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第27話 3人目なのか?

「ねね、吉常くん、ギルガメッシュの求人掲示板見た?」


 そして2日後、学校で昼休みに教室の自分の席に居たら。

 霧生が駆け寄って来て。

 興奮気味に話し掛けて来た。


 それで言ったんだ。

 俺たちの求人カキコに返事があったと。

 驚きだった。

 こんなに早く動きがあるなんて予想して無くて。


「えっ、マジで来たわけ?」


 霧生は頷く。

 そしてスマホを差し出して来た。


 そこには……


『はじめまして。クラスは僧侶をしている者です。僕の能力はきっとお役に立てると思います。複雑な宝箱の処理もできますので』


 おお……




 俺たちに応募してきたのはウラキって男性だった。

 個別メッセージでのやり取りで名乗り合って分かったんだけど、その個人情報は……


 年齢は34才。性別は男。クラスは僧侶のランク2。

 迷宮歴は5年だそうだ。


 ……一応、ウラキで検索を掛けた。


 すると迷宮探索者としての評価は5段階評価で★3。

 ついてるコメントは「不愛想」「仕事は悪くない」「気持ち悪い」


 気持ち悪いって……

 悪口じゃん。


 ……この人、そういうことで不当な蔑みを受けて来た人なんだろうか?

 気の毒だな……。


 俺は思わずそこで同情してしまった。


 そして仕事は悪くない。

 俺はそこに着目したんだ。


 それにクラスが僧侶ってところも目を引いた。


 僧侶って裏方の能力だからさ、取りたがる人間は少なめなんだよな。

 人間、強い方に惹かれるもんだし。


 まぁ、例外的に僧侶は魔法が実生活でも役に立つクラスではあるんだけどさ。

 ちょっとした怪我を治せるから。

 病院代が浮くわけだ。


 ……ちなみに、持ってると病院への就職が約束されるとか、そう言うのは無い。

 本職の看護師さんが業務の一環で取得して、持ってるのザラなんで。

 外の奴らなんてお呼びじゃ無いんだよ。


 ……そんなクラスを敢えて取ってる人だから、なんとなく俺は

 このウラキって人に好感を持った。


「僧侶か……私たちに足りないものを全部持ってる人だよね。私はそう思うんだけど……」


 霧生も惹かれてるらしい。

 彼女の場合は、パーティーメンバーのバランスの問題だと思うけど。


 彼女の言う通り、この人が仲間になれば安定する。

 戦士の俺。

 魔術師の霧生。

 そして宝箱が開けられて、僧侶を持ってるこの人。


 ……完璧じゃん。

 迷宮に潜る上で、最低限欲しい技能が全部揃う。

 理想的だ。


 ……そう思うと、何だか俺はこの人が運命で結ばれている仲間なんじゃないのかと思えて来た。

 だから霧生のこんな言葉に、俺は戸惑ったりしなかった。


「吉常くん、この人と1度会ってみようよ!」


 そう言った霧生の目はキラキラしていた。

 迷宮を潜っていくのに理想的な環境になるかもって期待、彼女もしてるんだな……。

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