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第76話 セカンドクリスタル

 ミノタウロスが飛んで来た矢を右手で受けて、目への直撃を避ける。


 俺はその隙を見逃さず、戦斧を握っている左腕を斬り落とす。


 ウボオオオオオオ!


 ミノタウロスの叫び。

 残った右手で殴りかかってくる前に


 俺はニヒムの切っ先をミノタウロスの首に突き刺して


 ミノタウロスを絶命させて消滅させた。


「吉常サン! 素晴らしいな!」


 すると、援護してくれたサクラが笑顔で俺を労ってくれる。


 ありがとう。

 非常に助かってる。


 俺が戦いやすいように、絶妙なタイミングで援護魔法を入れたり、今みたいに矢を射て前衛の攻撃が決まりやすいようにしてくれるんだ。


 しかし……


 思う。


 サクラ、出会ったときは上下ともにジャージ姿だったんだけど、

 こうして俺たちの4人目のメンバーとして加わった後。


 ……上、タンクトップなんだよな。

 黒いやつ。


 正直ちょっと、目のやり場に困るところがある。


 榎本さんも言ってたけど、彼女は身体を鍛えている女性だから、ラインが綺麗だし。

 ……決してまぁその、貧弱でも無いんだよな……


 なんでそんな恰好なんだ……?


「吉常くん」


 そこに


 霧生が声を掛けて来た。


「……もうすぐセカンドクリスタルだよ。気を引き締めようね」


 何か知らんけど。

 妙に声に棘がある気がした。


 あくまで気がしただけだ。


 心当たりは全く無いから、多分俺の気のせいだとは思うんだけど。




 廃ビルの立ち並ぶ中に。

 場にそぐわない建造物……ピラミッドがあって。


 そのてっぺんに、青いクリスタルが浮かんでいた。


「廃墟の中にピラミッド……」


 そんな俺の呟きに


「愛の墓って感じだよね」


 霧生が真顔でそう返して来た。

 何だよ愛の墓って。


 まあいいや。


 俺はサクラを振り返り


「ありがとう。サクラさんがいてくれたから、デオードなしでここまで来れた」


 お礼。

 本当に、その通りだから。


 サクラは


「吉常サンが強いカラ、上手く行ったダケだヨ」


 そんな返しを俺に。

 正直、こそばゆい。


「吉常くん、夏海ちゃん、サブクラスを取って来て」


 榎本さんが促す。

 榎本さん曰く、別にクリスタル周辺に罠なんてないそうで。


 モタつく理由は無いんだよ。


 俺は頷き


「霧生、行こう」


 傍に居る彼女に呼び掛ける。

 彼女は


「……うん。そうだね!」


 笑顔でそう応じてくれた。




 ピラミッドのてっぺんに真っ直ぐ続いている石の階段を2人で登る。

 高さとしては3階建ての学校校舎くらいの高さに思える。


 俺は別に階段平気だけどさ


 霧生はどうだろう……?


 彼女に視線を向けると、別にバテてはいない。

 まあ、3階くらいならバテる人はそんなにいないよな……

 心配し過ぎかも


 そして登り続け


 ついに俺たちはとうとう……


 サブクラスを与えてくれるという青く輝く結晶体……セカンドクリスタルの前に立ったんだ。

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