表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
80/106

特別編 『走れ、風とともに ― いっちゃんリレーマラソンの朝』


■Scene1:6月の始まり、家族の朝


テルメ金沢の女将・白石美琴が目を覚ますと、窓の外には晴れ渡る青空。

今日は「いっちゃんリレーマラソン」当日。朝から気持ちが引き締まる。


「悠真さん、起きて。今日は早く行かないと」

「ん……もう少しだけ、美琴の隣にいたい……」

「ほら、○○も起きたよ。ほらっ、起きて〜!」


家族3人で笑いながら朝食をとり、富山・太閤山ランドへと向かう。



■Scene2:太閤山ランド、にぎわいのスタート


富山県「県民公園 太閤山ランド」は大勢の参加者でにぎわっていた。

企業チーム、学生、家族、町内会――それぞれの想いを胸に走る人々。


「テルメ金沢チーム」として参加する美琴たち。

沿道には菜摘、美羽、そして宿の仲間たちが応援に駆けつける。


「女将さん!」「○○ちゃん、頑張ってね!」

その声に背中を押され、美琴の胸に温かいものが込み上げてくる。



■Scene3:走る風と声援と


第一走者は悠真。軽快なフォームに、沿道から拍手。

第二走者は○○。小さな体で懸命に走る姿に、笑顔があふれる。


第三走者の美琴は、タスキを受け取ると「いってきます」と笑顔で走り出す。

この一歩一歩が、家族の絆、仲間との想い出、未来へと繋がっていく。


「がんばれー!女将さーん!」

「美琴さん、かっこいいぞー!」悠真の声が背中を押す。



■Scene4:ゴールの先に、家族の笑顔


ゴールの先には、手を広げて待つ○○の姿。

「ママ、おつかれさま〜!!」と笑顔で抱きついてくる子ども。


悠真も隣に立ち、

「……やっぱり、こういう日が、一番幸せだな」と微笑む。

美琴は頷き、そっと彼の手を握る。


「また来年も、一緒に走ろうね」



■Scene5:その夜、ふたりの静かな時間


夜、テルメ金沢の寝室。

ふたりは寄り添い、静かにその日を振り返っていた。


「今日も、いい一日だったね」


悠真が静かに、美琴の肩を引き寄せる。

そして深く、熱く、長いキス――


「愛してるよ、美琴」

「……んっ……わたしも、悠真さん……」


ふたりはそっと見つめ合い、

幸せな静寂の中へと身を委ねていった。



■そして翌朝――再び日常へ


翌朝、美琴はニュースを見て思わず手を止めた。


『金沢市内で発生した中学生野球部内暴行事件――

 加害生徒および関係者に対する誹謗中傷がエスカレート。

 監督だった男性が自殺した模様です。』


美琴はそっと画面を見つめた。

また、胸に静かなざわめきが戻ってくる――




第7話の前のお話です。

暗い話になりますが… 宜しくお願いします。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ