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十月


「母さん」

「なにかしら」


 秋と言えば、食欲の季節。神社には木がある。落ち葉がたくさんある。

 ということで、やることはひとつしかないでしょ。


「うちの庭で焼き芋したいんだけど。神社の落ち葉拾ってきてさ。あと、女の子も一人いて」


 神社だと、万が一火事になったら大変なことになるから、うちで。落ち葉の掃除にもなるし、一石二鳥じゃん。頭いい。


「別にいいけど……。女の子って、この辺にあんたくらいの子いたかしら」

「俺ぐらいじゃなくて、小学生くらいの小さい女の子」

「どこの子? 名前は?」


 ここで女の子に名前も教えてもらっていないことに気付いた。あれだけ一緒にいたのに。あの子は口数が少ないから、会話の中で必要にならなかったからかもしれない。


「えーっと」

「名前も知らないのにうちにつれてくる気だったの? あんた、いつか変質者として通報されるわよ」


 母さんはそう言いつつも了承してくれた。あとは女の子に話すだけだな。

 浮かれながら神社へと行く。しかし、珍しく女の子は見当たらなかった。

 次の週も、その次の週も。結局、十月は女の子に会えなかった。

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