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第130話 大収穫

 ポーション……この階層でポーション……。


 それは興奮するよな。

 俺も「えっ」って思ったよ。


 7本もポーションか……


 若返り薬だろうか……?

 全快薬だろうか……?


 若返り薬はオークションで300万円超だけど。

 全快薬はもっとすごい。


 1000万円を余裕で超える。


 全快薬は振りかけると、負傷が人体欠損まで完全に治るんだ。

 なので……


 本来、臓器移植でしか治せない病気が簡単に治せるんだよ。

 問題が起きた臓器を取り出した後、患者に全快薬を使用するんだな。

 拒絶反応なんて無い。


 だって薬の効果で再生するのは本人の臓器だもの。


 先天性の欠陥には効かないけど、それはドナーの方にこの全快薬を使えば良い話になるので。

 普通の臓器移植より患者が助かる確率がずっと上がるんだ。


 もし、7本全部全快薬だったら……

 想像するだけで興奮して来るよ。


 ここでは高額で売れるアイテムは色々出て来るけど。

 特に良く売れるのはこの2つ。

 そしてそれはいずれも分類上はポーションなんだな。


 夏海もポーションと聞いて興奮で精神力が回復したみたいだ。

 立ち上がり、榎本さんとサクラのところにすっ飛んで行った。


 そして


「アナライズ!」


 ……魔法による夏海の鑑定。

 その結果。


 若返り薬が5本……

 そして気力復活薬が1本……

 

 気力復活薬は、飲むと丸一日全力で休んだのと同じくらいの疲労回復とストレス解消効果を得る薬。

 これはまあ、ハズレ枠。

 そんなに高くは売れない。


 だけどさ。

 残り1つが


 なんと、全快薬だったんだ……!




「ちょっと落ち着きましょう」


 榎本さんが湧きたつ俺たちを落ち着かせるようにそう言う。

 流石は大人だ。


「良かったデスネ皆サン」


 サクラも祝福してくれる。

 俺たちは彼女にも取り分は渡す。

 その額、おそらく600万円を超えるはず……


 ……彼女は外の世界に出て行きにくいから、使いどころ難しいんだけどな。

 無論、これは違法行為なんだけどしょうがない。


 だって彼女密入国……いや、違法滞在者だし。


 でも、税金の問題どうしよう……?

 そこをしっかりしておかないと、そこから足がつくかも……?


 所得税ってやつは、高額になるほど高くなるそうだ。

 でも、誰かがしなきゃな……


「あの」


 そこで俺は手を上げる。


「今回の分け前、サクラさんの分は俺の取り分ってことにして、税金が俺に行くようにして下さい」


 多分600万円が1200万円になったからといって、さすがに税金が800万円になったりはしないでしょ?

 そんな希望的観測で俺は手を上げる。


 俺のそんな申し出に


「……吉常サン……」


 サクラが俺に感謝の視線を送ってくれた。


 贈与税の問題あるから、そこはそこで何か考える必要はあると思うけどさ……

 いっそのこと、銀行口座をもう1つ作って、俺が彼女のお金を預かる形式取った方が良いのかな?


 夏海にも相談してみるか……


「なぁ霧生」


 そう思った俺が、彼女にそう話し掛けると


「恋さん、お願いしたものを今貰えますか?」


 夏海が榎本さんにそんなことを言った。


 その言葉に榎本さんは、思い出した! って顔をして


「ああ、そうだったわね」


 戦闘服の尻ポケットから、ねじ込んでいた茶封筒を取り出して。

 夏海に差し出しながら


「……ハイ。頼まれていた、アタシが使い捨てカメラで撮った岡山駅の写真。10枚超」


 そんなことを言ったんだ。

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