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えっ、吉常くん大学行かないの?~托卵で生まれた俺、大学に行かずに迷宮探索者で立身出世を目指す~  作者: XX
最終章:迷宮の意味と俺たちの掴んだもの

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第187話 高校卒業したら家を出て行け!

『お母さんとのバトルはさっき終わったよ』


 形式上、明け方まで彼女を連れ回した状態になったので。

 一応、彼氏の責務として。


 夏海の家までは俺は彼女を送った。


 そしてマンションエントランス前でお別れし、そこから俺は自分の自宅マンションに帰り。


 家のことを色々しつつ、彼女からの連絡を待っていたんだけど。


 家に帰り着いて1時間くらい経った後、彼女から連絡が来た。


 ……彼女の母親に一緒に謝ろうかと言ったんだけど、断られたから。

 心配していたんだよな。


 夏海曰く、だいぶ怒られたが、宝箱の罠に引っ掛かったせいでしょうがなかったんだという作り話で乗り切ったらしい。


 宝箱の罠に『影の迷宮』ってのがあるらしいから、あり得ない話では無いし。


 影の迷宮って罠は……


 罠に巻き込まれると、迷路のようになってる異次元の建造物に転送されて閉じ込められてしまうというもので。

 そこから脱出できないとずっとそのまま。

 外からの救助も不可能で、野垂れ死にの運命を辿るという恐ろしい罠。


 ……まあ、実際にそんな罠に掛かったって人は俺は見たことも聞いたことも無いんだけどな。

 だからまあ、誰かの作り話がさも真実のように噂になってるだけかもしれない。


「いやご苦労さんだったな。ホントに」


 俺はスピーカーモードにしたスマホに向かって、彼女に労いの言葉を掛ける。


 向こうの夏海は俺の言葉に苦笑したのか軽く笑い。

 続けて


『……生きた心地がしなかったと涙目で言われたから、さすがに悪いと思ったけど。ホントのことは言えないし』


 少しだけ罪悪感の籠った声でそう言った。

 まぁ、そこは俺も悪いと思ってる。


 だけど俺たちだって本意じゃないし。

 色々仕方なかった。

 避けられなかった。


 それに本当の意味では、俺たちは何も悪いことはしていない。

 夏海の母親が間違っているって意味じゃもちろんないけどな。


 構造上心配するのは分かるし。


『でさ』


 夏海はそこで言葉を切り


『……最後にこんなことを言われたんだよね』


 夏海曰く。


 夏海の母親は、娘が突如連絡なしで朝帰りしてきて。

 その理由として「宝箱の罠に巻き込まれてしまった」

 だからしょうがなかったんだ。

 避けられなかったんだ。

 その一点張りを譲らないので。


 最後は床に大の字になって寝そべり


「もういい! どうせアンタはもうすでに普通の人の生涯賃金分のお金を稼いでいるんだし、高校卒業したら今の彼氏くんと結婚でも何でもしてこの家を出ていけ!」


「そんで自分の産んだ子に、自分同様に勝手な振る舞いしてもらって心配させて貰え!」


 ……そう、言い捨てられたそう。


 それはこっちもリアクションに困るなぁ……


 ……まあ、それだけ心配されてて

 大事に思われてたってことだろ。


 ただ……

 申し訳ないとは思った。俺も。

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