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十二月

「寒いね」

「そうだね」


 冬になってしまった。センター試験まで時間がない。第一志望は変更した。最近の模試の結果では合格できるか微妙なC判定だけど。センターの成績で受けるところを考えよう。とりあえずは、当初より少し偏差値の高いところを目標に。


「積もるかな」

「積もったら雪かきもしなきゃなー」


 今年はまだだけど、このへんは毎年、雪かきが必要なくらいには積もる。草がなくなったと思ったらこれですよ。週一で大丈夫だろうか。お参りする人には今のところ会ったことないけど、管理している人はいるだろうし、俺がやらなくても大丈夫なのかな。


「そしたら毎日来てくれる?」

「うーん、毎日は厳しいかな。勉強もあるし」

「そう」


 感情の読めない顔だけど、たぶん残念がってるんだろうな。ひめちゃんは少し笑うくらいで、基本的にあまり感情を出さない。気持ちを読み取れるようになるには訓練が必要だ。俺でも読めないときが多々。もう少し子供らしさがあってもいいのにな。……子供らしかったら、俺は神社にはよりついてないや。


「日曜は絶対来るから。積もったら雪だるまでも作ろう」

「うん、約束」


 なんとなくここにきて、なんとなく話して。そんな感じの関係だったから、約束したのは初めてかも。これは破れないなぁ。センターが終わったあたりなら、多少余裕もできるかな。二次のためにもっと忙しくなるのかな。どちらにせよ、来月は雪だるま作りをする時間を取ろう。楽しみがひとつ増えた。


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