両手で目を隠す、そして、
「ふええええええええええええええん」
大泣きした。
「ミィギィリィアァにゃんにぃ何をシダァァァァァァ殺すぞおおおおおおおお」
遠くで化け物の慟哭が響いた。
結果だけ言うと私は王子の婚約者にならなずにすんだ。
反省も後悔もしていない。
以上。
……なぜか最近宰相の息子から婚約を申し込まれているが今の所断っている。
ん?今窓に何か……
なんだ……気のせいか………
???「あの子も転生者なのかなぁ?増量バージョンはやってないみたいだけど…それにしても面白い子だったなぁ。」
???「逃がさないよ?悪役令嬢ミキリアちゃん
ミキリア!!後ろ後ろ!!
ここまでお読みいただきありがとうございます!!
私は文才の無さに泣きそうです。
ああああああああああああああああ