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えっ、吉常くん大学行かないの?~托卵で生まれた俺、大学に行かずに迷宮探索者で立身出世を目指す~  作者: XX
第12章:最下層に待つもの

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第181話 最下層は

「やったあああああああああ!」


 勝利を確信し。

 俺は腕を振り上げた。


 俺たちは黄金の騎士を倒した!

 これまで誰も勝てなかった究極の番人に!


「天麻くん!」


 そこに夏海が駆け寄って来る。

 俺は思わず彼女を抱き締めて


「夏海ありがとう! 言った通りにしてくれて!」


 俺と同時に黄金の騎士に倒すパートナー。

 それを見事に務めてくれた、とても大切な女の子。


 俺は彼女に労いの言葉を言った。

 言わずにはいられなかったから。


 俺の言葉を聞いて


「私だけじゃ無理だったよ! 恋さんとサクラさんが全面協力してくれたから出来たんだよ!」


 彼女は興奮した顔で、そう返してくる。

 俺はそんな夏海の言葉を受けて


「榎本さん! サクラさん! ありがとうございます!」


 馬鹿みたいに大きな声で、礼を口にした。


 2人も興奮していた。

 

 俺たち同様に、前人未到の領域に足を踏み入れた実感があるんだろう。


「ヤリマシタ!」


「すごいわ吉常くん! そして夏海ちゃん! サクラさんも!」


 興奮し、全てを忘れた。

 この瞬間、誰も出来なかったことを皆で成し遂げた興奮で、熱狂していた。


 そのとき


『最下層に来ますか? 来る気があるならすぐにお招きします』


 脳内で、そんな言葉が浮かび上がる。


 えっ、と思った。


 見回す。


 皆、驚きの表情をしていて。

 そこで悟った。


 皆、囁かれたのか。

 何者かに。


 いや……


 迷宮の意志に。


 


 俺は


 最初に俺の腕の中から、シュンと突然夏海の姿が消えたのを見て


 行きたいです。最下層。


 すぐに心で返答をした。

 迷う理由が無い。


 それと同時に。


 眩暈が俺を襲った。




 眩暈が消えた後。

 俺は庭園にいた。


 まるでどこかの貴族の庭のような庭園だ。


 立派な木々が周囲を囲み。


 地面には色とりどりの品種の良く分からない花が咲き乱れていて。


 とても綺麗な池には、鮮やかな色をした、鯉では無い正体不明の大きな魚がたくさん泳いでいる。


 夏海は俺より先にこっちに来ていて。

 すでに池の傍で魚を見ていた。


「夏海」


 俺がそんな彼女の背中に駆け寄ろうとしたとき。


「……ここは?」


「ここが最下層なの……?」


 俺たちに続き。

 榎本さんとサクラもこっちに来た。


 テレポートして来たんだ。


 招きに応じたんだな。


「サクラさん、榎本さん」


 俺は後追いで転移してきた2人に


「多分そうだと思います。招きに応じて来たのがここですし」


 そう口にした後。


 指差した。

 さっき見つけたアレを


 ……それは


 エレベーターの出入り口。


 巨大なプリンの容器を伏せたような形状の、迷宮のオブジェクト。

 ここが迷宮の一部である証。


「あれがある以上、ここは迷宮のハズです」


 2人はそれを見て、俺の言うことに納得したように見えた。


 そのときだった。


「やあ、おめでとう。とうとうこの最下層に到達する人間が現れたね」


 声が降って来た。


 少年の声だ。


 上からだ。


 見上げると……


 そこには



 金髪碧眼で。


 中性的な。


 高級そうな白いシャツと黒い吊りズボンで身を包んだ。


 紅顔の美少年が居たんだ。




 空中に浮かんだ状態で。

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