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えっ、吉常くん大学行かないの?~托卵で生まれた俺、大学に行かずに迷宮探索者で立身出世を目指す~  作者: XX
第12章:最下層に待つもの

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第174話 理解不能の行動

 黄金の騎士の攻撃は主に剣戟。


 魔法は特に使って来なかった。

 何故だ?


 俺は黄金の騎士の剣を捌きながら考える。


 こいつは間違いなく夏海にサイレンスの魔法を使った。

 サイレンスはランク3の魔術師系魔法。

 ということは


 ブリザード

 ファイアーボール

 スリープミスト

 エネルギーバレット


 この4つは使えるはず。

 戦闘に役立つこの4つの魔法を。


 なのに一切使おうとしない。


 何故だ?


 理由が分からない。


 俺相手に魔法は要らないってことか?


 だったら何で俺はコイツの剣技に圧倒されて敗北に至って無いんだよ?

 舐めプ?


 ……そんなわけないだろ。


 舐めプするような奴が


 もう2度と戦いたくない。


 そんなことを言われるもんか。

 舐めプが付け入る隙になる。


 的確な行動を取る気が無いってことだから。


 だから俺は、自分の名誉に賭けて言うけど


 こいつは最適解の行動を取ってる。

 少なくともコイツが思う最適解を。


 舐めプじゃない。


 ……俺は自分の腕に相手の斬撃が来ることを感じた。


 なので俺は、その斬撃を躱して。

 そのがら空きの相手の頭部にニヒムを斬り下ろすイメージを持った。

 剣道で言う「小手抜き面」


 そのとき。


 ヌルッと


 黄金の騎士の斬撃の意志が、俺の胴に移行する。


 抜き面を察知された!?


 俺は距離を取るためにバックステップする。


 追い縋る黄金の騎士。


 そこに


「ファイアーボール!」


 俺の後ろから。

 俺を掠めるように、夏海の爆裂火球が飛んで来て。


 それは黄金の騎士の斜め後方で任意爆裂。

 爆炎を黄金の騎士に浴びせる。


 ……夏海がサイレンスを打ち破ったんだ。

 その方法は……


 多分、サクラの協力。

 僧侶のランク3魔法に、サイレンスのような魔力で対象をねじ伏せるタイプの魔法への抵抗を手助けする「アンチマジック」って魔法があるんだ。

 それを受けて、何とか打ち破ったのだと思う。


 でも、サイレンスが仇になったな。

 前に夏海が言ってたよ。


「サイレンスは気合で打ち破ることが可能だから、私は基本的に使わないことにしてる」


 何故打ち破れるから使わないのか?

 それは……


 サイレンスを受けた相手に、選択肢が出て来るからだ。


 サイレンスに掛かったふりをして、相手の油断を誘い、ここぞというときに打ち破って魔法の一撃を入れて来る。


 ……これ、やばいだろ。

 だから俺は夏海のその方針を聞いても「ビビリ過ぎ」とは思わなかった。


 相手がとてつもない格下だと確信しない限り、サイレンスなんて恐ろしくて使えないよ。


 黄金の騎士は、夏海に自分のサイレンスは打ち破れない。

 そんな確信があったのか。


 ……いや、確信じゃない。


 驕り、って言っていいだろ。


 事実打ち破られてこうなったんだからさ。


 だけど


 ピイイイイ!


 黄金の騎士の叫び声。

 爆裂した火炎が黄金の騎士を包んだ瞬間だ。


 俺はその声に魔法を感じた。

 そして悟った。


 こいつ、ヒートプロテクションを使用してダメージを軽減しようとしている!


 させるか!


 そのとき俺は


 反射的に動いていた。


 踏み込み、ニヒムを脇に構え


 駆け抜けるように振り抜いた。


 黄金の騎士の胴体を。


 高揚感。

 剣に手ごたえを感じたんだ。


 俺は今……


 黄金の騎士を倒した!

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