夏夢―NATUMATURI―
「夏夢」と書いて「夏祭り」と読みます。
読んでください…。
最後の方にエロい?表現が出てきます。
ほんの少しだけ…。
気にしない方はどうぞ!!
ある日の夏のデート…。
私の頭の中から、この想い出がこびり付いて離れない…。
この話は、そんな私の想い出話である。
「待ってよ…」
私は慣れない下駄を履いていたため、動きづらくてしょうがなかった。
それは夏祭りでの出来事である。
「確かにお前の浴衣姿は可愛いけど、歩きにくいならやめておけばよかったのに…」
これは彼氏の捧亮太。
私のことを気遣って言ってくれたのだろうが、その言葉は私の気持ちを逆撫でしただけだった。
「何言ってるのよ!!」「あんたが言ったんじゃない!!」
「お前の浴衣姿見てみたいなぁ~って!」「だから私は一生懸命着てるんじゃない!」
「ふざけてるの?」「せっかく買ったて言うのに…」
私はレンタルというのが好きではない故、この日のために次にいつ着るか、それとも二度と着ないかもしれない浴衣を買った。
彼氏の願いの一言ぐらいかなえてあげたかったから…。
そんな感じで始まった私の夏祭り…。
金魚すくい、焼きそば、たこ焼き、綿あめ、などなど…。
私は遊んで食べた。
楽しかった。本当に…。
もともと彼は高卒で就職している。
けれど私は今大学生であり、日程が合わないから、月に一度くらいしか会うことができない。
けれど私たちは別れずに付き合っていた。
もう高1からの付き合いを切ることができなかったからである。
腐れ縁とでもいうのだろうか?
私たちはマンションの隣同士に住んでいて、学年も同じでよく遊んでいた。
いわゆる幼馴染というやつだ…。
だから余計に切ることはできなかった。
亮太が高1の時にした、「じゃんけんで負けたら告白しようぜ」っというゲームで付き合うことになった私たち。
亮太は私のことが昔から好きだったらしい。
そして私に告白し、私も亮太のことが好きだったからOKした。
そこから始まった私たちの恋愛ゲーム。
いつしか昼に待ち合わせしたはずが8時50分だった。
久々に時間を忘れて遊んだ。
昔はよく、日が暮れるまで時間を気にすることなく遊んでいた。
しかし、いつの日かお互いの友達との生活になってしまっていた。
なぜだろうか?そんな離れ離れの生活をするようになったのは…。
だが、そんな時の狭間を感じないように、どこからかするすると告白というものが訪れた。
それには本当に感謝している。
しかしながら、私たちもたまにはケンカする。
けれど固い絆に結ばれているおかげで、別れることなく今に至っている。
そんなことを考えていた時である。
《ヒューン バァン!!》 っと大きな音が私たちの頭上で弾けた。
「あっ、花火だ…」
私は思わず口にした。
だってこれを見に来たのだから…。
この祭りは“花火”が盛大なことで有名である。
それを見に私たちははるばる20km車を転がしやってきた。
実に見事だった。
よもや芸術と呼べるものだった。
それが私の目に焼き付いた。
花火…。これは最高の想い出である。
しかし、そんな想い出にも続きがあった。
「こっちに来いよ!」
亮太が私の腕を掴んで、木の生い茂るところに連れ込む。
「え?なによ!!」
私はなされるままに茂みに入っていった。
するとである。
「なぁ…」
「暑くないか?」
っと私の懐に手を忍び寄せてきた。
「何するのよ!」
私は小さな声で言った。
しかし、亮太は手を止めなかった。
私の浴衣の帯を少し緩め始めたのである。
『これはまずい!!』
私はそう思った。
けれど悪い気もしなかった。
好きな人に迫られれば、誰も悪い気などしないものだ。
私はそう思い、亮太とした。
実に暑かった。
夏の気温も、亮太の躰も…。
けれど、嬉しかった。
私はそう感じた…。
「もう外ではやめてよね?」
祭りの帰り道、私はそう言った。
少し泥だらけの私の浴衣…。
誰が見たって疑問を抱くだろう…。
しかし、それでも私たちはしたのだ。
暑く虫が鳴く季節。
胸の高鳴りをお互いに聞きあった。
「あぁ、外ではな!」
っと亮太は言った。
私の気持ちを知っているのかは知らないが、とにかくそう言った。
それから半年後、、、
亮太が私に告白した。
「結婚しよう!」っと…。
嬉しかった。
別に大きなダイヤを差し出されたわけではないが、私は幸せに満ちていた。
終わり方がビミョーですね(笑)
まぁそんなもんです。
エロくはなかったでしょう?
期待した方すみませんでした。