第154話 設定資料(読み飛ばし推奨)
迷宮:
本編開始時点の30年以上前に突然出現した。
出現が公に公表されているのは
日本、アメリカ、中国、イギリス
その4国。
無資格で入れるのは2階層まで。
3階層以降は番人を倒して資格を得る必要がある。
内部に入ると原因不明であるが、機械類は確実に壊れる。
そして銃火器が使用不能になる。
迷宮の入り口:
日本での入り口は日本各地に存在する。
確認されているのは
新宿、大阪、名古屋、京都、札幌、博多、岡山、米沢、徳島、草加。
これは迷宮の入り口を政府が封鎖するような行為をするたびに入り口の分裂が発生したため。
これ以上の分裂を防ぐため、迷宮の入り口前には監視カメラすら置いていない。
(迷宮に誰が入ったのかを見張るだけでも迷宮がそれを封鎖と捉えるため)
その入り口は、だいたいが「壁に暗黒の穴が開いている」という形式になっている。
迷宮探索者:
誰でもなれる。
年齢制限すらない。
その理由は「国が年齢制限をすることで、迷宮が政府関係施設に強力なモンスターを放流するような報復行動に出た場合に取り返しがつかないから」
そのため学校関係者の生徒指導要領に「生徒が迷宮探索者になりたがった場合、断念させるような指導はしてはならない」というものまでが存在する。
この対応を臆病で無責任であると批判する人間は居るが、現在までのところ迷宮探索者に年齢制限が無いこと由来で特に問題は起きていない。
(そもそも未成年で迷宮に入りたがる人間は、普通にはほぼ存在しないため)
外国人の迷宮探索:
これは制限されている。
制限に踏み切った理由は
「外国人が迷宮探索者になることを制限することを迷宮が許さないのであれば、そもそもその外国人の母国に迷宮の入り口が無いことがおかしい」
「さすがに迷宮探索者が得る特殊能力を、外国人が得ることを解禁するのは国防上不安要素が多過ぎる」
この2点。
エンマ:
迷宮内の治安を守るために、迷宮内で犯罪行為を行った人間に私刑を加える集団。
創立者は日本で最初に上級職に到達したパーティのリーダーだった男性。
現在の構成員は8名。
誰かが新しく第8階層に踏み込む資格を得るたびに勧誘を掛け、応じた個人が上級職を得た場合にメンバーを補充するシステム。
その私刑は、ほぼ全てが容疑者の殺害である。
(例外はある)
容疑者に制裁を加えた後、SNS等で「〇〇事件の犯人が死んだ」という情報を流すことで社会に通知。
公にはその存在は知られていないというか、都市伝説の扱い。
バックに政府関係者、様々な情報組織がついており、彼らの手助けをしている。
(彼らの活動に対する情報開示請求の却下、告発の取り下げ、場合によっては妨害者の逮捕、など)
エンマを創立した最初の男:
迷宮入り口に監視が無い状況を悪用し、人を雇って迷宮内に若い女性を誘拐して連れ込み、内部で客に凌辱させるサービスを立ち上げた人間がいた。
エンマを創立した男はその現場から逃走する犯人グループを目撃したが、現行法ではどうやってもその犯人グループを逮捕できない現実に絶望。
悩んだ末、自分の手で裁くしかないと決断し、彼はその集団を皆殺しにする。
その後、仲間の手助けを受け政府に接触。
交渉し、非合法ではあるが迷宮内犯罪者に私刑を加える組織を作ることについて認めさせた。
ちなみに取得していた上級職は賢者だったらしい。
この世界での警察組織:
迷宮内での犯罪は取り合わない。
これは怠慢では無く、法律で「迷宮内部の犯罪行為は全て不問」と決まっているため。
迷宮黎明期は迷宮内犯罪を取り締まろうと努力はしたが、迷宮内犯罪を裁判に持ち込んでも悉く負けたために最終的に断念した流れ。
そのため「当時の弁護士は取り返しのつかない罪を犯した」と囁く人間が存在する。
この世界での犯罪組織:
迷宮を犯罪に利用することは禁忌になっている。
理由は「それで万一エンマがやってきて、自分たちを皆殺しにすることを開始したら取り返しがつかない」から。
エンマ設立に繋がった闇ビジネスについては闇の伝説になっていて「迷宮内犯罪には、まともな捜査や裁判は行われないから絶対にしてはならない」と思われている。
「いいか……? エンマに目をつけられたら終わりだ……」
「ホンの数十人の女子中学生を迷宮内に拉致って強制売春させたくれえで殲滅される……非実在だろ……? でも、事実なんだよ……」
「女子中学生の売春の斡旋や、麻薬を売捌すのに迷宮を使いたいオマエの気持ち……そのアイディアは分かる……便利だもんな。俺も昔考えたさ」
「でもな、ダメなんだ。そういうことは迷宮外でやれ……俺との約束だ」
アドベンチャラーズ:
迷宮探索者のサポートをするために、日本各地の迷宮入り口の近辺に設置されている政府運営の組織。
やっていることは
迷宮探索者の武装の保管。
迷宮探索者の獲得物の買取。
迷宮探索の獲得物の一部販売。
その他心理面、法律面、生き方のサポート。
大量の現金や、迷宮獲得物を扱うため、防犯のための銃器の所持が許可されている。
その職員は必ずしもクラス所持者ばかりではないが、就職を希望する場合クラス所持者であれば有利に働きやすい。
そのため、脱落した迷宮探索者の就職先として選ばれる場合が多い。
ギルガメッシュ:
迷宮探索者が情報交換するサイト。
命名の由来は、某古典RPGの冒険者の酒場の名前から。
政府が関与しているサイトなので、迷宮探索者の間では信頼性が高いと思われている。
実は運営がエンマと繋がっている。
なので当然だが、ここで行われた会話は何か迷宮内犯罪が発生したときに全てエンマに筒抜けになる。
閻魔の会:
迷宮内犯罪が起きた場合に招集される会合。
迷宮内犯罪の容疑者とされた人間を処断するかどうかを話し合い、決める。
その判断基準は容疑者の生い立ちや人間関係、経済状況。
直接的な物的証拠はほとんどの場合、無い。
参加メンバーはこの状況に慣れ過ぎて、容疑者が冤罪である可能性についてはほぼ気にしていない。
(この閻魔の会に上がって来る時点で、死んでも構わない人間であるとすら思っている)
参加メンバーはエンマの正式メンバーのみであり、エンマの活動のほとんどは「閻魔の会に参加すること」
閻魔の会で決まったことを実行する役は限られている。
(メンバーの中で、特に戦闘が得意である人間が担う)
クラス能力の一般使用:
探偵業の人間は召喚士を持っていると有利に働く。
魔術師をランク2で持っている男性は、その事実をひた隠しにする傾向。
(シースルーによる覗きの濡れ衣を着せられる可能性を危惧しているため)