あとがき
終わりました。
現代ダンジョンものが読まれると思い、読まれる内容を意識して書いた物語ですが。
私史上で、最も読まれた作品になりました。(2025年10月19日現在)
応援して下さった方、感謝です。
書くにあたって参考にしたのは、コミカライズされている現代ダンジョンものですね。
その物語の「この設定無茶だろ」「要らなくね?」というものを徹底排除し、色々補足して設定を組んで、この物語を書き始めました。
普通の現代ダンジョンものには最初から夢があるそうですが、本作にはそんなものはありません。
理由は、そんな設定で破綻しない物語を書く自信が私に無いからです。
なので、本来の現代ダンジョンものの読者に向けた作品にはなってないかもしれません。
話の主軸に托卵を持って来たのは、物語のラストシーンであの展開をするためですね。
本当の信頼とは何か? の答えを示す展開。
根拠なしで信じることが結論として先にある。
それが本当の信頼。
だからこそ、裏切りという罪は重いんですよ。
やっちゃならんのです。
だって、本当に信頼されていたら疑われないんだもの。
キリストの言葉らしいんですが「裏切る人は生まれるべきではない人だ」ってのも頷ける話です。
やってはいけないことはこの世にあるんですよ。
そう思います。
以下、キャラ評。
主人公:吉常天麻(後に頼朋天麻)
汚嫁である毒親のせいで、搾取されつつ女性不信にもなっている少年。
ただし、自分が虐げられているせいで、他人から奪う、騙すという行為を嫌う。
同じ存在にはなりたくないと思っている。
そこからまぁ、色々決めました。
彼が迷宮探索者を目指した真の理由は「同情されるのが我慢ならないから」
ここ、序盤を読んだ書籍化作家さんに「何で主人公の道が迷宮探索者しか無いのか分からない」と指摘されたんですが
真の理由の説明を入れるとテンポ悪くなるのと、主人公の印象が悪くなるので敢えて捨てましたわ。
夢追い人の方が、世間的に学歴無くても就職できる仕事をしているより同情されない、なんて。
あまり印象良くないですし。
馬鹿にしているように聞こえますからね。
ヒロイン:霧生夏海(後に頼朋夏海)
理系肌の女の子。
低身長巨乳おさげ眼鏡っ子にしたのは趣味です。
彼女の「迷宮最下層がどんなものか知りたい」って望みは、理系の人だったら別にフツーの望みですわ。
やらないのは度胸と能力が無いからです。
逆に、これが理解できない人は科学者向いてないと思います。
彼女は主人公をハッピーエンドに導くためのヒロインなので、コミュ能力が高くて、色々な察し力がある設定にしました。
サブヒロイン:榎本恋
主人公に大人の世界の常識を教える役割。
企画の当初から、恋愛要素入れる予定無かったです。
作中、彼女は言いませんでしたが。
迷宮探索者になる前の彼女の仕事は「空き巣」です。
わざとレベルの高い鍵をつけている家ばかりを狙い、怪盗を気取って空き巣を繰り返していたのですけど。
あるとき、自分が盗んだものの中に被害者の大切な思い出の品が含まれていたことを知り、自分の卑しさを知って自首。
出所後に迷宮探索者になったという経緯があります。
で、父親の罪は強盗殺人です。(これも機会が無いので言ってない)
負けヒロイン:サクラ
物語の結末に誘導するための導火線の役割。
あと、ヒロインである夏海に危機感を持たせ、行動させるための理由。
名前の由来は「外国人向けの日本語テキストに出て来る女性の名前で検索かけて出て来た名前」から。
本来はもう少し主人公と絡ませて、女を感じるような展開を入れたかったんですが。
いかんせん迷宮内ぐらし。チャンスが無かったですわ。
ヘイト役1:吉常五美
牝豚。
汚嫁。
作者的にも大嫌い。
終盤で行き倒れて、苦しみ抜いて死亡したという連絡を入れてやろうかとだいぶ本気で考えました。
名前の由来は「ゴミ」から。
ヘイト役2:四戸天将
主人公の実父。
最初は顔を知ってる設定にしようと思ってたんですが。
(主人公の養父の方に慰謝料を払っている設定で)
プロットを書いているうちに
コイツの性格で、慰謝料を払う事態になるようなこと、あり得なくない?
そう思い、あの形に落ち着きました。
役回りとしては主人公が力を求める理由付けですね。
連載中、こいつへのヘイトが高まり過ぎて、作者的にかなり動揺しました。
まさか牝豚より嫌われると思って無かったです。
その他:中島布津夫
主人公と実父との果し合いを実現させるためと、物語の設定「エンマ」という組織を表に出すために作ったキャラ。
命名の由来は、彼の職業が悪魔使いなので
悪魔使いと言えば中島。
そしてフツオである。
そこから命名。(メガテニストにしか分からぬ理由)
最後に。
ここまで読んで下さって感謝です。
次回作はこの最終回投下後に同時に連載開始します。
次はカクヨムで以前に連載したSF冒険ものを加筆修正した作品。
ご興味がございましたら、是非。




