僕たちの出会い~ジョニー~
「ジョニーありがとうな」
仲間たちが並んで俺に話しかけてきた。
「みんな良かった・・・
無事だったんだな…
また会えた・・・」
仲間たちはそれぞれに首を横に振ってみせた。
「お別れだジョニー。ここに来る前からの付き合いだがな。
・・・今度こそここでお別れだ。」
「腹大事にしろよ笑すぐお腹下すんだから笑」
「つまみ食いとか拾い食いも気をつけろよ」
「あと人からもらったものもな笑」
仲間たちが笑いながら俺に話しかける。
「しかし不思議な人生だったよなー」
「最初は敵同士なのに、いつの間にか仲間になってさ、
お互いボスの元で働いて、爆発に巻き込まれて、
ので気付いたらこんなどこかも知らないところにいて、
ゴブリン狩って、動物狩って・・・
あっという間だったなー」
「そうそう。そういやー昔お前銃を突き付けてきたの覚えてるか?」
「そういうお前もぶっぱなしてきただろうが笑」
仲間たちがいつも通りわいわいしている。
「でも・・・
ここからは違う・・・。」
「そうだな・・・。」
みんなが俺を見てピシッと背筋を伸ばした。
「敬礼っ!
我々愛国者4名は、現時刻をもって殉職す!
我々は、ともに争い、ともに戦い、ともに生きた。
この魂を誇りに、それぞれの祖国へと還る。
貴殿にはこの地への駐留を命ず。」
「ジョニーお前はまだもう少しここで頑張んな」
「達者でな」
「これが俺らの帰還報告【デブリーフィング】だぜ】
私も敬礼した。
正直訳が分からなかった。
だって仲間たちのもとには救援がかけつけているからだ。
しかし敬礼を返さないわけにはいかない。
仲間たちが一人・・・
また一人と俺を抱きしめては光になっていった。
ジョナサン・・・
アキバ・・・
「俺のポケットのチョコバーは食べてもいいからよ」
ランディはいつもの調子で去っていった。
「まったくお前はいつもそうだよな。
5カウントで飯はたいらげ、歯磨きしないのに虫歯は一本もない…」
泣きながら俺は笑っていた。
悲しむところなのにランディが笑わせるから…
「お前は人を見る目がある。
だから自分の眼を信じろ。
きっと仲間探しには苦労しないさ」
リーダーのエドが俺の胸に拳を立てた。
「ありがとう。前世でも今世でも…本当にありがとう」
前の世界でもサブリーダーとして彼は一緒に戦ってくれた。
「あばよ。戦友」
言葉とともに光になった。
目を開けると知らない天井だった。
周りには知らないやつらがいた。
30くらいの男に20には達していないだろう若者が3人。
内二人は色白と色黒の女。
もう一人はやけに痩せこけた白人だ。
すやすやと俺を枕にしてやがる。
近くに替えの包帯やら水を張った桶が見えた。
(もしかしたらこいつらが助けてくれたのか…)
「良かった。気づいたんだね。具合はー…
最悪だろうけどどうかな?痛すぎるところとかない?」
唯一俺を枕にしてなかった30くらいの男がこちらを見ていた。
優しい顔をする奴だな。
第一印象はそんな感じだった。
黒髪に肌の色、話し方、ニッポン人だ。
そして日本人らしく多分いいやつだ。
とびきりのお人よし。
オ・モ・テ・ナ・シ~
戦場ではすぐに死んでしまうタイプだな。
「もう少し寝ておきなよ。それとも何か食べる?
キッチン借りてなんか作ってこようか?あっ僕はダイスケね」
「ジョニーだ。そうだな。なんかもらおうかな。」
「おっけい。ちょっと待ってて。」
彼は部屋を後にした。
見るからにさっきこっちの世界にきたばかりの初心者たち。
でも不思議と懐かしいようなそんな感じがした。
みんな・・・先ほど見たのは夢だ。
けれどただの夢じゃない。
みんなが最後に俺の枕元に立ってくれていったのかもしれない。
冷たい水が耳にあたっている。
いや、髪と枕も濡れている。
俺は寝ている時から泣いていたのか。
「あいつ見なかったことにしてくれたのか。」
泣いていたのにはきっと気付いていたであろう。
けれどそれには触れないで普通に話してくれていた。
俺にとってはありがたいことだった。
なにせまだ実感してない
仲間とのお別れに俺はただ涙を流すだけだった。